
プレ男大事なプレゼンの朝とか、通勤電車の中で、急におなかが痛くなってトイレにかけこむんだ。もう何か月も続いてて…。

メル美わたしは逆に、ストレスがたまると便秘になって、おなかが張るの。これも同じ病気なのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、過敏性腸症候群(IBS)の話です。日本消化器病学会の「患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド2023」をもとにまとめました。
どんな病気?
- おなかの痛みや調子の悪さと、それに関連した便秘や下痢などの便通の異常(回数や便の形の異常)が、数か月以上続く病気です
- 大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことが前提です
- 約10%の人がかかっているといわれる、よくある病気です。女性に多く、年齢とともに減っていきます
- 命にかかわる病気ではありませんが、おなかの痛み、便秘・下痢、不安などで、日常生活に支障が出ることが少なくありません
診断の目安(ローマIV基準)
最近3か月の間に、週1日以上、おなかの痛みがくり返し起こり、その痛みが次の2つ以上にあてはまる。
- 排便に関連する
- 症状とともに排便の回数が変わる
- 症状とともに便の形が変わる(やわらかくなる・硬くなる)
4つのタイプ
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 便秘型 | 硬い便が多い。ストレスで便秘がひどくなる |
| 下痢型 | やわらかい便・水のような便が多い。緊張するとおなかが痛くなり下痢をする |
| 混合型 | 下痢と便秘をくり返す |
| 分類不能型 | どちらにもあてはまらない |

メル美プレ男くんは下痢型、わたしは便秘型かもしれないんだ。
なぜ起こる?
- 腸の動きや感じ方は、脳と腸がたがいに通信しあって調整しています。ストレスで不安になると、大腸の動きが激しくなり、痛みを感じやすい状態(知覚過敏)になります。これが強いのがIBSの特徴です
- はっきりした原因はわかっていませんが、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかったあとに、IBSになりやすいことが知られています
検査:大腸の病気でないかを確かめる
- 血便、発熱、思いがけない体重減少などの警告のサインがある人や、50歳以上の人、大腸の病気にかかったことがある人、家族に大腸の病気の人がいる場合は、大腸内視鏡検査などを行います
- サインがなくても、甲状腺の病気などが原因のこともあるため、血液・尿・便の検査、おなかのX線検査などを行います
- これらで異常がなければ、IBSと診断します

おなかの痛みと便通の異常が続くとき、血便や発熱、体重減少がある人、50歳以上の人、家族に大腸の病気の人がいる人は、大腸の検査を受けましょう。
治療:まず生活習慣から
- 3食を規則的にとる
- 暴飲暴食、夜の大食を避け、食事のバランスに注意する
- ストレスをためず、睡眠・休養を十分に
- 刺激物、脂っこい食べ物、お酒を控える
生活習慣を改善してもよくならないときは、薬を使います。腸の動きを整える薬、プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌などの製剤)、便の水分を調整する薬などが最初に使われ、タイプに合わせて下痢型・便秘型の薬も使われます。ストレスや不安が強いときは、抗うつ薬・抗不安薬や、ストレスへの対処を助言する簡易精神療法も有効とされています。治療は4〜8週間続けて効果を見ます。
- 胃もたれやみぞおちの痛みが中心なら機能性ディスペプシア、便秘と食事は便秘と食物繊維、大腸がん検診はがん検診の受け方の記事もどうぞ

プレ男夜遅くのドカ食いとお酒をやめて、ちゃんと寝よう。続くなら、恥ずかしがらずに病院で相談するよ。
まとめ
- IBSは、大腸に病気がないのに、おなかの痛み+便秘・下痢が数か月以上続く病気
- 約10%がかかる、よくある病気。女性に多い
- ストレスで腸が動きすぎ、痛みに敏感に。感染性腸炎のあとになりやすい
- 血便・発熱・体重減少・50歳以上・家族歴があれば大腸の検査
- 3食規則的に、暴飲暴食・夜の大食・刺激物・脂っこい食事・お酒を控え、睡眠と休養を
参考文献
- 日本消化器病学会(協力:日本消化管学会、日本神経消化器病学会、日本心身医学会). 患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド2023. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/ibs_2023.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。