
メル美40代の叔母が、健診で貧血と血小板が少ないと言われて、くわしく調べたら脾臓が大きくて、胃カメラで食道に静脈瘤が見つかったんだって。お酒は飲まないし、肝硬変でもないらしい。

プレ男静脈瘤って肝硬変の人にできるイメージだけど、ほかの原因もあるんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、特発性門脈圧亢進症の話です。難病情報センターの「特発性門脈圧亢進症」(令和6年10月更新、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 門脈は、小腸からの栄養をたくさん含んだ血液を肝臓へ運ぶ血管です
- 特発性門脈圧亢進症は、肝臓や門脈そのものに特別な病変がないのに、肝臓の中の細い門脈の枝がつまったり狭くなったりして、門脈の圧が上がる病気です
- その結果、食道や胃の静脈瘤、脾臓のはれ、貧血などが起こります
- 正確な原因は不明ですが、中年の女性に多く、免疫の異常がみられることがあることから、自己免疫の関与が推測されています
どんな人に多い?
- 患者さんは810〜1,300人程度(人口100万人あたり7.9人)と推定され、欧米より日本にやや多く、都会より農村に多い傾向があります
- 女性が男性の約2.4倍で、発症のピークは40〜50歳代です
症状
- 門脈の圧が上がると、脾臓が大きくなり、腹水がたまります
- 門脈の血液の一部が、肝臓に向かわずにほかの道(側副血行路)へ逃げるようになり、おなかの壁の静脈が浮き出たり、食道や胃に静脈瘤ができたりします
- 脾臓が大きくなると貧血になり、血小板も少なくなって、出血したときに血が止まりにくくなります
- 静脈瘤の中の圧が上がって破裂・出血すると、吐血・下血が起こります。出血でショックになり、亡くなることもあります

プレ男肝硬変じゃなくても、肝臓の中の細い血管がつまって静脈瘤ができることがあるんだ。
治療
- 食道・胃の静脈瘤と、脾臓のはたらきが強くなることによる貧血(赤血球・白血球・血小板すべての減少)が治療の対象です
- 静脈瘤から出血したときは、緊急の処置が必要です。放っておくと出血でショックになり、命が危険になる可能性があります。ただちに最寄りの救急病院を受診し、点滴・輸血などの救急の処置のうえで、内視鏡による止血の処置を受けなければなりません

特発性門脈圧亢進症では、食道や胃に静脈瘤ができ、破裂すると吐血や下血が起こり、命にかかわることがあります。静脈瘤から出血したときは、ただちに最寄りの救急病院を受診しましょう。

メル美血を吐いたり、便に血がまじったりしたら、すぐ救急に行くように、叔母と家族で確認しておくね。
まとめ
- 肝臓や門脈に特別な病変がないのに、門脈の圧が上がる病気
- 女性に約2.4倍多く、40〜50歳代がピーク
- 食道・胃の静脈瘤、脾臓のはれ、貧血・血小板の減少、腹水
- 静脈瘤が破裂すると吐血・下血、ショックで命にかかわることも
- 出血したら、ただちに救急病院へ。内視鏡で止血
参考文献
- 難病情報センター. 特発性門脈圧亢進症(指定難病92)(情報更新日:令和6年10月、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/162 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。