
メル美母が健診で「ALPとγ-GTPが高い」って言われたの。お酒はほとんど飲まないのに。最近、体がかゆいとも言ってた。

プレ男γ-GTPって、お酒を飲む人が高くなるイメージだけど、それ以外の理由もあるの?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の話です。難病情報センターの「原発性胆汁性胆管炎」(令和7年12月更新、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。健診の肝機能の数値の見方は健診の肝機能検査の記事にまとめています。
どんな病気?
- 肝臓でつくられる消化液(胆汁)は、胆管を通って十二指腸に流れます。PBCは、肝臓の中の細い胆管が壊れる病気です
- 胆汁の流れが滞るため、血液検査でALPやγ-GTPなどの胆道系の酵素が高くなります。血液中に抗ミトコンドリア抗体(AMA)という自己抗体が見つかるのが特徴です
- 原因はまだわかっていませんが、自己免疫によって胆管が攻撃されると考えられています
どんな人に多い?
- 2018年の調査で、全国におよそ37,000人と推定され、年々増えています(増えているのは比較的軽い人です)
- 中年以降の女性に多く、男女比は約1対4、50〜60歳に最も多くみられます
症状
- いま診断される人の多くは病気が進んでおらず、自覚症状はほとんどありません。ただ、軽い段階でも約30%の人は、中等度〜重度の皮膚のかゆみを感じています
- 診断されず治療しないまま進むと、全身の強いかゆみ、疲れやすさ・だるさ、食道・胃の静脈瘤が起こり、やがて肝硬変に進むことがあります
- ビタミンDが吸収されにくくなり、とくに閉経期の女性では骨粗しょう症が進みやすくなります。目のまわりに脂肪がたまる黄色腫ができることもあります
- 自己免疫を起こしやすい体質のため、シェーグレン症候群(約15%)、関節リウマチや慢性甲状腺炎(約5%)を合併することもあります(シェーグレン症候群)

メル美お酒を飲まなくてもALPやγ-GTPが高くなる病気があって、かゆみも症状のひとつなんだ。
治療
- 胆汁の流れをよくして、肝硬変への進行を抑える治療と、かゆみや骨粗しょう症など症状や合併症への治療があります
- 病気そのものには、ウルソデオキシコール酸という薬が世界中で使われています。効果が足りないときは、ほかの薬を組み合わせることもあります
- かゆみには、かゆみ止めの薬などが使われます
- 肝硬変まで進み、内科の治療で効果がない場合は、肝移植を検討します。PBCでは肝移植後の経過は良好とされています
経過と生活の注意
- ウルソデオキシコール酸が使われるようになってから、経過は明らかによくなりました。ほとんど症状のない人は、薬を飲み続けることで、病気のない人と同じように日常生活を送り、天寿を全うできるようになっています
- 症状がない人は、日常生活で特別な注意は必要なく、仕事もふつうにしてかまいません。最近は、肥満に注意して食事や運動に気をつける必要がある人が増えています
- 薬をやめると病気が進む可能性があるので、定期的な通院と服薬を続けましょう

原発性胆汁性胆管炎は、50〜60歳の女性に多く、健診の血液検査でALPやγ-GTPが高くなることで見つかることがあります。自覚症状がほとんどない段階で治療を始めて薬を続ければ、病気のない人と同じように日常生活を送ることができます。
- 脂肪肝は脂肪肝の記事もどうぞ

プレ男健診の数字だけで終わらせずに、かゆみのことも伝えて精密検査を受けてもらおうね。
まとめ
- 肝臓の中の細い胆管が自己免疫で壊れる病気
- 血液検査でALP・γ-GTPが高く、抗ミトコンドリア抗体が見つかる
- 50〜60歳の女性に多く、全国に約37,000人
- 多くは自覚症状なし。約30%に皮膚のかゆみ。進むと肝硬変・骨粗しょう症
- 薬を続ければふつうの生活が送れる。通院と服薬を続ける
参考文献
- 難病情報センター. 原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)(情報更新日:令和7年12月、難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/93 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。