
メル美母が、目がゴロゴロして、口もカラカラで、外出のときは水筒が手放せないって。最近むし歯も増えたらしいの。

プレ男年齢のせいの乾燥かな?それとも何かの病気?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、目と口がひどく乾く「シェーグレン症候群」の話です。難病情報センターの「シェーグレン症候群」(令和7年11月更新、自己免疫疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 涙腺やだ液腺を主に攻撃する自己免疫の病気です。ときに、全身のさまざまな臓器にも病変が出ます
- 関節リウマチやSLEなどの膠原病に合併するもの(二次性)と、合併のないもの(一次性)があります
- 原因は、遺伝、ウイルスなどの環境、免疫の異常、女性ホルモンが複雑に関係すると考えられています。いわゆる遺伝病ではありません
どんな人に多い?
- 患者さんは約7万人と報告されていますが、潜在的な人を含めると10〜30万人と推定されることもあります
- 年齢は50歳代がピークで、男女比は1対17と女性に多い病気です
- 関節リウマチの人の約20%にも起こります(関節リウマチ)
症状
| 場所 | 主な症状 |
|---|---|
| 目(ドライアイ) | 乾く、ゴロゴロする、かゆい、痛い、疲れる、まぶしい、目やにがたまる、悲しいときでも涙が出ない |
| 口(ドライマウス) | 渇く、だ液が出ない、食事中によく水を飲む、渇いて会話が続かない、味がわかりにくい、外出に水筒を持ち歩く、夜に水を飲みに起きる、むし歯が増えた |
| 鼻 | 乾く、かさぶたができる、鼻血 |
| そのほか | だ液腺のはれと痛み、関節痛、熱、疲労感、皮膚の発疹、腟の乾燥など |

プレ男水筒が手放せない、むし歯が増えた、っていうのも症状に入っているんだ。
診断
- 唇の内側の小さなだ液腺などの組織検査、だ液や涙の量の検査、目の表面の傷の検査、血液の抗SS-A抗体・抗SS-B抗体などのうち、2つ以上が当てはまるとシェーグレン症候群と診断されます(厚生省の1999年の診断基準)
治療
- 現状では根本的に治すことはできません。治療は、乾燥症状をやわらげることと、病気の勢いを抑えて進行を防ぐことです
- 目:涙の質を変える点眼薬、防腐剤の入っていない人工涙液など。涙の出口(涙点)を涙点プラグでふさぐ方法は患者さんに評判がよく、眼科医に相談しましょう。ゴーグル型のめがねで涙の蒸発を防ぐこともできます
- 口:むし歯になりやすいので、口の中を清潔に保つことが非常に大切です。シュガーレスガムなどでだ液の分泌をうながしたり、だ液の分泌を増やす薬(約60%に効果)、人工だ液や保湿ジェルを使ったりします。口が渇く副作用のある薬を飲んでいる場合は、担当医に相談しましょう
- 乾燥した食品、香辛料、アルコールをさけ、禁煙が大切です。甘い間食はひかえましょう
- 腟の乾燥による性交時の不快感は約20%の人にあり、婦人科の受診がすすめられています
- 肺・腎臓・神経など大事な臓器に病変があるときは、ステロイドや免疫抑制薬を使います
経過
- 約半数の人は、10年以上たっても大きな変化はありません。残りの約半数では、検査値の異常や、間質性肺炎・神経・腎臓などの病変が出ることがあり、まれにリンパ腫が起こることもあるため、定期的な受診が大切です

シェーグレン症候群は、涙腺やだ液腺を免疫が攻撃する病気で、50歳代の女性に多くみられます。むし歯になりやすいので、口の中を清潔に保つことが非常に大切です。
- 目の乾きはドライアイ、SLEは全身性エリテマトーデスの記事もどうぞ

メル美年齢のせいだと決めつけず、眼科や内科で相談するように母に伝えるね。歯医者さんにも定期的に行ってもらおう。
まとめ
- 涙腺・だ液腺を免疫が攻撃する病気。全身に病変が出ることも
- 約7万人(潜在的には10〜30万人)、50歳代の女性に多い(男女比1対17)
- 目の乾き・口の渇き・水筒が手放せない・むし歯が増える・涙が出ない
- 治療は乾燥をやわらげること。涙点プラグ・点眼・だ液の分泌をうながす
- 口の清潔・禁煙が大切。約半数は10年以上変化なし、定期的な受診を
参考文献
- 難病情報センター. シェーグレン症候群(指定難病53)(情報更新日:令和7年11月、自己免疫疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/111 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。