
プレ男60代の祖父が、ここ数年で階段がのぼりにくくなって、指先で小銭をつまむのも難しくなってきたんだ。年のせいだと思ってたけど、最近はむせることもあるって。

メル美太ももと指先…決まった場所の力が落ちているんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、封入体筋炎の話です。難病情報センターの「封入体筋炎」(令和7年11月更新、希少難治性筋疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 主に50歳以上で発症し、ゆっくり進む筋肉の病気です
- 太ももや手指の筋肉がやせて筋力が落ちるため、階段がのぼりにくい、指先で物がつまみにくいといった症状で始まります
- 診断には、筋肉の組織を調べる筋生検が必要です。筋肉に特徴的な封入体がみられることが名前の由来です
- 原因はわかっていません。原則として遺伝はしません
どんな人に多い?
- 患者さんはおよそ3,700人(100万人あたり30.8人)と推定され、海外とほぼ同じ頻度です
- 50歳以上の中高年に多く、男性に多い傾向があります
症状と経過
- 太ももと手指の筋力低下で始まり、歩くことの障害と、飲みこみにくさ(嚥下障害)が主な問題になります
- 個人差はありますが、進行性で、5〜10年で車いすの生活になることが多いとされています
- 寿命に影響するという明確な証拠はありませんが、誤嚥性肺炎や呼吸の合併症が影響する可能性があります

プレ男階段と指先、それにむせること…祖父の症状は、封入体筋炎の特徴に当てはまるところがあるんだ。
治療
- 残念ながら、有効な薬はまだ確立されていません。多発性筋炎・皮膚筋炎で効くステロイドは、この病気では筋力の回復がみられません(多発性筋炎・皮膚筋炎)
- 運動療法・作業療法などのリハビリ、歩くときのひざ折れを防ぐ装具や杖の活用がすすめられています。ロボットスーツを使った歩行のリハビリも保険で行えます
- 飲みこみの問題には、食事の内容を工夫したり、胃ろうをつくったり、のどを広げる処置などで対応します
日常生活の注意
- 飲みこみにくさによる誤嚥性肺炎と、立つ・歩くことの障害による転倒・骨折に注意が必要です

封入体筋炎は、50歳以上の男性に多く、太ももと手指の筋力が落ちて、階段がのぼりにくい、指先でつまみにくいといった症状で始まります。ステロイドが効かないことが多く、リハビリや装具が中心です。飲みこみにくさと転倒に注意しましょう。
- 転んで骨を折ったときは背骨の圧迫骨折の記事もどうぞ

メル美年のせいと決めつけずに、脳神経内科で相談してもらおうね。食事のときのむせにも気をつけよう。
まとめ
- 50歳以上の男性に多い、ゆっくり進む筋肉の病気
- 太ももと手指の筋力が落ち、階段がのぼりにくい・指先でつまみにくい
- 診断には筋生検。患者さんは約3,700人
- ステロイドは効かないことが多い。リハビリ・装具・杖が中心
- 5〜10年で車いすになることが多い。誤嚥性肺炎と転倒・骨折に注意
参考文献
- 難病情報センター. 封入体筋炎(指定難病15)(情報更新日:令和7年11月、希少難治性筋疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/3801 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。