暗号資産が金融商品取引法へ:2026年7月15日に改正法が成立。インサイダー取引規制の創設、取り扱う暗号資産の情報公表、無登録業者への罰則の引き上げ(拘禁刑3年→10年)、流出に備えた責任準備金(金融庁)
暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法に移す改正を、金融庁の「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)と、第221回国会の提出法律のページ(2026年4月10日提出、7月15日成立)でまとめました。暗号資産は有価証券とは別の金融商品として金商法に位置づけられ、交換業者は「暗号資産取引業者」に。主な内容は、①暗号資産の情報公表のルール、②取引業者への規制の強化(取り扱えない暗号資産の基準、不正流出に備えた責任準備金など)、③無登録業者への罰則の引き上げ(拘禁刑3年から10年)と、ステルスマーケティング規制、④インサイダー取引規制の創設(罰則は5年以下の拘禁刑など)。背景として、国内の口座開設数は1,400万超。投資家にとっての意味と、施行日の注意も。

プレ男暗号資産のルールが変わって、株と同じような法律で規制されるって聞いたよ

メル美インサイダー取引も禁止になるんだって。何が変わるのか、金融庁の資料で見てみよう
今回は、暗号資産の規制の見直しです。金融庁の「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)と、第221回国会の金融庁関連の法律のページで確認しました(2026年10月12日閲覧)。
この記事は制度の説明です。暗号資産の売買や特定の業者をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
何が決まったのか
- 「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」は、2026年4月10日に国会に提出され、7月15日に成立しました
- 暗号資産の取引の規制を、資金決済法から金融商品取引法(金商法)に移します。暗号資産は、有価証券とは別の金融商品として金商法に位置づけられます
- 暗号資産交換業者の名前は、暗号資産取引業者に変わります
- この法律には、暗号資産のほか、企業のサステナビリティ情報の開示・保証、スタートアップへの資金供給、有価証券の不公正取引の規制の見直しも含まれます
なぜ変えるのか(金融庁の説明)
- 暗号資産は、これまで決済手段の観点から資金決済法で規制されてきましたが、投資の対象になってきています
- 国内の口座開設数は1,400万超で、利用者の取引の動機のほとんどは、長い目で見た値上がりへの期待だとしています
- 一方で、無登録業者による詐欺的な投資勧誘の相談、投資セミナーやオンラインサロンなどでの詐欺的な行為が疑われる事例、ホワイトペーパー(説明資料)の内容があいまいな例、サイバー攻撃による流出が続いていることを課題に挙げています
主な改正の内容
| 中身(法律案の説明資料) | |
|---|---|
| ① 情報の公表 | 取引業者は、暗号資産を取り扱う前に、その性質・機能・供給量・基盤技術などの情報を公表する。発行者がいる暗号資産を発行者が売り出すときは、発行者が情報を公表する |
| ② 取引業者への規制 | 第一種金融商品取引業に相当する規制。利用者保護の基準に合わない暗号資産は取り扱い禁止。不正流出が起きたときの補償の原資として責任準備金を積み立てる |
| ③ 無登録業者への対応 | 無登録業の罰則を拘禁刑3年から10年に引き上げ、証券取引等監視委員会の犯則調査の対象に。対価を受けて取引の意見を言うときに、そのことの表示を義務づけるステルスマーケティング規制も |
| ④ インサイダー取引規制 | 国内の取引業者で取り扱われる暗号資産について、発行者・取引業者・大量売買をする人の関係者などが、重要な事実の公表前に売買することを禁止。罰則は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または両方 |
- これまでの金商法でも、暗号資産の偽計・相場操縦などは禁止されていましたが、インサイダー取引を直接規制する規定はありませんでした
- 重要な事実の例として、発行者の解散、取引業者での取り扱いの開始・中止、大量の売買などが挙げられています
- 詐欺的な投資勧誘の支払いに暗号資産が使われるのを防ぐため、口座を開いた直後は外部のウォレットに移せない「熟慮期間」を設けることなども、内閣府令で定める例として示されています

メル美「この暗号資産の取り扱いが始まる」という情報を事前に知って買うのも、インサイダー取引になりうるのね
施行日の注意
- 説明資料では、施行日は改正の項目ごとに定められています。具体的な内容の多くは政令・内閣府令で決まる予定です
- 実際に取引するときは、金融庁や取引業者の最新の案内で、いつから何が変わるのかを確かめてください
投資家にとっての意味
- 登録業者かどうかの確認は、これからも大切です。無登録業者への罰則は重くなります(→暗号資産のしくみと交換業者の登録制度)
- 株と同じように、インサイダー取引のルールを知っておく必要があります(→インサイダー取引規制)
- 流出への備えとして責任準備金の制度が入りますが、これまでの流出事件と分別管理のしくみは暗号資産の流出事件と「分別管理」へ
- 法律が変わっても、暗号資産の価格の変動が大きいことは変わりません

プレ男ルールがしっかりしても、値動きのリスクはそのままなんだね
まとめ
- 暗号資産の規制を資金決済法から金商法へ移す改正法が、2026年7月15日に成立
- 暗号資産は有価証券とは別の金融商品、交換業者は暗号資産取引業者に
- 情報の公表、取り扱えない暗号資産の基準、責任準備金
- 無登録業者の罰則を引き上げ(拘禁刑3年→10年)、ステマ規制
- インサイダー取引規制を創設。施行日は項目ごとに異なる
参考文献
- 金融庁. 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料(2026年4月). https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/02/03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 金融庁. 第221回国会における金融庁関連法律案. https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。