日本電設工業の強みとは:JR各社などの鉄道の電気工事が売上の半分強の設備工事会社。2026年3月期は受注2,673億円(+19.5%)、売上高2,292億円(+5.7%)、営業利益236億円(+31.4%)がすべて過去最高
日本電設工業を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。受注高2,673億円(+19.5%)、売上高2,292億円(+5.7%)、繰越高2,242億円、営業利益236億円(+31.4%、営業利益率10.3%)、経常利益253億円(+30.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益181億円(+36.9%)で、すべて過去最高。ROE8.8%、自己資本比率64.6%。部門別の売上高は鉄道電気工事1,201億円(受注1,370億円)、一般電気工事645億円(受注892億円、+51.7%)、情報通信工事311億円、環境エネルギー工事60億円。東日本旅客鉄道をはじめとするJR各社、公営・民営鉄道に営業し、地中送電線路や電車線の工事を受注。年124円の配当(配当性向40.1%)、2027年3月期は売上高2,423億円・営業利益239億円・年127円の予想。きんでん・クラフティアとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男日本電設工業って、どんな工事をしている会社なの?

メル美決算短信だと、鉄道の電気工事がいちばん大きいんだって。受注も売上も利益も過去最高みたい
企業分析の連載、301社目は日本電設工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のきんでんの強みとは・クラフティア(旧・九電工)の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本電設工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
鉄道電気工事・一般電気工事・情報通信工事・環境エネルギー工事などを行う設備工事の会社。売上の半分強が鉄道の電気工事
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注高 | 2,673億円(過去最高) | +19.5% |
| 売上高 | 2,292億円(過去最高) | +5.7% |
| 繰越高 | 2,242億円(過去最高) | +22% |
| 営業利益 | 236億円(過去最高) | +31.4% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 10.3% | 前期 8.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 181億円(過去最高) | +36.9% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.8% | 前期 6.9% |
| 自己資本比率 | 64.6% | 前期 66.0% |
| 配当 | 年124円(配当性向40.1%) | 前期 90円 |
2. 何で稼いでいるか
| 部門 | 受注高 | 売上高 | 主な工事(決算短信の記載) |
|---|---|---|---|
| 鉄道電気工事 | 1,370億円(+14.1%) | 1,201億円(+2.5%) | 多摩川・品川間の地中送電線路取替工事、東北新幹線の耐震支持物建替工事など |
| 一般電気工事 | 892億円(+51.7%) | 645億円(+7.4%) | 都庁第二本庁舎の高圧電気設備改修、TAKANAWA GATEWAY CITYの地域エネルギー供給電気設備など |
| 情報通信工事 | 319億円(−5.8%) | 311億円(+10.6%) | 工場のネットワーク工事など |
| 環境エネルギー工事 | 42億円(−38.2%) | 60億円(+10.9%) |
- 売上高の約52%が鉄道電気工事です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 鉄道の電気工事
- 東日本旅客鉄道をはじめとするJR各社、公営鉄道・民営鉄道に営業し、地中送電線路や電車線などの工事を受注しています。会社は、各鉄道会社の安全・安定輸送への投資と設備更新が堅調だとしています
② 一般電気工事の受注の伸び
- 一般電気工事の受注高は、大規模工事を中心に+51.7%でした
③ 積み上がる繰越高
- 繰越高は2,242億円で、過去最高です
4. 弱み・リスク
① 鉄道会社の投資への依存
- 売上の半分強が鉄道電気工事で、鉄道会社の投資の動きの影響を受けます
② 物価と景気
- 会社は、物価の動向や米国の通商政策、中東情勢などの景気を下押しするリスクに留意が必要としています
③ 2027年3月期の伸び
- 2027年3月期は、営業利益239億円(+1.4%)と、伸びが小さい予想です
5. ライバルとの比較
設備工事の会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。主な工事の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 日本電設工業 | きんでん | クラフティア | |
|---|---|---|---|
| 売上高(完成工事高) | 2,292億円(+5.7%) | 7,507億円(+6.5%) | 4,761億円(+0.5%) |
| 営業利益 | 236億円(+31.4%) | 903億円(+48.0%) | 546億円(+31.9%) |
| 営業利益率 | 10.3% | 12.0% | 11.5% |
| ROE | 8.8% | 11.0% | 12.2% |
| 自己資本比率 | 64.6% | 72.4% | 66.4% |
- くわしくはきんでんの強みとは・クラフティア(旧・九電工)の強みとはへ。JR東日本についてはJR東日本の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
日本電設工業の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注高・繰越高 | 2,673億円・2,242億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 鉄道電気工事の受注高・売上高 | 1,370億円・1,201億円 | 決算短信(部門別受注・売上・繰越高) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,423億円、営業利益239億円、当期純利益185億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年124円、2027年3月期予想127円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男電車が毎日ちゃんと動く裏側で、電気の工事をしている会社があるんだね
まとめ
- 日本電設工業は、鉄道の電気工事が売上の半分強の設備工事会社
- 2026年3月期は受注2,673億円・売上高2,292億円・営業利益236億円がすべて過去最高
- 一般電気工事の受注は+51.7%
- 繰越高は2,242億円
- 2027年3月期は営業利益239億円・年127円の予想
参考文献
- 日本電設工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19500/140120260428513838.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- きんでん. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19440/140120260420506537.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- クラフティア. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19590/140120260428513134.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。