クラフティア(旧・九電工)の強みとは:電気工事・空調管工事などの設備工事の会社。2026年3月期は工事受注4,790億円(+6.0%)、工事利益率の向上で営業利益546億円(+31.9%)。配当は年220円(前期140円)
クラフティア(九電工から社名を変更)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。工事受注高4,790億円(+6.0%)、売上高4,761億円(+0.5%)、営業利益546億円(+31.9%、営業利益率11.5%)、経常利益582億円(+30.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益401億円(+38.7%)、ROE12.2%、自己資本比率66.4%。報告セグメントの設備工事業は売上高4,575億円、セグメント利益512億円(+34.8%)で、首都圏・福岡の再開発、関西圏の統合型リゾート、データセンター関連の工事を受注。九州電力グループ向けの工事売上高は537億円(工事売上高の11.7%)。宇久島メガソーラー事業は2026年度中の完成から遅れる見通し。年220円の配当(配当性向38.9%)、2027年3月期は受注4,950億円・売上高5,000億円・営業利益555億円・年220円の予想。鹿島建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男クラフティアって、聞いたことのない会社だな

メル美九電工から社名を変えた会社なんだって。電気や空調の工事をしていて、2026年3月期は利益が3割以上増えたみたい
企業分析の連載、290社目はクラフティアです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。社名は、会社の特設ページ「九電工は、『クラフティア』へ。」のとおり、九電工から変わりました。会社のサイトの決算資料は今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の鹿島建設の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、クラフティア株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
配電線工事・屋内配線工事・電気通信工事などの電気工事と、空気調和・給排水衛生設備などの空調管工事の設計・施工を行う「設備工事業」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 工事受注高 | 4,790億円 | +6.0% |
| 売上高 | 4,761億円 | +0.5% |
| 営業利益 | 546億円 | +31.9% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 11.5% | 前期 8.7% |
| 経常利益 | 582億円 | +30.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 401億円 | +38.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 12.2% | 前期 9.6% |
| 自己資本比率 | 66.4% | 前期 63.5% |
| 配当 | 年220円(配当性向38.9%) | 前期 140円 |
- 売上高はほぼ横ばいでしたが、工事利益率の向上で営業利益が大きく増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な中身(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 設備工事業 | 電気工事、空調管工事 | 4,575億円(+0.7%) | 512億円(+34.8%) |
| その他 | 材料・機器の販売、不動産、再生可能エネルギー発電など | 186億円(−5.0%) | 33億円(+8.3%) |
- 九州電力グループ(九州電力・九州電力送配電・九電送配サービス)向けの工事売上高は537億円(工事売上高の11.7%)です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 大型案件の受注
- 工事受注は、首都圏や福岡の再開発、関西圏の統合型リゾート、データセンター関連の工事を中心に、+6.0%でした
② 利益率の向上と価格転嫁
- 物価の上昇を価格に転嫁しながら受注を進め、工事利益率が上がりました
③ 財務と株主還元
- 自己資本比率は66.4%です。会社は、中期経営計画で配当性向40%を目安(累進配当)にしています
4. 弱み・リスク
① メガソーラー事業の遅れ
- 宇久島メガソーラー事業は、2026年度中の完成から遅れる見通しです。会社が出資する発電事業者では、環境配慮などのコストも増えています
② 人手と物価
- 会社は、物価上昇や労働需給のひっ迫、米国の関税政策の国内企業の設備投資への影響に注意が必要としています
③ 2027年3月期の伸び
- 2027年3月期は、営業利益555億円(+1.6%)と、伸びが小さい予想です
5. ライバルとの比較
建設の大手の鹿島建設と並べます。どちらも2026年3月期・日本基準です。設備工事と総合建設で事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| クラフティア | 鹿島建設 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,761億円(+0.5%) | 3兆673億円(+5.3%) |
| 営業利益 | 546億円(+31.9%) | 2,408億円(+58.5%) |
| 営業利益率 | 11.5% | 7.8% |
| ROE | 12.2% | 13.3% |
| 自己資本比率 | 66.4% | 39.0% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
クラフティアの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 工事受注高 | 4,790億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 設備工事業のセグメント利益 | 512億円 | 決算短信(セグメント) |
| 宇久島メガソーラー事業の進み具合 | 2026年度中の完成から遅れる見通し | 決算短信(設備工事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 受注4,950億円、売上高5,000億円、営業利益555億円 | 決算短信(次期の見通し) |
| 配当 | 年220円、2027年3月期予想220円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男社名が変わると検索しにくいね。決算短信は新しい社名で出ているから注意しよう
まとめ
- クラフティア(旧・九電工)は、電気工事・空調管工事の設備工事の会社
- 2026年3月期は工事受注4,790億円(+6.0%)、営業利益546億円(+31.9%)
- 再開発・統合型リゾート・データセンター関連の工事を受注
- 宇久島メガソーラー事業は完成が遅れる見通し
- 2027年3月期は営業利益555億円・年220円の予想
参考文献
- クラフティア. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19590/140120260428513134.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- クラフティア. 九電工は、「クラフティア」へ。社名変更特設ページ. https://www.kraftia.co.jp/new/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。