大林組の強みとは:国内建築が営業利益の半分超のゼネコン。2026年3月期は売上高2兆5,863億円・営業利益1,947億円(+36.6%)。追加・変更工事の獲得と採算の良い案件で利益が増加。配当は自己資本配当率(DOE)5%程度を目安に
大林組を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2兆5,863億円(−0.2%)、営業利益1,947億円(+36.6%、営業利益率7.5%)、経常利益2,042億円(+34.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,738億円(+19.5%)、ROE14.4%、自己資本比率40.0%。セグメント利益は、国内建築1,036億円(追加・変更工事の獲得、採算の良い案件の寄与)、国内土木406億円、不動産199億円(開発物件の売却)、海外土木152億円(手持ち工事の増加)、海外建築114億円。受注高は2兆8,498億円(−9.9%、施工キャパシティに見合った計画的な受注)。年88円の配当、配当は自己資本配当率(DOE)5%程度を目安に。2027年3月期は売上高2兆9,450億円・営業利益1,800億円・年94円の予想。鹿島建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美大林組と鹿島建設、どっちも大きな建設会社だよね。何が違うの?

プレ男大林組の決算短信を見たら、配当を「自己資本配当率5%程度」で決めるって書いてあったよ
企業分析の連載、108社目は大林組です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の鹿島建設の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、大林組株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
国内・海外の建築・土木の工事を請け負うゼネコン(総合建設会社)に、不動産開発を組み合わせた会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆5,863億円 | −0.2% |
| 営業利益 | 1,947億円 | +36.6% |
| 営業利益率 | 7.5% | 前期 5.5% |
| 経常利益 | 2,042億円 | +34.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,738億円 | +19.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 14.4% | 前期 12.6% |
| 自己資本比率 | 40.0% | 前期 38.1% |
| 配当 | 年88円(配当性向35.3%) | 前期 81円 |
- 利益が増えたのは、国内建築事業での追加・変更工事の獲得や採算の良い案件の寄与、海外土木事業の手持ち工事の増加と順調な進み具合、不動産事業の開発物件の売却などによるものです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 外部顧客への売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|
| 国内建築 | 1兆1,388億円 | 1,036億円 |
| 国内土木 | 4,266億円 | 406億円 |
| 不動産 | 1,068億円 | 199億円 |
| 海外土木 | 3,360億円 | 152億円 |
| 海外建築 | 5,080億円 | 114億円 |
| その他 | 701億円 | 28億円 |
- セグメント利益の半分超が国内建築です(合計1,937億円のうち約53%。計算値)
- 海外建築は売上高が大きい一方、利益率は2%台です(計算値)
受注高(建設事業)
- 受注高は2兆8,498億円(−9.9%)でした。海外建築は大型工事の受注で増えた一方、国内は前期の大型案件の反動や、施工キャパシティに見合った計画的な受注活動で減りました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内建築の採算
- 国内建築は、追加・変更工事の獲得や採算の良い案件の寄与で利益が増えました
② 計画的な受注
- 会社は、国内では施工キャパシティに見合った計画的な受注活動をしているとしています
③ はっきりした配当の目安
- 配当は、自己資本配当率(DOE)5%程度を目安にした普通配当を出すとしています(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 2027年3月期の減益の見通し
- 2027年3月期は、売上高2兆9,450億円(+13.9%)と増収の一方、営業利益1,800億円(−7.5%)の予想です
② 建設物価と為替
- 会社は、建設物価の高騰や為替の変動が企業の設備投資意欲を減退させる懸念があるとしています
③ 海外建築の利益率
- 海外建築は、売上高5,080億円に対しセグメント利益114億円です
5. ライバルとの比較
ゼネコン大手の鹿島建設と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 大林組 | 鹿島建設 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆5,863億円(−0.2%) | 3兆673億円(+5.3%) |
| 営業利益 | 1,947億円(+36.6%) | 2,408億円(+58.5%) |
| 営業利益率 | 7.5% | 7.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,738億円 | 1,773億円 |
| ROE | 14.4% | 13.3% |
| 受注高(建設事業) | 2兆8,498億円(−9.9%) | 3兆2,639億円(+24.4%) |
- どちらも利益が大きく増えた年でした。ROEは大林組が少し上です(→鹿島建設の強みとは)。住宅・建設の会社は大和ハウス工業の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
大林組の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注高(建設事業) | 2兆8,498億円 | 決算短信(経営成績) |
| 国内建築のセグメント利益 | 1,036億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆9,450億円、営業利益1,800億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年88円、2027年3月期予想94円(DOE5%程度が目安) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美国内の建築で大きく稼いでいるのね。受注を計画的に絞っているのと、来年の減益の見通しも見ておきたいな
ほかのゼネコン大手は大成建設の強みとはと清水建設の強みとはも参考にしてください。
ほかの建設会社は安藤ハザマの強みとは・西松建設の強みとは・奥村組の強みとは・熊谷組の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 大林組は、国内・海外の建築・土木と不動産の会社
- 2026年3月期は営業利益1,947億円(+36.6%)、ROE14.4%
- セグメント利益の半分超が国内建築
- 配当はDOE5%程度が目安
- 2027年3月期は営業利益1,800億円の予想
参考文献
- 大林組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18020/140120260512524360.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。