大成建設の強みとは:土木・建築のゼネコンに開発事業。2026年3月期は営業利益1,880億円(+56.4%)、ROE18.7%。建築の営業利益が利益率の好転で約7倍に。東洋建設を連結子会社化し、自己株式を約823億円取得
大成建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2兆891億円(−3.0%)、営業利益1,880億円(+56.4%、営業利益率9.0%)、経常利益1,958億円(+45.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,700億円(+37.3%、投資有価証券売却益の増加)、ROE18.7%、自己資本比率34.9%。受注高は前期並みの2兆4,362億円。セグメントの営業利益は、土木955億円(+9.1%)、建築783億円(+590.6%、当社と子会社の利益率の好転)、開発239億円(+2.0%)、その他23億円。東洋建設を連結子会社化。自己株式を約823億円取得し、配当は年310円(前期210円)、2027年3月期は売上高2兆4,200億円・営業利益1,880億円(横ばい)・年380円の予想。鹿島建設・大林組との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男大成建設も、利益が大きく増えたって聞いたよ。建設会社はどこも好調なの?

メル美決算短信を見ると、売上は減ったのに、工事の利益率が良くなって営業利益が5割以上増えたんだって
企業分析の連載、128社目は大成建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の鹿島建設の強みとは・大林組の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、大成建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
土木・建築の工事を請け負うゼネコン(総合建設会社)に、不動産の開発事業を組み合わせた会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆891億円 | −3.0% |
| 営業利益 | 1,880億円 | +56.4% |
| 営業利益率 | 9.0% | 前期 5.6% |
| 経常利益 | 1,958億円 | +45.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,700億円 | +37.3% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 18.7% | 前期 13.8% |
| 自己資本比率 | 34.9% | 前期 35.7% |
| 受注高 | 2兆4,362億円 | 前期並み |
| 配当 | 年310円(配当性向30.2%) | 前期 210円 |
- 売上総利益は、土木と建築の利益率の好転で3,300億円(+42.8%)に増えました。販売費及び一般管理費は1,420億円(+28.0%)に増えましたが、営業利益は大きく増えました
- 当期純利益は、投資有価証券売却益の増加などによる特別損益の好転で増えました
- 2026年3月期に東洋建設株式会社を連結子会社にしました
2. 何で稼いでいるか
セグメントの数字は、セグメント間の取引を含みます。
| セグメント | 中身 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 土木 | 土木工事 | 7,202億円(+8.5%) | 955億円(+9.1%) |
| 建築 | 建築工事 | 1兆2,744億円(−9.0%) | 783億円(+590.6%) |
| 開発 | 不動産開発 | 1,542億円(+5.1%) | 239億円(+2.0%) |
| その他 | 207億円(+18.0%) | 23億円(+1.4%) |
- 建築は、売上高が減った一方、当社と連結子会社の利益率の好転で完成工事総利益が増え、営業利益が前期の約7倍になりました
- 土木は、連結子会社の増加で売上高が増え、利益率の好転もあって増益でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 工事の採算の改善
- 土木・建築とも、利益率の好転で完成工事総利益が増えました
② 高いROE
- ROEは18.7%(前期より4.9ポイント改善)です
③ 株主還元
- 配当は配当性向30%を基本に、財務政策にもとづく機動的な自己株式の取得を組み合わせる方針です。2026年3月期は自己株式を約823億円取得し、一部を消却しました。2027年3月期の配当予想は年380円です(→自社株買い(自己株式の取得)のしくみ)
4. 弱み・リスク
① 2027年3月期の伸びの鈍化
- 2027年3月期は、売上高2兆4,200億円(+15.8%)の一方、営業利益は1,880億円(横ばい)、当期純利益は1,510億円(−11.2%)の予想です
② 資材・エネルギー価格
- 会社は、中東情勢などに起因する資材・エネルギーの価格上昇や納期の遅れ、米国の通商政策で、建設投資が抑えられるリスクに注意が必要だとしています
③ 一度きりの利益
- 当期純利益には投資有価証券売却益が含まれます。会社は政策保有株式の売却を進める方針です
5. ライバルとの比較
ゼネコン大手の鹿島建設・大林組と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 大成建設 | 鹿島建設 | 大林組 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆891億円(−3.0%) | 3兆673億円(+5.3%) | 2兆5,863億円(−0.2%) |
| 営業利益 | 1,880億円(+56.4%) | 2,408億円(+58.5%) | 1,947億円(+36.6%) |
| 営業利益率 | 9.0% | 7.8% | 7.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,700億円 | 1,773億円 | 1,738億円 |
| ROE | 18.7% | 13.3% | 14.4% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
大成建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注高 | 2兆4,362億円 | 決算短信(受注高及び売上高) |
| 土木・建築の営業利益 | 955億円・783億円 | 決算短信(報告セグメント等の経営成績) |
| 株主還元(配当・自己株式の取得) | 年310円、約823億円 | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆4,200億円、営業利益1,880億円 | 決算短信のサマリー |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男工事の利益率が上がって、ROEも18.7%になったんだね。来年は利益が横ばいの予想だから、そこも見ておこう
マンションの施工が中心の会社は長谷工コーポレーションの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 大成建設は、土木・建築のゼネコンに開発事業をもつ会社
- 2026年3月期は営業利益1,880億円(+56.4%)、ROE18.7%
- 建築の営業利益が利益率の好転で約7倍に
- 東洋建設を連結子会社化、自己株式を約823億円取得
- 2027年3月期は営業利益1,880億円(横ばい)・年380円の予想
参考文献
- 大成建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18010/140120260511523850.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大林組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18020/140120260512524360.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。