鹿島建設の強みとは:土木・建築の大手ゼネコンに、不動産開発と海外事業(北米・欧州・アジアなど)。2026年3月期は売上高3兆673億円・営業利益2,408億円(+58.5%)。土木の売上総利益率が15.4%→24.6%に上がり、受注高は3兆2,639億円(+24.4%)
鹿島建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3兆673億円(+5.3%)、営業利益2,408億円(+58.5%、営業利益率7.8%)、経常利益2,404億円(+49.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,773億円(+40.9%)、ROE13.3%、自己資本比率39.0%。建設事業受注高3兆2,639億円(+24.4%)。当社の売上総利益率は土木24.6%(前期15.4%)、建築11.8%(前期9.6%)で、原価低減や追加変更契約の獲得などで収益性が向上。セグメントの営業利益は、建築832億円、土木767億円、国内関係会社357億円、海外関係会社266億円、開発事業等176億円。年146円の配当、2027年3月期は減収減益の見込みながら当期純利益1,700億円(中期経営計画の目標1,300億円以上を上回る)・年146円の予想。大林組との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男建設会社って、もうけが薄いイメージがあるけど、鹿島は利益が大きく増えたんだって?

メル美決算短信を見ると、工事の利益率(売上総利益率)が大きく上がったみたい
企業分析の連載、105社目は鹿島建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、同じく適時開示に載っている大林組の2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、鹿島建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
土木・建築の工事を請け負うゼネコン(総合建設会社)に、不動産開発と、北米・欧州・アジア・大洋州などの海外事業を組み合わせた会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3兆673億円 | +5.3% |
| 営業利益 | 2,408億円 | +58.5% |
| 営業利益率 | 7.8% | 前期 5.2% |
| 経常利益 | 2,404億円 | +49.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,773億円 | +40.9% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.3% | 前期 10.2% |
| 自己資本比率 | 39.0% | 前期 36.4% |
| 建設事業受注高 | 3兆2,639億円 | +24.4% |
| 配当 | 年146円(配当性向38.4%) | 前期 104円 |
- 利益が増えたのは、主に建設事業の売上総利益率の向上によるものです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 建築 | 鹿島建設の建築工事 | 1兆1,829億円(+12.3%) | 832億円(+62.6%) |
| 土木 | 鹿島建設の土木工事 | 4,307億円(+6.6%) | 767億円(+114.9%) |
| 国内関係会社 | 建設資機材の販売、専門工事、総合リース、ビル賃貸など | 4,146億円(+16.9%) | 357億円(+118.1%) |
| 海外関係会社 | 北米・欧州・アジア・大洋州などの建設・開発 | 1兆919億円(−2.0%) | 266億円(+32.8%) |
| 開発事業等 | 不動産開発、設計・エンジニアリング | 964億円(−5.8%) | 176億円(−36.8%) |
- 売上高はセグメント間の取引を含む金額です
工事の利益率(鹿島建設単体の売上総利益率)
| 2026年3月期 | 前期 | |
|---|---|---|
| 土木 | 24.6% | 15.4% |
| 建築 | 11.8% | 9.6% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 工事の採算の改善
- 多くの工事で原価低減や追加変更契約の獲得などにより収益性が上がりました。会社は、適切な施工体制を確保した工事受注と、施工中のリスク管理の徹底が寄与したと考えているとしています
② 増える受注
- 建設事業受注高は、国内・海外ともに増えて3兆2,639億円(+24.4%)でした
③ 海外と不動産開発
- 海外関係会社の建設事業は、欧州や東南アジアの利益率の向上で売上総利益が増えました
4. 弱み・リスク
① 2027年3月期の減益の見通し
- 2027年3月期は、売上高2兆9,000億円(−5.5%)、営業利益2,000億円(−16.9%)の予想です。土木の売上総利益率は20.4%を見込んでいます
② 人手不足と建設コスト
- 会社は、構造的な労働力不足や建設コストの上昇、資材の供給不足などを課題に挙げています
③ 不動産の売却のタイミング
- 海外では、金利や不動産取引の市況を踏まえ、開発物件の売却時期を次期以降に変更したことで、開発事業の利益が減りました
5. ライバルとの比較
ゼネコン大手の大林組と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 鹿島建設 | 大林組 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 3兆673億円(+5.3%) | 2兆5,863億円(−0.2%) |
| 営業利益 | 2,408億円(+58.5%) | 1,947億円(+36.6%) |
| 営業利益率 | 7.8% | 7.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,773億円 | 1,738億円 |
| ROE | 13.3% | 14.4% |
- どちらも、2026年3月期は利益が大きく増えた年でした。住宅・建設の会社は大和ハウス工業の強みとは、積水ハウスの強みとは、不動産会社は三菱地所の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
鹿島建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 建設事業受注高 | 3兆2,639億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 土木・建築の売上総利益率 | 24.6%・11.8% | 決算短信(経営成績の概況) |
| セグメント別の営業利益 | 建築832億円、土木767億円など | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆9,000億円、営業利益2,000億円、当期純利益1,700億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年146円、2027年3月期予想146円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美工事の利益率が上がったことが大きかったのね。人手不足や建設コストの中で、この利益率が続くかを見ておきたいな
ゼネコン大手の大林組は大林組の強みとはも参考にしてください。
設備工事や海の土木の会社はきんでんの強みとは・クラフティア(旧・九電工)の強みとは・三機工業の強みとは・五洋建設の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 鹿島建設は、土木・建築のゼネコンに、不動産開発と海外事業をもつ会社
- 2026年3月期は営業利益2,408億円(+58.5%)
- 土木の売上総利益率が15.4%→24.6%に上がった
- 受注高は3兆2,639億円(+24.4%)
- 2027年3月期は減益の見込みでも、当期純利益1,700億円の予想
参考文献
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大林組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18020/140120260512524360.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。