三菱地所の強みとは:東京・丸の内のオフィスビルを中心に、商業施設・アウトレット、分譲マンション「ザ・パークハウス」、海外の不動産も。2026年3月期は営業収益1兆7,461億円(+10.5%)・営業利益3,297億円。丸の内オフィスの空室率は0.55%
三菱地所を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益1兆7,461億円(+10.5%)、営業利益3,297億円(+6.6%、営業利益率18.9%)、経常利益2,731億円(+3.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,225億円(+17.5%、投資有価証券売却益981億円を含む)、ROE8.5%、自己資本比率31.4%。セグメントの営業利益は、コマーシャル不動産1,357億円(オフィス・商業施設・アウトレット・ホテル、物件売却)、丸の内975億円(丸の内オフィスの空室率0.55%、賃料の増額改定)、住宅573億円(国内分譲マンションの単価上昇)、海外571億円(英国・米国・アジアの物件売却)、投資マネジメント14億円(一過性のフィーの剥落で−105億円)、設計監理・不動産サービス126億円。年46円の配当、2027年3月期は営業収益2兆円・営業利益3,700億円・年49円の予想。三井不動産との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男丸の内のビルって、三菱地所の持ち物が多いんだよね

メル美決算短信には「丸の内事業」っていう独立したセグメントがあるよ。空室率は0.55%なんだって
企業分析の連載、98社目は三菱地所です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の三井不動産の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱地所株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の物件の購入や賃貸をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
東京・丸の内のオフィスビルを中心に、全国のオフィス・商業施設・アウトレット・ホテル、分譲マンション、海外の不動産、不動産ファンドの運用などを手がける不動産会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 1兆7,461億円 | +10.5% |
| 営業利益 | 3,297億円 | +6.6% |
| 営業利益率 | 18.9% | 前期 19.6% |
| 経常利益 | 2,731億円 | +3.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,225億円 | +17.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.5% | 前期 7.6% |
| 自己資本比率 | 31.4% | 前期 32.1% |
| 配当 | 年46円(配当性向25.3%) | 前期 43円 |
- 特別利益に、投資有価証券売却益981億円などがあります
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| コマーシャル不動産 | 丸の内以外のオフィスビル、商業施設・アウトレットモール、ホテル、物件の売却 | 6,170億円 | 1,357億円(+110億円) |
| 丸の内 | 丸の内のオフィスビルなど | 4,090億円 | 975億円(+14億円) |
| 住宅 | 国内の分譲マンション「ザ・パークハウス」など | 4,539億円 | 573億円(+93億円) |
| 海外 | 英国・米国・アジアの不動産 | 1,989億円 | 571億円(+113億円) |
| 設計監理・不動産サービス | 三菱地所設計など | 884億円 | 126億円 |
| 投資マネジメント | 不動産ファンドの運用など | 370億円 | 14億円(−105億円) |
- 営業収益はセグメント間の取引を含む金額です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 丸の内のオフィス
- 丸の内のオフィスの2026年3月末の空室率は0.55%です。好調なリーシングによる空室率の改善や、既存ビルの賃料の増額改定で増収でした
② 分散した事業
- オフィス・商業施設・ホテル、住宅、海外に利益が分かれています。商業施設とアウトレットモールは、店舗の売上の増加で増収でした
③ 不動産の売却で稼ぐ力
- オフィスビルなどの売却で、コマーシャル不動産の不動産販売が増え、海外でも英国・米国・アジアで物件の売却がありました
4. 弱み・リスク
① 物件の売却益の波
- 利益には物件の売却益が含まれ、年によって大きく変わります。会社は、2027年3月期のコマーシャル不動産は物件売却益の減少で減益になる見込みとしています
② 投資マネジメントの減益
- 米国で過年度に計上した、運用するファンドの資産の時価評価額の増加にともなう一過性のフィーがなくなったことなどで、営業利益は105億円減の14億円でした
③ 借入の多い財務
- 自己資本比率は31.4%です
5. ライバルとの比較
同じ不動産大手の三井不動産と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。三井不動産は「事業利益」を重視していて、物差しが少し違うので、おおまかな比較です。
| 三菱地所 | 三井不動産 | |
|---|---|---|
| 営業収益(売上高) | 1兆7,461億円(+10.5%) | 2兆7,097億円(+3.2%) |
| 営業利益 | 3,297億円(+6.6%) | 3,978億円(+6.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,225億円 | 2,787億円 |
| ROE | 8.5% | 8.7% |
| 自己資本比率 | 31.4% | 32.4% |
- 規模は三井不動産が大きく、ROE・自己資本比率はほぼ同じ水準です(→三井不動産の強みとは)。オフィスビルなどに投資する商品はJ-REIT(上場不動産投資信託)のしくみも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三菱地所の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 丸の内オフィスの空室率 | 0.55%(2026年3月末) | 決算短信(丸の内事業) |
| セグメント別の営業利益 | コマーシャル不動産1,357億円など | 決算短信(セグメント) |
| 特別利益(投資有価証券売却益など) | 981億円 | 決算短信(経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 営業収益2兆円、営業利益3,700億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年46円、2027年3月期予想49円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男丸の内のオフィスはほとんど空きがないんだね。物件の売却益は年によって変わるから、そこも見ておこう
東京のオフィスビル賃貸が中心の不動産会社は住友不動産の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 三菱地所は、丸の内のオフィスを中心に、商業施設・住宅・海外も手がける不動産会社
- 2026年3月期は営業収益1兆7,461億円、営業利益3,297億円(+6.6%)
- 丸の内オフィスの空室率は0.55%
- 利益には物件の売却益や投資有価証券売却益も含まれる
- 2027年3月期は営業収益2兆円、営業利益3,700億円の予想
参考文献
- 三菱地所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/88020/140120260512526167.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 三井不動産. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/tanshin260513.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。