三井不動産の強みとは:オフィス・商業施設の賃貸、マンションの分譲、仲介・管理、ホテルと東京ドーム。2026年3月期は売上高2兆7,097億円、事業利益4,451億円(+11.6%)、純利益2,787億円。首都圏オフィス空室率は1.6%、有利子負債は4兆6,325億円
三井不動産を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で分析しました。売上高2兆7,097億円(+3.2%)、営業利益3,978億円(+6.7%)、会社が重視する事業利益4,451億円(+11.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,787億円(+12.0%)、ROE8.7%。セグメント別の事業利益は、分譲1,932億円(三田ガーデンヒルズなどの引渡し、投資家向け分譲の資産回転)、賃貸1,770億円(首都圏オフィス空室率1.6%)、マネジメント809億円、施設営業463億円(ホテルの客室単価・稼働率の上昇、東京ドームの使用料の改定)。有利子負債は4兆6,325億円、D/Eレシオ1.41倍、自己資本比率32.4%。年35円の配当、2027年3月期は事業利益4,500億円・年37円の予想。三菱地所との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男三井不動産って、ショッピングモールで稼いでるの?

メル美オフィスビルやマンションもあるよね
企業分析の連載、42社目は三井不動産です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。比較には三菱地所の2026年3月期 決算短信を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三井不動産株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の物件の購入や賃貸をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
オフィスビル・商業施設を貸し、マンションなどを建てて売り、仲介・管理やホテル・東京ドームの運営もする、日本最大級の不動産会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆7,097億円 | +3.2% |
| 営業利益 | 3,978億円 | +6.7% |
| 事業利益(会社が重視する指標) | 4,451億円 | +11.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,787億円 | +12.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.7% | 前期 8.0% |
| 自己資本比率 | 32.4% | 前期 31.9% |
| 配当 | 年35円(配当性向34.6%) | 前期 31円 |
- 事業利益は、営業利益に、持分法投資損益(不動産分譲を目的とした関係会社株式の売却損益を含む)と、固定資産の売却損益を足したものです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上高 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 分譲 | 国内のマンション、投資家向け・海外の住宅分譲 | 7,293億円(−3.8%) | 1,932億円(+15.6%) |
| 賃貸 | 国内外のオフィス、商業施設 | 9,366億円(+7.4%) | 1,770億円(+0.3%) |
| マネジメント | 駐車場・カーシェアなどの管理、仲介・アセットマネジメント | 5,115億円 | 809億円 |
| 施設営業 | ホテル・リゾート、東京ドーム | 2,441億円 | 463億円(+20.0%) |
- 売上がいちばん大きいのは賃貸、利益がいちばん大きいのは分譲です
- 分譲は、「三田ガーデンヒルズ」「パークシティ高田馬場」などの引渡しと、投資家向けの物件の資産回転(売却)で増益でした
- 施設営業は、ホテルの客室単価(ADR)・稼働率の上昇と、東京ドームの使用料の増額改定で増益でした
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 都心のオフィス
- 首都圏のオフィス空室率(単体)は、2026年3月末で1.6%です
② 分譲と資産の入れかえ
- 国内の新築マンションは、次の期に計上予定の2,350戸のうち75%が契約済みです
- 投資家向けの分譲では、販売用不動産と固定資産をあわせて考え、資産の回転を速めて利益を出しています(J-REITなどの投資家への売却を含みます。→J-REIT(不動産投資信託)のしくみ)
③ いろいろな稼ぎ方
- 賃貸・分譲・管理・ホテルと稼ぎ方が分かれ、ホテルや東京ドームの運営も伸びています
4. 弱み・リスク
① 大きな借入と金利
- 有利子負債は4兆6,325億円(前期から2,165億円増)、D/Eレシオ1.41倍です。金利が上がると、借入の利息の負担が増えます
② 不動産市況
- 分譲や物件の売却の利益は、不動産の価格や販売の状況に左右されます(→不動産価格指数の見方)
③ 営業キャッシュ・フローの変動
- 営業活動によるキャッシュ・フローは1,452億円(前期5,992億円)で、販売用不動産への投資などで年ごとに大きく変わります
5. ライバルとの比較
丸の内のオフィスなどを持つ三菱地所と比べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| 三井不動産 | 三菱地所 | |
|---|---|---|
| 売上(営業収益) | 2兆7,097億円(+3.2%) | 1兆7,461億円(+10.5%) |
| 営業利益 | 3,978億円(+6.7%) | 3,297億円(+6.6%) |
| 営業利益率 | 14.7% | 18.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,787億円 | 2,225億円(+17.5%) |
| ROE | 8.7% | 8.5% |
- 規模は三井不動産が大きく、利益率は三菱地所が高いです
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三井不動産の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 事業利益 | 4,451億円 | 決算短信のサマリー |
| 首都圏オフィス空室率(単体) | 1.6% | 決算短信(賃貸) |
| 分譲の契約進捗率 | 次期計上予定2,350戸の75% | 決算短信(分譲) |
| 有利子負債・D/Eレシオ | 4兆6,325億円・1.41倍 | 決算短信(財政状態) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆8,000億円、事業利益4,500億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年35円、2027年3月期予想37円 | 決算短信 |
- 不動産会社は、空室率・分譲の契約進捗・借入の大きさを一緒に見るのがポイントです
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ビルを貸して、マンションを売って、ホテルや東京ドームも運営。借金も大きいから、金利のニュースとも関係があるのね
住宅を建てる会社は積水ハウスの強みとはへ。
丸の内のオフィスが中心の不動産会社は三菱地所の強みとはも参考にしてください。
ほかの不動産大手は野村不動産ホールディングスの強みとはと東急不動産ホールディングスの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 三井不動産は、賃貸・分譲・マネジメント・施設営業の不動産会社
- 2026年3月期は事業利益4,451億円(+11.6%)、純利益2,787億円
- 利益の柱は分譲(1,932億円)と賃貸(1,770億円)
- 首都圏オフィス空室率は1.6%
- 課題は有利子負債4兆6,325億円と金利、不動産市況
参考文献
- 三井不動産. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/tanshin260513.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 三菱地所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.mec.co.jp/ir/library/2026/4Q/summary_2025_4.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。