野村不動産ホールディングスの強みとは:マンションなどの住宅部門と、オフィス・物流施設などの都市開発部門が事業利益の7割。仲介・資産運用・管理も。2026年3月期は売上高9,425億円(+24.4%)・事業利益1,474億円(+17.8%)
野村不動産ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日)で分析しました。売上高9,425億円(+24.4%)、営業利益1,382億円(+16.2%、営業利益率14.7%)、事業利益1,474億円(+17.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益829億円(+10.8%)、ROE10.7%、自己資本比率28.5%。部門別の事業利益は、住宅617億円(+26.6%)、都市開発540億円(+29.7%)、仲介・CRE190億円(+14.6%)、運営管理135億円(+13.3%)、資産運用106億円(+7.3%)、海外28億円(−57.8%)。2025年4月1日に1株→5株の株式分割。年40円の配当、2027年3月期は売上高1兆800億円・事業利益1,500億円・年44円の予想。三井不動産・三菱地所・住友不動産との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美野村不動産って、マンションの会社?

プレ男決算短信を見ると、住宅がいちばん大きいけど、オフィスや物流施設の都市開発も同じくらい稼いでいるんだって
企業分析の連載、142社目は野村不動産ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日)で確認しました。比較には、この連載の三井不動産の強みとは・三菱地所の強みとは・住友不動産の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、野村不動産ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の物件をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
マンション・戸建住宅の開発・分譲(住宅)、オフィスビル・商業施設・物流施設の開発・賃貸・販売(都市開発)を中心に、不動産の仲介、REITなどの資産運用、マンション・ビルの管理も手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,425億円 | +24.4% |
| 営業利益 | 1,382億円 | +16.2% |
| 営業利益率 | 14.7% | 前期 15.7% |
| 事業利益(会社の指標) | 1,474億円 | +17.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 829億円 | +10.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.7% | 前期 10.4% |
| 自己資本比率 | 28.5% | 前期 27.9% |
| 配当 | 年40円(配当性向41.4%) | 前期 170円(分割前) |
- 事業利益は、営業利益に持分法投資損益、企業買収で生じた無形固定資産の償却費、海外部門のプロジェクト会社の持分売却損益を加えた、会社の指標です
- 2025年4月1日に1株→5株の株式分割をしています(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| 部門 | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 住宅 | マンション・戸建住宅の開発・分譲、賃貸マンション、シニア向け住宅、ホテル | 4,334億円(+17.6%) | 617億円(+26.6%) |
| 都市開発 | オフィスビル・商業施設・物流施設などの開発・賃貸・販売 | 3,248億円(+52.2%) | 540億円(+29.7%) |
| 仲介・CRE | 不動産の仲介・コンサルティング | 644億円(+12.5%) | 190億円(+14.6%) |
| 運営管理 | マンション・オフィスビルなどの運営・管理、修繕工事、リフォーム | 1,299億円(+14.0%) | 135億円(+13.3%) |
| 資産運用 | REIT・私募ファンドなどの資産運用 | 163億円(+4.8%) | 106億円(+7.3%) |
| 海外 | ベトナムなどでの開発・賃貸 | 37億円(−60.5%) | 28億円(−57.8%) |
- 部門の事業利益の合計(調整額の前)1,617億円のうち、住宅が約38%、都市開発が約33%です(計算値)
- 仲介・CRE、運営管理、資産運用の3部門で約27%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 住宅と都市開発の2本柱
- 住宅は事業利益+26.6%、都市開発は売上高+52.2%・事業利益+29.7%でした
② 開発以外の部門
- 不動産の仲介、REITや私募ファンドの資産運用、マンション・ビルの運営管理など、開発・販売以外の部門ももっています(→J-REIT(上場不動産投資信託)のしくみ)
③ ROE10%台
- ROEは10.7%です
4. 弱み・リスク
① 低い自己資本比率
- 自己資本比率は28.5%で、4社の中でいちばん低い水準です
② 海外部門の減益
- 海外部門は、事業利益が57.8%減りました。2027年3月期の海外部門の事業利益は0円の予想です
③ 2027年3月期は伸びが小さい見通し
- 2027年3月期は、売上高+14.6%に対し、事業利益は+1.8%の予想です。都市開発と運営管理は減益の予想です
5. ライバルとの比較
不動産大手と比べます。4社とも日本基準・2026年3月期です。
| 野村不動産HD | 三井不動産 | 三菱地所 | 住友不動産 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 9,425億円(+24.4%) | 2兆7,097億円(+3.2%) | 1兆7,461億円(+10.5%) | 1兆578億円(+4.3%) |
| 営業利益 | 1,382億円(+16.2%) | 3,978億円(+6.7%) | 3,297億円(+6.6%) | 2,992億円(+10.2%) |
| ROE | 10.7% | 8.7% | 8.5% | 9.2% |
| 自己資本比率 | 28.5% | 32.4% | 31.4% | 34.4% |
- 規模は三井不動産がいちばん大きく、ROEは野村不動産HDが高い水準です(→三井不動産の強みとは、三菱地所の強みとは、住友不動産の強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
野村不動産HDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 住宅部門の事業利益 | 617億円 | 決算短信(部門ごとの業績) |
| 都市開発部門の事業利益 | 540億円 | 決算短信(部門ごとの業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆800億円、事業利益1,500億円、当期純利益860億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年40円、2027年3月期予想44円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美マンションだけじゃなくて、オフィスや物流施設、管理や仲介でも稼いでいるのね。部門ごとの事業利益を見ておこう
まとめ
- 野村不動産HDは、住宅と都市開発を中心に、仲介・資産運用・管理も手がける会社
- 2026年3月期は事業利益1,474億円(+17.8%)
- 部門の事業利益の約38%が住宅、約33%が都市開発
- ROEは10.7%、自己資本比率は28.5%
- 2027年3月期は事業利益1,500億円・年44円の予想
参考文献
- 野村不動産ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.nomura-re-hd.co.jp/ir/pdf/renketsu_20260424.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 三井不動産. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/tanshin260513.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 三菱地所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/88020/140120260512526167.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 住友不動産. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/88300/140120260508520680.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。