五洋建設の強みとは:大型の港湾工事などの国内土木、国内建築、シンガポールなどの海外建設の会社。2026年3月期は売上高7,943億円(+9.2%)、海外の損失が縮小し営業利益553億円(+154.9%)
五洋建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上高7,943億円(+9.2%)、営業利益553億円(+154.9%、営業利益率7.0%)、経常利益532億円(+182.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益347億円(+178.4%)、ROE18.7%、自己資本比率25.1%。セグメントは国内土木3,259億円(利益402億円、+44.8%、大型港湾工事)、国内建築2,734億円(利益168億円、+86.7%)、海外建設1,818億円(+19.8%、損失32億円、前期は156億円の損失)。個別の受注高は国内土木3,147億円(+35.1%)、国内建築3,311億円、海外2,053億円(+73.8%、シンガポールのチャンギ空港第5ターミナル関連・トゥアス北部埋立、香港国際空港の工事)。有利子負債1,961億円。年48円の配当(配当性向38.1%)、2027年3月期は売上高8,180億円・営業利益590億円・年52円の予想。鹿島建設・大林組との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男五洋建設って、海の工事が得意な会社なんだっけ?

メル美決算短信だと、大型の港湾工事が進んだり、シンガポールや香港の空港の工事を受注したりしているんだって。利益は2.5倍になったみたい
企業分析の連載、296社目は五洋建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の鹿島建設の強みとは・大林組の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、五洋建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
大型港湾工事などの「国内土木」、物流倉庫などの「国内建築」、シンガポール・香港などの「海外建設」の3つが柱の建設会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7,943億円 | +9.2% |
| 営業利益 | 553億円 | +154.9% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 7.0% | 前期 3.0% |
| 経常利益 | 532億円 | +182.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 347億円 | +178.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 18.7% | 前期 7.2% |
| 自己資本比率 | 25.1% | 前期 26.1% |
| 配当 | 年48円(配当性向38.1%) | 前期 24円 |
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント損益 |
|---|---|---|---|
| 国内土木 | 大型港湾工事を含む手持工事が順調、設計変更などで採算改善 | 3,259億円(+6.1%) | 402億円(+44.8%) |
| 国内建築 | 大型工事を含む手持工事が順調、採算改善 | 2,734億円(+7.4%) | 168億円(+86.7%) |
| 海外建設 | 主にシンガポールの大型工事。建築工事1件の採算見直し、設備子会社の追加損失 | 1,818億円(+19.8%) | −32億円(前期 −156億円) |
| その他 | 国内開発、造船、環境関連、建設資材の販売など | 132億円(−5.0%) | 15億円 |
| 個別の受注高 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 国内土木 | 3,147億円 | +35.1% |
| 国内建築 | 3,311億円 | +4.8% |
| 海外 | 2,053億円 | +73.8% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 港湾などの国内土木
- 国内土木は、大型港湾工事などが順調に進み、セグメント利益は402億円とこの会社でいちばん大きい事業です
② 海外の大型受注
- シンガポールでチャンギ空港第5ターミナルの連絡トンネル工事とトゥアス北部埋立工事、香港で香港国際空港の無人交通車両用の道路・駅舎の工事を受注しました
③ 国内の建設需要
- 会社は、国土強靱化や防衛力強化のための公共投資と、データセンターや物流施設などの民間投資が見込まれるとしています
4. 弱み・リスク
① 海外の損失
- 海外建設は、前期の156億円の損失から改善したものの、32億円の損失でした
② 財務
- 自己資本比率は25.1%で、有利子負債は1,961億円(+297億円)になりました
③ 資材価格
- 会社は、資源・エネルギー・建設資材の高騰・高止まりと、イラン情勢による原油由来の資材の価格高騰や供給制約に注意が必要としています
5. ライバルとの比較
大手の建設会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。規模と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 五洋建設 | 鹿島建設 | 大林組 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,943億円(+9.2%) | 3兆673億円(+5.3%) | 2兆5,863億円(−0.2%) |
| 営業利益 | 553億円(+154.9%) | 2,408億円(+58.5%) | 1,947億円(+36.6%) |
| 営業利益率 | 7.0% | 7.8% | 7.5% |
| ROE | 18.7% | 13.3% | 14.4% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
五洋建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 海外建設のセグメント損益 | −32億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 個別の受注高(海外) | 2,053億円 | 決算短信(セグメント別の業績) |
| 有利子負債 | 1,961億円 | 決算短信(財政状態の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高8,180億円、営業利益590億円、当期純利益350億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年48円、2027年3月期予想52円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男前の年の海外の損失が小さくなって、利益が大きく増えたんだね。海外の工事の採算は見ておこう
公共構造物の補修・補強の会社はショーボンドホールディングスの強みとはも参考にしてください。
ほかの建設会社は若築建設の強みとは・世紀東急工業の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 五洋建設は、港湾などの国内土木・国内建築・海外建設の会社
- 2026年3月期は売上高7,943億円(+9.2%)、営業利益553億円(+154.9%)
- 海外の損失が縮小、国内土木・建築は採算が改善
- シンガポール・香港の空港関連などで海外の受注が+73.8%
- 2027年3月期は営業利益590億円・年52円の予想
参考文献
- 五洋建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18930/140120260508519557.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大林組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18020/140120260512524360.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。