世紀東急工業の強みとは:高速道路などの舗装工事と、舗装資材の製造・販売の会社。2026年3月期は売上高953億円(−4.1%)でも、資材事業の価格転嫁で営業利益64億円(+9.9%)
世紀東急工業を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日、東証の適時開示)で分析しました。受注高964億円(+1.4%)、売上高953億円(−4.1%)、営業利益64億円(+9.9%、営業利益率6.7%)、経常利益63億円(+8.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益47億円(+20.0%)、ROE10.9%、自己資本比率52.3%。建設事業は受注758億円、完成工事高747億円(−7.1%)・営業利益73億円(−10.1%、前年の大型工事集中の反動)。舗装資材製造販売事業は製品売上高334億円(−1.7%)、営業利益30億円(+101.5%、製造コスト上昇分の販売価格への反映)。東日本・中日本・西日本高速道路、阪神高速、国土交通省、東京都などの舗装補修・舗装工事を受注。年71円の配当(配当性向55.7%)、2027年3月期は売上高1,027億円・営業利益67億円・年75円の予想。若築建設・淺沼組との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美世紀東急工業って、道路の会社なの?

プレ男決算短信だと、高速道路などの舗装工事と、舗装に使う資材をつくって売る事業があるんだって。資材の事業の利益が2倍になったみたい
企業分析の連載、308社目は世紀東急工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の若築建設の強みとは・淺沼組の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、世紀東急工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
道路の舗装などの「建設事業」と、舗装資材をつくって売る「舗装資材製造販売事業」の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注高 | 964億円 | +1.4% |
| 売上高 | 953億円 | −4.1% |
| 営業利益 | 64億円 | +9.9% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 6.7% | 前期 5.9% |
| 経常利益 | 63億円 | +8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 47億円 | +20.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.9% | 前期 9.5% |
| 自己資本比率 | 52.3% | 前期 50.5% |
| 配当 | 年71円(配当性向55.7%) | 前期 90円 |
2. 何で稼いでいるか
金額は、セグメント間の取引を含む調整前の金額です。
| 事業 | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 建設事業 | インフラ老朽化対策や防災・減災。前年の大型工事集中の反動 | 747億円(−7.1%) | 73億円(−10.1%) |
| 舗装資材製造販売事業 | 製造コストの上昇分を販売価格に反映、低環境負荷商品の販売強化 | 334億円(−1.7%) | 30億円(+101.5%) |
| その他 | 自動車などのリース、売電 | 10億円(+6.9%) | 2億円(+39.9%) |
- 建設事業の受注高は758億円(−0.3%)で、前年並みでした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 高速道路の舗装補修
- 東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路・阪神高速道路の舗装補修工事や、国土交通省・東京都の工事を受注しています。会社は、高速道路各社のリニューアルプロジェクトや国土強靱化対策で、発注は底堅いとしています
② 資材事業の価格転嫁
- 舗装資材製造販売事業は、製品の需要が減る中でも、製造コストの上昇分を販売価格に反映し、営業利益が2倍以上になりました
③ 財務
- 自己資本比率は52.3%です
4. 弱み・リスク
① 建設事業の反動減
- 建設事業は、大型工事が集中した前年の反動で、完成工事高・営業利益が減りました
② 原材料・エネルギー価格
- 会社は、原材料やエネルギー価格の高止まりが続き、予断を許さない事業環境だとしています
③ 製品の需要
- 舗装資材は、製品需要の減少傾向が続いているとしています
5. ライバルとの比較
建設会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。工事の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 世紀東急工業 | 若築建設 | 淺沼組 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 953億円(−4.1%) | 1,047億円(+21.1%) | 1,753億円(+5.0%) |
| 営業利益 | 64億円(+9.9%) | 66億円(+27.4%) | 72億円(+5.0%) |
| 営業利益率 | 6.7% | 6.3% | 4.1% |
| ROE | 10.9% | 8.5% | 10.9% |
- くわしくは若築建設の強みとは・淺沼組の強みとはへ。公共構造物の補修はショーボンドホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
世紀東急工業の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 建設事業の受注高・営業利益 | 758億円・73億円 | 決算短信(部門別の事業の概況) |
| 舗装資材製造販売事業の営業利益 | 30億円 | 決算短信(部門別の事業の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1,027億円、営業利益67億円、当期純利益47億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年71円、2027年3月期予想75円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男工事が減っても、資材の値段を見直して利益を確保したんだね
まとめ
- 世紀東急工業は、舗装工事と舗装資材の製造・販売の会社
- 2026年3月期は売上高953億円(−4.1%)、営業利益64億円(+9.9%)
- 資材事業は価格転嫁で営業利益が2倍以上
- 高速道路各社の舗装補修の工事を受注
- 2027年3月期は営業利益67億円・年75円の予想
参考文献
- 世紀東急工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18980/140120260506517332.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 若築建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18880/140120260513529499.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 淺沼組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18520/140120260507517772.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。