長谷工コーポレーションの強みとは:分譲マンションの設計・施工の建設関連が営業利益の約6割、マンション分譲・管理も。2026年3月期は完成工事総利益率の改善で営業利益987億円(+16.6%)、当期純利益548億円(+59.2%)
長谷工コーポレーションを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆2,731億円(+8.1%)、営業利益987億円(+16.6%、営業利益率7.8%、完成工事総利益率の改善)、経常利益941億円(+12.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益548億円(+59.2%)、ROE10.0%、自己資本比率39.7%。単体の受注高は7,267億円(+23.9%)。セグメントの営業利益は、建設関連685億円(+21.6%、分譲マンション新築工事を64件受注、104件が竣工)、不動産関連356億円(+9.2%、分譲マンションの引渡し・収益不動産の売却)、管理運営82億円(+26.6%、分譲マンション管理44万8,076戸)、海外は61億円の損失(ハワイ)。年95円の配当、2027年3月期は売上高1兆3,800億円・営業利益1,100億円・年100円の予想。大成建設・野村不動産ホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美長谷工って、マンションをつくる会社?

プレ男決算短信を見ると、マンションの企画・設計から施工まで手がけて、管理しているマンションは44万戸以上もあるんだって
企業分析の連載、175社目は長谷工コーポレーションです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の大成建設の強みとは・野村不動産ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、長谷工コーポレーション株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の物件をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
マンションなどの企画・設計から施工までを行う総合建設業(建設関連)を中心に、マンション分譲・不動産仲介(不動産関連)、マンション管理・賃貸運営・シニアサービス(管理運営)を手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆2,731億円 | +8.1% |
| 営業利益 | 987億円 | +16.6% |
| 営業利益率 | 7.8% | 前期 7.2% |
| 経常利益 | 941億円 | +12.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 548億円 | +59.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.0% | 前期 6.6% |
| 自己資本比率 | 39.7% | 前期 39.0% |
| 配当 | 年95円(配当性向46.4%) | 前期 85円 |
- 増収は完成工事高と不動産の取扱量の増加、増益は完成工事総利益率の改善によるものです
- 単体の受注高は7,267億円(+23.9%)でした
2. 何で稼いでいるか
当期から報告セグメントの区分を変更しています(前期も組み替えて比較)。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 建設関連 | 分譲マンション新築工事を64件受注、104件が竣工、受注時採算の改善 | 9,009億円(+7.0%) | 685億円(+21.6%) |
| 不動産関連 | 分譲マンションの新規引渡し、収益不動産の売却、不動産仲介 | 2,932億円(+16.0%) | 356億円(+9.2%) |
| 管理運営 | 分譲マンション管理44万8,076戸、賃貸運営管理・社宅管理代行19万6,878戸、シニアサービス | 1,654億円(+8.8%) | 82億円(+26.6%) |
| 海外 | ハワイ州オアフ島の商業施設の運営・戸建分譲の開発 | 43億円 | −61億円 |
- 黒字の3セグメントの営業利益の合計1,123億円のうち、建設関連が約61%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① マンションの施工
- 会社は、土地情報収集力・商品企画力・施工品質・工期遵守などが事業主から評価されているとしています。受注時採算の改善で完成工事総利益率が上がり、建設関連の営業利益は+21.6%でした
② 大規模物件の受注
- 分譲マンション新築工事の受注は、首都圏で200戸以上の大規模物件22件を含む45件、近畿圏・東海圏で14件を含む19件の合計64件でした
③ 管理のストック
- 分譲マンションの管理戸数は44万8,076戸、賃貸マンションの運営管理・社宅管理代行は19万6,878戸で、継続的な収入の基盤になっています
4. 弱み・リスク
① マンション市場の動き
- 会社は、2025年度の首都圏のマンションの新規供給戸数は4年連続で前年度を下回ったとしています。物価やマンション価格の上昇などを背景に、販売の進み方は地域によって差があるとしています
② 海外事業の赤字
- ハワイの海外事業は61億円の営業損失でした
③ 自己資本比率
- 自己資本比率は39.7%です
5. ライバルとの比較
建設と不動産の会社と並べます。3社とも日本基準・2026年3月期ですが、事業の中身がかなり違うので、おおまかな比較です。
| 長谷工 | 大成建設 | 野村不動産HD | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆2,731億円(+8.1%) | 2兆891億円(−3.0%) | 9,425億円(+24.4%) |
| 営業利益 | 987億円(+16.6%) | 1,880億円(+56.4%) | 1,382億円(+16.2%) |
| 営業利益率 | 7.8% | 9.0% | 14.7% |
| ROE | 10.0% | 18.7% | 10.7% |
| 自己資本比率 | 39.7% | 34.9% | 28.5% |
- 長谷工は、マンションの施工と分譲・管理を組み合わせているのが特徴です(→大成建設の強みとは、野村不動産ホールディングスの強みとは)。住宅メーカーは積水ハウスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
長谷工の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 単体の受注高 | 7,267億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 建設関連の営業利益 | 685億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 管理戸数 | 分譲44万8,076戸 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆3,800億円、営業利益1,100億円、当期純利益660億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年95円、2027年3月期予想100円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美マンションを建てて、売って、管理まで一貫しているのね。受注高と利益率の動きを見ておきたいな
まとめ
- 長谷工は、マンションの設計・施工を中心に、分譲・管理も手がける会社
- 2026年3月期は営業利益987億円(+16.6%)、当期純利益548億円(+59.2%)
- 増益の主因は完成工事総利益率の改善
- 分譲マンション管理は44万8,076戸
- 2027年3月期は営業利益1,100億円・年100円の予想
参考文献
- 長谷工コーポレーション. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18080/140120260515536329.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大成建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18010/140120260511523850.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 野村不動産ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.nomura-re-hd.co.jp/ir/pdf/renketsu_20260424.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。