熊谷組の強みとは:土木・建築の建設会社。2026年3月期は売上高4,877億円(−2.2%)でも、建築の利益率の改善で営業利益271億円(+89.5%)。ハイパーカミオカンデの工事なども受注
熊谷組を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。売上高4,877億円(−2.2%)、売上総利益532億円(+39.0%)、営業利益271億円(+89.5%、営業利益率5.6%)、経常利益270億円(+87.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益201億円(+114.5%)、ROE10.9%、自己資本比率41.8%。セグメント(消去前)は建築2,571億円(営業利益141億円、前期比133億円増)、土木1,159億円(60億円、−12.8%)、子会社1,263億円(70億円、+9.4%)。土木では中日本高速道路・東京大学(ハイパーカミオカンデ)・東京都・北陸電力などの工事を受注。2025年10月に1株を4株に分割、配当性向40.2%、2027年3月期は売上高5,000億円・営業利益309億円・年50円(分割後)の予想。奥村組・西松建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男熊谷組は、売上が減ったのに利益が2倍近くになったの?

メル美決算短信だと、建築の工事の利益率がよくなったからなんだって。ハイパーカミオカンデの工事も受注したみたい
企業分析の連載、305社目は熊谷組です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の奥村組の強みとは・西松建設の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、熊谷組株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
土木事業と建築事業が柱で、子会社の事業も大きい建設会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高(完成工事高) | 4,877億円 | −2.2% |
| 売上総利益 | 532億円 | +39.0% |
| 営業利益 | 271億円 | +89.5% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 5.6% | 前期 2.9% |
| 経常利益 | 270億円 | +87.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 201億円 | +114.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.9% | 前期 5.2% |
| 自己資本比率 | 41.8% | 前期 39.3% |
| 配当性向 | 40.2% | 前期 59.7% |
- 2025年10月1日に1株を4株に分割しました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント(セグメント間取引の消去前) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 建築 | 2,571億円(−3.8%) | 141億円(前期比133億円増) |
| 子会社 | 1,263億円(−7.0%) | 70億円(+9.4%) |
| 土木 | 1,159億円(+10.3%) | 60億円(−12.8%) |
- 営業利益の増加は、主に建築事業の利益率の改善によるものです
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 建築の採算改善
- 建築事業の売上総利益率の改善などで、建築の営業利益は前期の約8億円から141億円に増えました
② 大きな土木工事
- 土木では、中日本高速道路、東京大学(岐阜県神岡のハイパーカミオカンデの水槽などの工事)、東京都、北陸電力などの工事を受注しました
③ 受注環境
- 会社は、民間の設備投資と公共投資が堅調で、良好な受注環境が続いたとしています
4. 弱み・リスク
① 売上の減少
- 一部の子会社で手持ち工事が減ったことや、前期の大型工事の反動で、売上高は−2.2%でした
② 土木の利益
- 土木事業の営業利益は−12.8%でした
③ 2027年3月期の当期純利益の伸び
- 2027年3月期の当期純利益は204億円(+1.7%)と、伸びが小さい予想です
5. ライバルとの比較
建設会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。規模と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 熊谷組 | 奥村組 | 西松建設 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,877億円(−2.2%) | 3,072億円(+3.0%) | 3,960億円(+8.0%) |
| 営業利益 | 271億円(+89.5%) | 159億円(+63.7%) | 280億円(+32.8%) |
| 営業利益率 | 5.6% | 5.2% | 7.1% |
| ROE | 10.9% | 9.8% | 13.1% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
熊谷組の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 建築事業の営業利益 | 141億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 売上総利益 | 532億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高5,000億円、営業利益309億円、当期純利益204億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 2027年3月期予想 年50円(1株を4株に分割した後) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男売上が減っても、工事の利益率がよくなると利益は増えるんだね
ほかの建設会社は淺沼組の強みとは・日本国土開発の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 熊谷組は、土木・建築と子会社の事業をもつ建設会社
- 2026年3月期は売上高4,877億円(−2.2%)、営業利益271億円(+89.5%)
- 建築の利益率の改善で、建築の営業利益は141億円
- ハイパーカミオカンデなどの工事を受注
- 2027年3月期は営業利益309億円・年50円(分割後)の予想
参考文献
- 熊谷組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18610/140120260501516263.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 奥村組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18330/140120260514535339.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 西松建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18200/140120260511522965.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。