西松建設の強みとは:土木・建築に、不動産の「アセットバリューアッド事業」を合わせた建設会社。2026年3月期は売上高3,960億円(+8.0%)、建築の採算改善で営業利益280億円(+32.8%)
西松建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。建設事業受注高3,810億円(−11.3%)、売上高3,960億円(+8.0%)、営業利益280億円(+32.8%、営業利益率7.1%)、経常利益274億円(+35.4%)、投資有価証券売却益などで親会社株主に帰属する当期純利益241億円(+37.2%)、ROE13.1%、自己資本比率28.4%。セグメントは建築2,167億円(利益138億円、+114.7%、収益改善プランと大型工事の設計変更)、土木1,219億円(利益91億円)、国際363億円(損失24億円)、アセットバリューアッド(保有不動産の販売・賃貸)255億円(利益77億円)、地域環境ソリューション(損失8億円)。単体の国内建築受注は大型再開発で+18.5%、国内土木受注は抑えた計画で−57.0%、海外はフィリピンの大型土木で+198.3%。年230円の配当(配当性向37.7%)、2027年3月期は売上高4,400億円・営業利益285億円・年250円の予想。安藤ハザマ・五洋建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男西松建設は、建設のほかに不動産の事業もあるんだっけ?

メル美決算短信だと、「アセットバリューアッド事業」という不動産の事業があって、利益が大きいんだって。2026年3月期は建築の利益が2倍以上になったみたい
企業分析の連載、298社目は西松建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の安藤ハザマの強みとは・五洋建設の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、西松建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
国内の土木・建築、海外の工事に加えて、保有不動産の販売・賃貸の「アセットバリューアッド事業」をもつ建設会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 建設事業受注高 | 3,810億円 | −11.3% |
| 売上高 | 3,960億円 | +8.0% |
| 営業利益 | 280億円 | +32.8% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 7.1% | 前期 5.8% |
| 経常利益 | 274億円 | +35.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 241億円 | +37.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.1% | 前期 10.3% |
| 自己資本比率 | 28.4% | 前期 29.1% |
| 配当 | 年230円(配当性向37.7%) | 前期 220円 |
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント損益 |
|---|---|---|---|
| 建築 | 収益改善プランが順調、大型工事で設計変更を獲得 | 2,167億円(+12.1%) | 138億円(+114.7%) |
| 土木 | 工事がおおむね順調 | 1,219億円(+12.9%) | 91億円(+3.2%) |
| アセットバリューアッド | 保有不動産の販売・賃貸 | 255億円(−5.9%) | 77億円(+3.4%) |
| 国際 | 着工の遅れ、子会社の受注の期ずれ・失注 | 363億円(−22.0%) | −24億円 |
| 地域環境ソリューション | 再生可能エネルギー、まちづくり | 7億円 | −8億円 |
- アセットバリューアッド事業は、売上高は小さいものの、利益は土木と同じくらいの規模です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 建築の採算改善
- 建築事業は、収益改善プランと大型工事の設計変更の獲得で、セグメント利益が2倍以上になりました
② 不動産の事業
- 保有不動産の販売・賃貸のアセットバリューアッド事業で、77億円の利益をあげています
③ 建築と海外の受注
- 単体の国内建築の受注高は、大型再開発工事などで+18.5%でした。海外はフィリピンの大型土木工事の受注で+198.3%でした
4. 弱み・リスク
① 国際事業の損失
- 国際事業は、着工の遅れや受注の期ずれ・失注で、24億円の損失でした
② 財務
- 自己資本比率は28.4%です
③ 土木の受注の減少
- 単体の国内土木の受注高は−57.0%でした。会社は、前期末の豊富な手持ち工事量から、当期は抑えた受注計画にしていたとしています
5. ライバルとの比較
建設会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。規模と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 西松建設 | 安藤ハザマ | 五洋建設 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,960億円(+8.0%) | 4,396億円(+3.4%) | 7,943億円(+9.2%) |
| 営業利益 | 280億円(+32.8%) | 336億円(−4.6%) | 553億円(+154.9%) |
| 営業利益率 | 7.1% | 7.6% | 7.0% |
| ROE | 13.1% | 15.7% | 18.7% |
- くわしくは安藤ハザマの強みとは・五洋建設の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
西松建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 建設事業受注高 | 3,810億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 建築事業のセグメント利益 | 138億円 | 決算短信(報告セグメント等の業績) |
| 国際事業のセグメント損益 | −24億円 | 決算短信(報告セグメント等の業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高4,400億円、営業利益285億円、当期純利益205億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年230円、2027年3月期予想250円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男建設会社でも、不動産の事業の利益が大きいことがあるんだね。国際事業の損失がどうなるかも見ておこう
まとめ
- 西松建設は、土木・建築と不動産(アセットバリューアッド)の会社
- 2026年3月期は売上高3,960億円(+8.0%)、営業利益280億円(+32.8%)
- 建築の採算改善でセグメント利益が2倍以上
- 国際事業は24億円の損失
- 2027年3月期は営業利益285億円・年250円の予想
参考文献
- 西松建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18200/140120260511522965.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 安藤・間. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/17190/140120260514531951.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 五洋建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18930/140120260508519557.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。