清水建設の強みとは:建設事業が中心のゼネコンに、投資開発、日本道路の道路舗装も。2026年3月期は営業利益1,186億円(+67.1%)・当期純利益1,266億円(+91.8%)。国内建築の工事採算が改善。政策保有株式を1,091億円売却
清水建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2兆578億円(+5.8%)、営業利益1,186億円(+67.1%、営業利益率5.8%)、経常利益1,223億円(+70.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,266億円(+91.8%、投資有価証券売却益)、ROE13.8%、自己資本比率36.8%。セグメント利益は、当社建設906億円(+60.7%、工事採算の改善)、その他305億円(国内外の建設子会社)、当社投資開発167億円、道路舗装(日本道路)105億円。2025年度に政策保有株式を39銘柄・1,091億円売却し、連結純資産比率は24.4%(売却合意分を除くと9.1%)。あおみ建設を子会社化し、洋上風力分野などでの協働を目指す。年72円の配当、2027年3月期は営業利益1,530億円(+28.9%)・年77円の予想。鹿島建設・大林組・大成建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美大手のゼネコン4社がそろったね。清水建設はどんな特徴があるのかな

プレ男決算短信を見ると、国内の建築の工事の採算が良くなって、利益が大きく増えたんだって。持っている株もたくさん売っているみたい
企業分析の連載、129社目は清水建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の鹿島建設の強みとは・大林組の強みとは・大成建設の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、清水建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
建設事業を中心に、不動産の投資開発、日本道路株式会社の道路舗装、エンジニアリング・グリーンエネルギー開発などを手がけるゼネコン(総合建設会社)
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆578億円 | +5.8% |
| 営業利益 | 1,186億円 | +67.1% |
| 営業利益率 | 5.8% | 前期 3.7% |
| 経常利益 | 1,223億円 | +70.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,266億円 | +91.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.8% | 前期 7.6% |
| 自己資本比率 | 36.8% | 前期 34.1% |
| 配当 | 年72円(配当性向38.6%) | 前期 38円 |
- 営業利益は、国内建築工事の工事採算の改善などで完成工事総利益が増えて大きく増えました
- 当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどで増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 当社建設 | 清水建設の建設事業 | 1兆4,774億円(+7.0%) | 906億円(+60.7%) |
| その他 | エンジニアリング、グリーンエネルギー開発、建物ライフサイクル、子会社 | 4,892億円(−1.5%) | 305億円(+22.4%) |
| 当社投資開発 | 不動産の開発・賃貸・売却 | 531億円(−0.8%) | 167億円(−0.8%) |
| 道路舗装 | 日本道路株式会社 | 1,683億円(+2.5%) | 105億円(+7.0%) |
- 当社建設のセグメント利益は、工事採算の改善で6割増えました。当社個別の完成工事総利益は1,575億円(+44.3%)です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 工事採算の改善
- 国内建築工事の工事採算の改善で、当社建設のセグメント利益が906億円に増えました
② 政策保有株式の売却
- 2025年度に、上場株式39銘柄(一部売却を含む)・1,091億円を売却しました。政策保有株式の連結純資産に対する比率は2026年3月末で24.4%ですが、取引先と売却に合意した銘柄を除くと9.1%だとしています
③ 土木・洋上風力の強化
- 海洋土木工事などを手がけるあおみ建設を子会社化し、土木事業分野と、市場の成長が期待される洋上風力分野での協働を目指すとしています
4. 弱み・リスク
① 建設コストと人手不足
- 会社は、建設資材・エネルギー価格の高止まりや、人手不足に伴う労務費の上昇などの影響があったとしています
② 利益率は大手の中でやや低め
- 営業利益率は5.8%で、ほかのゼネコン大手より低い水準です(→下の比較)
③ 一度きりの利益
- 当期純利益には投資有価証券売却益が含まれます。2027年3月期の当期純利益は1,300億円(+2.7%)の予想です
5. ライバルとの比較
ゼネコン大手の鹿島建設・大林組・大成建設と比べます。すべて日本基準・2026年3月期です。
| 清水建設 | 鹿島建設 | 大林組 | 大成建設 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆578億円 | 3兆673億円 | 2兆5,863億円 | 2兆891億円 |
| 営業利益 | 1,186億円(+67.1%) | 2,408億円(+58.5%) | 1,947億円(+36.6%) | 1,880億円(+56.4%) |
| 営業利益率 | 5.8% | 7.8% | 7.5% | 9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,266億円 | 1,773億円 | 1,738億円 | 1,700億円 |
| ROE | 13.8% | 13.3% | 14.4% | 18.7% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
清水建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 当社建設のセグメント利益 | 906億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 政策保有株式の連結純資産に対する比率 | 24.4%(合意分を除くと9.1%) | 決算短信(政策保有株式の縮減状況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2兆3,100億円、営業利益1,530億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年72円、2027年3月期予想77円 | 決算短信 |
- 会社は、政策保有株式を2027年3月末までに連結純資産の10%以下にする縮減目標を掲げています
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美工事の採算が良くなって、政策保有の株も売っているのね。来年もこの利益率が続くかを見ておきたいな
まとめ
- 清水建設は、建設事業を中心に、投資開発と道路舗装も手がけるゼネコン
- 2026年3月期は営業利益1,186億円(+67.1%)、当期純利益1,266億円(+91.8%)
- 国内建築の工事採算の改善で当社建設が+60.7%
- 政策保有株式を1,091億円売却、あおみ建設を子会社化
- 2027年3月期は営業利益1,530億円(+28.9%)の予想
参考文献
- 清水建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18030/140120260511522669.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 鹿島建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18120/140120260512524121.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大林組. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18020/140120260512524360.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大成建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/18010/140120260511523850.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。