エン(旧・エン・ジャパン)の強みとは:求人サイト「エン転職」と人材紹介の会社。2026年3月期は売上高591億円(−10.0%)、営業利益40億円(−32.7%)。engage事業の譲渡を決め、構造改革中
エン株式会社(2025年10月1日にエン・ジャパンから商号を変更)を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高591億円(−10.0%)、営業利益40億円(−32.7%、営業利益率6.7%)、経常利益42億円(−29.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益26億円(−65.7%、前年のタイミー株式の売却益の反動)、ROE7.7%、自己資本比率63.1%。サービス区分はメディア377億円(−11.8%、エン転職153億円・engage71億円)、エージェント109億円(+9.4%、エンワールド・ジャパンなど)、採用サービスその他25億円(+41.1%)、教育・評価18億円、海外(採用・IT派遣)。今後2年を構造改革の年とし、engage事業の譲渡を決定。年32.70円の配当(配当性向49.2%)、2027年3月期は売上高500億円・営業利益28億円・当期純利益55億円・年68.30円の予想。パーソルHD・リクルートHDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美エン・ジャパンって、転職サイトの会社だよね

プレ男決算短信だと、社名が「エン株式会社」になっていて、今は事業を見直している最中なんだって。売上も利益も減ったみたい
企業分析の連載、299社目はエンです。会社の発表によると、2025年10月1日に「エン・ジャパン株式会社」から「エン株式会社」に商号を変更しました。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のパーソルホールディングスの強みとは・リクルートホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、エン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のサービスをすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
求人情報サイトの運営・人材紹介・教育評価を中心に、「人材採用・入社後活躍」を支援する会社。セグメントは人材サービス事業のひとつ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 591億円 | −10.0% |
| 営業利益 | 40億円 | −32.7% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 6.7% | 前期 9.0% |
| 経常利益 | 42億円 | −29.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 26億円 | −65.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 7.7% | 前期 22.2% |
| 自己資本比率 | 63.1% | 前期 65.0% |
| 配当 | 年32.70円(配当性向49.2%) | 前期 70.10円 |
- 当期純利益の大きな減少は、前期にタイミーの株式の売却益55億円があった反動です
2. 何で稼いでいるか
| サービス区分(管理会計ベース) | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| メディア | 377億円 | −11.8% |
| うちエン転職 | 153億円 | −12.0% |
| うちengage | 71億円 | −27.6% |
| エージェント(人材紹介) | 109億円 | +9.4% |
| 採用サービス その他 | 25億円 | +41.1% |
| 教育・評価サービス | 18億円 | +3.8% |
| 海外 採用サービス(メディア・エージェント) | 27億円 | +5.0% |
| 海外 ITエンジニア派遣 | 37億円 | +9.5% |
| 非HR 営業代行サービス | 18億円 | −10.0% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 人材紹介の伸び
- エージェントは、グローバル人材紹介のエンワールド・ジャパンのコンサルタントの増員や、エンエージェントの高年収帯での決定の増加で、+9.4%でした
② エン転職の利用企業数
- エン転職は減収でしたが、利用企業数は増えたとしています
③ 財務
- 自己資本比率は63.1%です
4. 弱み・リスク
① メディアの減収
- メディアは、エン転職の減収や、engageの投資の適正化で−11.8%でした
② 構造改革の途中
- 会社は、当期を含む2年間を構造改革と戦略方針の転換の年とし、engage事業の譲渡を決めました
③ 2027年3月期は減収・営業減益の予想
- 2027年3月期は、売上高500億円(−15.4%)、営業利益28億円(−29.3%)の予想です。当期純利益は55億円(+108.9%)の予想です
5. ライバルとの比較
人材サービスの会社と並べます。会計基準(パーソル・リクルートはIFRS)と規模・事業が大きく違うので、おおまかな比較です。
| エン | パーソルHD | リクルートHD | |
|---|---|---|---|
| 売上高(売上収益) | 591億円(−10.0%) | 1兆5,558億円(+7.2%) | 3兆6,973億円(+3.9%) |
| 営業利益 | 40億円(−32.7%) | 665億円(+15.8%) | 6,305億円(+28.5%) |
| 営業利益率 | 6.7% | 4.3% | 17.1% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
エンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| エン転職の売上高 | 153億円 | 決算短信(主要な事業の概況) |
| エージェントの売上高 | 109億円 | 決算短信(主要な事業の概況) |
| engage事業の譲渡の進み具合 | 譲渡を決定 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高500億円、営業利益28億円、当期純利益55億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年32.70円、2027年3月期予想68.30円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男事業を手放す年は、売上が減る予想でも、純利益は増える予想になることがあるんだね
まとめ
- エンは、エン転職と人材紹介の会社
- 2026年3月期は売上高591億円(−10.0%)、営業利益40億円(−32.7%)
- エージェントは+9.4%、メディアは−11.8%
- 構造改革としてengage事業の譲渡を決定
- 2027年3月期は売上高500億円・営業利益28億円・年68.30円の予想
参考文献
- エン. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/48490/140120260514533480.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- エン. エン・ジャパン株式会社、2025年10月1日より商号を「エン株式会社」へ変更. https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/43070.html (閲覧日:2026年10月12日)
- パーソルホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/21810/140120260514533700.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- リクルートホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://file.recruit-holdings.com/files/ja/Recruit_202603Q4_earnings_jp.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。