リクルートホールディングスの強みとは:世界の求人サイトIndeed・Glassdoorと、人材派遣、ホットペッパーなどの国内のマッチング。2026年3月期は売上収益3兆6,973億円・営業利益6,305億円(+28.5%)。米国の採用需要が停滞する中、Indeedは1件あたりの単価で稼ぐ
リクルートホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で分析しました。売上収益3兆6,973億円(+3.9%)、営業利益6,305億円(+28.5%)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,969億円(+21.6%)、会社が重視するEBITDA+S 7,943億円(+17.0%)。事業はHRテクノロジー(Indeed・Glassdoorなど。売上収益1兆4,584億円、EBITDA+Sマージン37.7%)、人材派遣(1兆7,034億円、5.9%)、マーケティング・マッチング・テクノロジー(美容・旅行・飲食・住宅など。5,646億円、27.4%)。米国の採用需要が停滞する中、米国Indeedの求人1件あたりの平均売上収益が17%伸びました。自己株式の取得は6,787億円。2027年3月期は売上収益4兆300億円・営業利益7,870億円の予想。パーソルとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

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企業分析の連載、17社目はリクルートホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。比較にはパーソルホールディングスの2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、リクルート株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
世界の求人サイト(Indeed・Glassdoor)、人材派遣、日本の生活・住まいのマッチングサービスの3つで稼ぐ会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆6,973億円 | +3.9% |
| 営業利益 | 6,305億円 | +28.5% |
| 営業利益率 | 17.1% | 前期 13.8% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,969億円 | +21.6% |
| EBITDA+S(会社が重視する指標) | 7,943億円 | +17.0% |
| 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) | 31.0% | 前期 22.6% |
| 自己株式の取得による支出 | 6,787億円 | — |
- EBITDA+Sは、2026年3月期に「調整後EBITDA」から名前を変えた会社独自の指標で、営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用です。会社はこれを主な経営指標とし、役員の報酬にも連動させています
2. 何で稼いでいるか
2026年3月期から、旧「マッチング&ソリューション事業」は「マーケティング・マッチング・テクノロジー事業」に名前が変わり、人材の領域はHRテクノロジー事業に移りました。
| 事業 | 中身 | 売上収益 | EBITDA+S | マージン |
|---|---|---|---|---|
| HRテクノロジー | Indeed、Glassdoor、日本のIndeed PLUSなど | 1兆4,584億円(+6.3%) | 5,499億円(+21.5%) | 37.7% |
| 人材派遣 | 日本・欧州・米国・豪州の人材派遣 | 1兆7,034億円(+2.2%) | 997億円(+2.4%) | 5.9% |
| マーケティング・マッチング・テクノロジー | 美容・旅行・飲食・住宅などのマッチング、Airビジネスツールズなど | 5,646億円(+4.7%) | 1,549億円(+13.0%) | 27.4% |
- 売上がいちばん大きいのは人材派遣、稼ぐ力がいちばん大きいのはHRテクノロジーという関係です
- HRテクノロジーの地域別売上収益は、米国8,016億円(+7.6%)、欧州及びその他3,085億円(+17.8%)、日本3,482億円(−4.6%)
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① Indeedの規模
- Indeedを採用のために毎年利用する企業は350万社(2026年3月時点の直近12か月)、Indeedで作られた求職者のプロフィールは6億6,500万件以上(2026年3月31日までの累計)、掲載求人は2,000万件以上(2025年の1日あたり平均)
- 会社は、予測AIや機械学習で、求職者と企業のマッチングを改善するとしています
② 単価を上げる力
- 米国では、採用需要が停滞する中でも、米国Indeedの求人1件あたりの平均売上収益(US ARPJ)が17%成長し、米国の売上収益は7.6%増えました
- HRテクノロジーのEBITDA+Sマージンは、人件費の減少を含む効率化で37.7%になりました
③ 日本の生活サービスの基盤
- マーケティング・マッチング・テクノロジー事業は、美容を含むライフスタイル領域(2,938億円、+6.6%)がけん引しました
4. 弱み・リスク
① 米国の採用需要
- 会社自身が「採用需要が停滞する中」と書いています。求人の数が減ると、Indeedの売上に影響します
② 日本のHRテクノロジーの減収
- HRテクノロジーの日本の売上収益は4.6%減でした
③ 為替
- 売上の大きな部分が米ドルです。2027年3月期の予想は1米ドル=154円を前提にしています
④ 派遣は利幅が小さい
- 人材派遣のEBITDA+Sマージンは5.9%です
5. ライバルとの比較
人材サービス大手のパーソルホールディングスと比べます(どちらもIFRS・2026年3月期)。リクルートには求人サイトや生活のマッチングもあるので、事業の形が違う点に注意してください。
| リクルートHD | パーソルHD | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆6,973億円 | 1兆5,558億円(+7.2%) |
| 営業利益 | 6,305億円 | 665億円(+15.8%) |
| 営業利益率 | 17.1% | 4.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,969億円 | 427億円 |
| ROE | 31.0% | 20.9% |
- リクルートの人材派遣だけを見ると、EBITDA+Sマージンは5.9%で、派遣という事業そのものの利幅は大きくないことがわかります。全体の利益率を押し上げているのはHRテクノロジーです
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
リクルートの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| HRテクノロジーの売上収益(米ドルベース) | 96.7億ドル(+7.6%) | 決算短信(セグメント業績) |
| 米国平均単価成長率(US ARPJ) | 17% | 決算短信(セグメント業績) |
| HRテクノロジーのEBITDA+Sマージン | 37.7% | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益4兆300億円、営業利益7,870億円、EBITDA+S 9,490億円 | 決算短信のサマリー |
| 自己株式の取得 | 6,787億円 | 決算短信(キャッシュ・フロー) |
| 配当 | 年25円(配当性向7.1%)、2027年3月期予想26円 | 決算短信 |
- 配当性向は7.1%と低く、株主還元は自社株買いが中心です(→自社株買いのしくみ)
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男売上は派遣がいちばんだけど、稼いでいるのはIndeed。数字を分けて見ると全然ちがうね
広告の会社は電通グループの強みとはと博報堂DYホールディングスの強みとはも参考にしてください。
食べログや求人ボックスの会社はカカクコムの強みとはも参考にしてください。
人材派遣の会社はパーソルホールディングスの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- リクルートは、Indeed・Glassdoor、人材派遣、日本の生活・住まいのマッチングの3事業
- 2026年3月期は売上収益3兆6,973億円、営業利益6,305億円(+28.5%)、ROE31.0%
- 稼ぐ力の中心はHRテクノロジー(EBITDA+Sマージン37.7%)
- 米国の採用需要の停滞の中、求人1件あたりの単価を17%伸ばした
- 株主還元は自社株買い(6,787億円)が中心
参考文献
- リクルートホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://file.recruit-holdings.com/files/ja/Recruit_202603Q4_earnings_jp.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- パーソルホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www.persol-group.co.jp/ir/upload_file/m009-/FY2025Q4financialresults.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。