博報堂DYホールディングスの強みとは:国内の広告・マーケティングが利益のほとんど。2026年3月期は収益性向上策で営業利益447億円(+18.9%)、当期純利益168億円(+55.8%)。構造改革の特別損失106億円も
博報堂DYホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。収益8,610億円(−9.7%、ユナイテッドの連結除外や公共業務の反動減)、売上高(従前の基準、参考)1兆5,805億円(−2.0%)、営業利益447億円(+18.9%、営業利益率5.2%)、経常利益461億円(+8.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益168億円(+55.8%、構造改革関連費用を含む特別損失106億円)、ROE4.3%、自己資本比率36.0%。調整後のれん償却前営業利益は国内881億円(+8.8%)、海外85億円(+47.9%)。単一セグメント。年32円の配当、100億円の自己株式取得。2027年3月期は収益9,100億円・営業利益467億円・当期純利益260億円・年32円の予想。電通グループとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美博報堂も広告の会社だよね。電通と何が違うの?

プレ男決算短信を見ると、博報堂DYは国内の利益がほとんどで、2026年3月期は増益だったんだって。電通グループは海外の減損で大きな赤字だったよね
企業分析の連載、185社目は博報堂DYホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の電通グループの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、博報堂DYホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
広告・マーケティング・PRなどのサービスを提供する会社(単一セグメント)。利益のほとんどを国内で稼ぐ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 収益 | 8,610億円 | −9.7% |
| 売上高(従前の基準、参考) | 1兆5,805億円 | −2.0% |
| 営業利益 | 447億円 | +18.9% |
| 営業利益率(収益に対して) | 5.2% | 前期 3.9% |
| 経常利益 | 461億円 | +8.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 168億円 | +55.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 4.3% | 前期 2.8% |
| 自己資本比率 | 36.0% | 前期 37.2% |
| 配当 | 年32円(配当性向69.4%) | 前期 32円 |
- 収益の減少は、ユナイテッドの連結除外(持分法適用会社に移行)や、公共業務の反動減などによるものです
- 国内外の収益性向上策で、調整後の売上総利益は+2.4%、売上総利益率は1.1ポイント上がりました
- 構造改革関連費用を含む特別損失106億円を計上しました
2. 何で稼いでいるか
セグメントは単一ですが、決算短信には国内・海外の利益が書かれています。
| 区分 | 調整後のれん償却前営業利益 | 前期比 |
|---|---|---|
| 国内 | 881億円 | +8.8% |
| 海外 | 85億円 | +47.9% |
- 調整後はメルカリ株の売却益を除いた主力事業の数字、のれん償却前営業利益は買収で生じたのれんの償却額などを除いた会社の指標です
- 国内が約91%を占めます(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 国内の広告市場
- 会社は、国内広告市場は総じて前年を上回る水準で堅調だったとしています。国内は、下期の売上総利益の強い伸びで増益でした
② 海外の費用コントロール
- 海外は、費用コントロールの効果で、調整後のれん償却前営業利益が+47.9%でした
③ 株主還元
- 100億円の自己株式の取得をしました(→自社株買い(自己株式の取得)のしくみ)
4. 弱み・リスク
① 低い利益率とROE
- 営業利益率は5.2%、ROEは4.3%です
② 構造改革の費用
- 国内外の構造改革関連費用などで、特別損失106億円を計上しました
③ 景気と広告需要
- 会社は、期末に発生した中東情勢の緊迫化にともなう資源価格の高騰などで、先行きの不透明感が急速に高まっているとしています
5. ライバルとの比較
広告大手の電通グループと並べます。会計基準(電通グループはIFRS)と決算期(電通グループは12月期)、利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| 博報堂DYHD(2026年3月期) | 電通グループ(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 収益 | 8,610億円(−9.7%) | 1兆4,352億円(+1.7%) |
| 営業損益 | 447億円(+18.9%) | −2,892億円 |
| 当期損益 | 168億円 | −3,276億円 |
| 自己資本(帰属持分)比率 | 36.0% | 11.7% |
| 配当 | 年32円 | 0円 |
- 規模は電通グループが大きいものの、2025〜2026年の決算では博報堂DYHDが黒字・増益で、電通グループは減損で赤字でした(→電通グループの強みとは)。人材・広告サービスはリクルートホールディングスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
博報堂DYHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 国内の調整後のれん償却前営業利益 | 881億円 | 決算短信(当期の経営成績) |
| 調整後の売上総利益の伸び | +2.4% | 決算短信(当期の経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 収益9,100億円、営業利益467億円、当期純利益260億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年32円、2027年3月期予想32円 | 決算短信 |
- 会社は、調整後売上総利益の年平均成長率+5%以上、調整後のれん償却前オペレーティング・マージン13%以上を目標に掲げています
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美同じ広告の会社でも、国内中心か海外が大きいかで、結果がずいぶん違うのね。売上総利益の伸びを見ておきたいな
ネット広告とゲームの会社はサイバーエージェントの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 博報堂DYHDは、国内中心の広告・マーケティングの会社
- 2026年3月期は営業利益447億円(+18.9%)、当期純利益168億円(+55.8%)
- 国内の調整後のれん償却前営業利益は881億円、利益の約91%
- 収益性向上策で売上総利益率が上昇、構造改革の特別損失は106億円
- 2027年3月期は営業利益467億円・当期純利益260億円の予想
参考文献
- 博報堂DYホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/24330/140120260511523182.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 電通グループ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/43240/140120260108531049.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。