サイバーエージェントの強みとは:売上の約半分はインターネット広告、営業利益の約7割はCygamesなどのゲーム。「ABEMA」のメディア&IPは開局10年で黒字化。2025年9月期は売上高8,740億円(+9.1%)・営業利益717億円(+78.9%)
サイバーエージェントを、2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高8,740億円(+9.1%、創業来28期連続の増収)、営業利益717億円(+78.9%、営業利益率8.2%)、経常利益717億円(+80.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益317億円(+98.2%)、ROE18.9%、自己資本比率32.3%。セグメントは、インターネット広告(売上高4,612億円・+6.1%、営業利益176億円・−14.0%、AIを活用した新規事業への投資)、ゲーム(売上高2,167億円・+10.6%、営業利益601億円・+96.5%、新規タイトルの大型ヒットと海外展開、外部決済への移行効果)、メディア&IP(「ABEMA」など、売上高2,315億円・+15.7%、営業利益73億円で開局後10年ぶりの黒字)、投資育成は15億円の損失。年17円の配当(DOE5%以上)、2026年9月期は売上高8,800億円・営業利益500億〜600億円のレンジ予想。博報堂DYホールディングス・カプコンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男サイバーエージェントって、ネット広告の会社だよね?

メル美決算短信を見ると、売上の半分はネット広告だけど、利益の7割くらいはゲームなんだって。「ABEMA」も10年でやっと黒字になったみたい
企業分析の連載、217社目はサイバーエージェントです。2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月14日)で確認しました(通期の決算短信として、2026年10月12日時点で最新です)。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の博報堂DYホールディングスの強みとは・カプコンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、サイバーエージェント株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
インターネット広告、スマートフォン向けゲーム(Cygamesなど)、「ABEMA」を中心としたメディア&IP、投資育成の4つの事業をもつ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2025年9月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,740億円 | +9.1% |
| 営業利益 | 717億円 | +78.9% |
| 営業利益率 | 8.2% | 前期 5.0% |
| 経常利益 | 717億円 | +80.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 317億円 | +98.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 18.9% | 前期 10.8% |
| 自己資本比率 | 32.3% | 前期 30.1% |
| 配当 | 年17円(配当性向27.2%) | 前期 16円 |
- 売上高は創業来28期連続の増収です
- 営業利益は、メディア&IPの黒字化と、収益性の高いゲームの大幅な増益で大きく増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| ゲーム | 複数の新規タイトルの大型ヒット、海外展開、外部決済への移行効果 | 2,167億円(+10.6%) | 601億円(+96.5%) |
| インターネット広告 | 下半期に大型顧客の離脱、AIを活用した新規事業への投資 | 4,612億円(+6.1%) | 176億円(−14.0%) |
| メディア&IP | 「ABEMA」などが売上を積み上げ、開局後10年ぶりの黒字 | 2,315億円(+15.7%) | 73億円(前期は損失) |
| 投資育成 | コーポレートベンチャーキャピタル、ファンド運営 | 17億円(−73.8%) | −15億円 |
- 売上高の約53%がインターネット広告ですが、セグメントの営業利益の合計834億円のうち約72%がゲームです(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① ゲームのヒット
- Cygames・アプリボット・QualiArts・Colorful Paletteなどのゲーム会社をもち、当期は複数の新規タイトルが大型ヒットし、海外展開も成功しました。営業利益は+96.5%です
② ネット広告の規模
- インターネット広告は売上高4,612億円で、市場の成長を取り込んでいます。AIを活用した新規事業にも投資しています
③ ABEMAの黒字化とIP事業
- 2016年に開局した「ABEMA」を中心とするメディア&IP事業が、10年ぶりに黒字化しました。会社は、「ABEMA」と親和性の高いIP(キャラクターや作品)事業を強めています
4. 弱み・リスク
① ゲームのヒットへの依存
- 利益の約7割がゲームです。会社自身も、ゲーム事業の特性上、業績の変動要因が大きいとして、2026年9月期の営業利益を500億〜600億円の幅で予想しています(当期比−30.3%〜)
② 広告の減益
- インターネット広告は、大型顧客の離脱や新規事業への投資で14.0%の減益でした
③ 自己資本比率
- 自己資本比率は32.3%です
5. ライバルとの比較
広告・ゲームの会社と並べます。決算期(ほか2社は3月期)と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。いずれも日本基準です。
| サイバーエージェント(2025年9月期) | 博報堂DY HD(2026年3月期) | カプコン(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上高(収益) | 8,740億円(+9.1%) | 8,610億円(収益、−9.7%) | 1,953億円(+15.2%) |
| 営業利益 | 717億円(+78.9%) | 447億円(+18.9%) | 753億円(+14.5%) |
| 営業利益率 | 8.2% | 5.2% | 38.5% |
| ROE | 18.9% | 4.3% | 22.1% |
| 自己資本比率 | 32.3% | 36.0% | 78.8% |
- サイバーエージェントは、広告会社とゲーム会社の両方の顔をもちます(→博報堂DYホールディングスの強みとは、カプコンの強みとは)。広告大手は電通グループの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
サイバーエージェントの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年9月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| ゲームの営業利益 | 601億円 | 決算短信(セグメント別) |
| メディア&IPの営業損益 | 73億円 | 決算短信(セグメント別) |
| インターネット広告の売上高 | 4,612億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 会社の業績予想 | 2026年9月期 売上高8,800億円、営業利益500億〜600億円、当期純利益250億〜300億円 | 決算短信 |
| 配当 | 年17円、2026年9月期予想19円(DOE5%以上) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男広告の会社だと思ってたけど、利益はゲームのヒットしだいなんだね。会社が予想に幅をつけているのも納得だ
まとめ
- サイバーエージェントは、ネット広告・ゲーム・メディア&IPの会社
- 2025年9月期は売上高8,740億円(28期連続の増収)、営業利益717億円(+78.9%)
- 売上の約半分が広告、営業利益の約7割がゲーム
- 「ABEMA」のメディア&IPは開局10年で黒字化
- 2026年9月期の営業利益は500億〜600億円の幅で予想
参考文献
- サイバーエージェント. 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/47510/140120251114502356.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 博報堂DYホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/24330/140120260511523182.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カプコン. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/result/2026/full/result_2026_full_01.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。