カカクコムの強みとは:「食べログ」がセグメント利益の約6割、「価格.com」も安定。求人ボックスへの投資で2026年3月期は売上収益941億円(+20.0%)・営業利益272億円(−7.0%)、営業利益率28.9%
カカクコムを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益941億円(+20.0%)、営業利益272億円(−7.0%、求人ボックスを中心とした成長投資で費用が拡大)、営業利益率28.9%、親会社の所有者に帰属する当期利益188億円(−6.1%)、ROE29.7%、親会社所有者帰属持分比率70.3%。セグメント利益は、食べログ222億円(+22.8%、有料契約店舗数とオンライン予約人数の増加、月間利用者数9,708万人)、価格.com125億円(+6.9%、パソコンの買い替え需要、住宅ローンは減収)、インキュベーション27億円(+42.3%)、求人ボックスは15億円の損失(売上収益202億円・+51.2%)。エンゲージの連結で2026年4月からHR事業に。年50円の配当、2027年3月期は売上収益1,145億円・営業利益308億円(+13.1%)・年54円の予想。リクルートホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美カカクコムって、「価格.com」の会社でしょ?

プレ男決算短信を見ると、いちばん稼いでいるのは「食べログ」なんだって。求人サイトの「求人ボックス」にも大きく投資しているみたい
企業分析の連載、218社目はカカクコムです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のリクルートホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、カカクコム株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のサービスの利用をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
比較サイト「価格.com」、飲食店の情報・予約サイト「食べログ」、求人検索の「求人ボックス」と、不動産・旅行などのインキュベーション事業を運営する会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 941億円 | +20.0% |
| 営業利益 | 272億円 | −7.0% |
| 営業利益率 | 28.9% | 前期 37.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 188億円 | −6.1% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 29.7% | 前期 35.4% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 70.3% | 前期 66.1% |
| 配当 | 年50円(配当性向52.6%) | 前期 80円(特別配当30円を含む) |
- 売上収益は、食べログとインキュベーション事業が堅調で、求人ボックスの営業体制の強化の効果も出て、+20.0%でした
- 営業利益は、求人ボックスを中心とした成長投資の費用が、各事業の増収による利益を上回り、7.0%減りました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 食べログ | 有料サービスの契約店舗数とオンライン予約人数が増加、月間利用者数9,708万人 | 402億円(+20.2%) | 222億円(+22.8%) |
| 価格.com | パソコンの買い替え需要でショッピングが好調、住宅ローンは金利上昇で減収、月間利用者数3,101万人 | 236億円(−0.1%) | 125億円(+6.9%) |
| インキュベーション | 旅行・移動が好調、LiPLUSホールディングスの連結 | 101億円(+26.6%) | 27億円(+42.3%) |
| 求人ボックス | ブランド投資で利用者が増加、月間利用者数1,557万人 | 202億円(+51.2%) | −15億円(前期は43億円の利益) |
- 売上収益の約43%、セグメント利益の合計360億円のうち約62%が食べログです(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 食べログ
- 有料サービスの契約店舗数とオンライン予約人数が増え続け、セグメント利益は+22.8%でした。会社は、インバウンド向けのオンライン予約を含めたネット予約サービスにも取り組むとしています
② 高い利益率と厚い財務
- 投資で減益になっても、営業利益率は28.9%、ROEは29.7%です。親会社所有者帰属持分比率は70.3%です
③ 求人事業の拡大
- 求人ボックスは、売上収益が+51.2%でした。求職者会員数600万人超の求人サイト「エンゲージ」などのengage事業を取得し、2026年4月から「HR事業」として2ブランドの体制にしました
4. 弱み・リスク
① 先行投資による赤字
- 求人ボックスは、ブランド認知の向上や営業体制の強化への積極的な投資で、15億円の損失になりました
② 価格.comの伸び悩み
- 価格.comの売上収益は横ばい(−0.1%)でした。金融の領域では、金利上昇などの影響で住宅ローンの減収が続いています
③ 配当の変化
- 前期は特別配当30円を含む年80円でしたが、当期は年50円です(→配当方針の読み方)
5. ライバルとの比較
ネットのサービスで稼ぐリクルートホールディングスと並べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、規模が大きく違うので、おおまかな比較です。
| カカクコム | リクルートHD | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 941億円(+20.0%) | 3兆6,973億円(+3.9%) |
| 営業利益 | 272億円(−7.0%) | 6,305億円(+28.5%) |
| 営業利益率 | 28.9% | 17.1% |
| ROE | 29.7% | 31.0% |
- 規模はちがいますが、どちらも求人サービスをもち、ROEは近い水準です(→リクルートホールディングスの強みとは)。ネットのサービスの会社はLINEヤフーの強みとは、メルカリの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
カカクコムの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 食べログのセグメント利益 | 222億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 求人ボックス(HR事業)の損益 | −15億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 月間利用者数 | 食べログ9,708万人、価格.com3,101万人 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1,145億円、営業利益308億円、調整後EBITDA360億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年50円、2027年3月期予想54円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美食べログが稼いだ利益で、求人事業に投資しているのね。HR事業がいつ利益を出せるかを見ておきたいな
まとめ
- カカクコムは、食べログ・価格.com・求人ボックスなどのネットサービスの会社
- 2026年3月期は売上収益941億円(+20.0%)、営業利益272億円(−7.0%)
- セグメント利益の約6割が食べログ、価格.comは横ばい
- 求人ボックスへの投資で減益、エンゲージの取得でHR事業に
- 2027年3月期は営業利益308億円(+13.1%)・年54円の予想
参考文献
- カカクコム. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/23710/140120260501516358.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- リクルートホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://file.recruit-holdings.com/files/ja/Recruit_202603Q4_earnings_jp.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。