LINEヤフーの強みとは:「LINE」「ヤフー」の広告(メディア)、ZOZO・アスクルなどのeコマース(コマース)、PayPayなどの決済・金融(戦略)。2026年3月期は売上収益2兆363億円・調整後EBITDA4,966億円でともに過去最高。伸びたのはPayPay
LINEヤフーを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で分析しました。売上収益2兆363億円(+6.2%)、会社が重視する調整後EBITDA4,966億円(+5.5%)でともに過去最高、営業利益3,413億円(+8.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,937億円(+26.2%)、ROE6.5%。セグメントはメディア(LINE公式アカウントなどの広告。売上収益7,351億円、調整後EBITDA2,806億円)、コマース(ショッピング、ZOZO、アスクルなど。8,576億円、1,299億円、−12.8%)、戦略(PayPayなど。4,457億円、939億円、+85.0%)。PayPayの連結取扱高は19.3兆円(+22.9%)、PayPay銀行の貸出金残高は1兆2,386億円。2025年10月にアスクルでランサムウェア攻撃によるシステム障害がありました。年7.3円の配当、2027年3月期は売上収益2兆2,400億円・調整後EBITDA5,850億円・年11円の予想。楽天グループとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

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企業分析の連載、52社目はLINEヤフーです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。比較には、この連載の楽天グループの強みとはで確認した楽天の数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、LINEヤフー株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
「LINE」「ヤフー」の広告、ZOZO・アスクルなどのネット通販、PayPayの決済・金融で稼ぐインターネット企業
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆363億円(過去最高) | +6.2% |
| 調整後EBITDA(会社が重視する指標) | 4,966億円(過去最高) | +5.5% |
| 営業利益 | 3,413億円 | +8.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,937億円 | +26.2% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 6.5% | 前期 5.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 26.8% | 前期 32.7% |
| 配当 | 年7.3円(配当性向26.1%) | 前期 7.0円 |
- 増収の中心は、PayPay(PayPay・PayPayカード・PayPay銀行など)の連結です
- 営業利益の増加は、LINE MAN CORPORATIONを連結子会社にしたときの再測定益が主な理由です(一度きりの利益です)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上収益 | 調整後EBITDA |
|---|---|---|---|
| メディア | LINE公式アカウントなどのアカウント広告、ディスプレイ広告、検索広告 | 7,351億円(+0.4%) | 2,806億円(−2.2%) |
| コマース | ショッピング、リユース、ZOZO、アスクル、海外EC | 8,576億円(+1.1%) | 1,299億円(−12.8%) |
| 戦略 | PayPay、PayPayカード、PayPay銀行など | 4,457億円(+30.6%) | 939億円(+85.0%) |
- 稼ぎ(調整後EBITDA)がいちばん大きいのはメディア(広告)、いちばん伸びたのは戦略(PayPay)です
広告の中身
- アカウント広告(LINE公式アカウント)は、有償アカウント数の増加などで+15.3%
- ディスプレイ広告は増加、検索広告は減少しました
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① PayPay
- PayPayの連結取扱高は19.3兆円(+22.9%)、PayPay銀行の貸出金残高は1兆2,386億円(+33.6%)。戦略事業の調整後EBITDAは+85.0%でした
② LINE公式アカウント
- 企業がLINEで利用者とつながるLINE公式アカウントの広告が15.3%増えています
③ eコマースの取扱高
- eコマース取扱高は4兆6,729億円(+7.1%)、そのうち国内の物販は3兆3,161億円(+6.3%)です
4. 弱み・リスク
① アスクルのシステム障害
- 2025年10月に、子会社のアスクルでランサムウェア攻撃によるシステム障害が起き、コマース事業の売上と利益に影響しました
② 費用の増加
- 販促費、人件費、減価償却費、生成AI関連費用などで販管費が増え、メディアとコマースは減益でした
③ 検索広告の減少
- 検索広告は、LINEヤフーの画面、パートナーサイトとも減収でした
5. ライバルとの比較
ネット通販・決済・金融をあわせ持つ楽天グループと比べます。決算期(楽天は12月期)と、会社が重視する利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| LINEヤフー(2026年3月期) | 楽天グループ(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆363億円(+6.2%) | 2兆4,966億円(+9.5%) |
| 営業利益(IFRS) | 3,413億円 | 144億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,937億円 | −1,779億円 |
| 金融の柱 | PayPay(戦略事業) | 楽天カード・銀行・証券(フィンテック) |
- どちらも決済・金融が伸びています。楽天はモバイル(携帯)の損失が大きく、最終赤字でした(→楽天グループの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
LINEヤフーの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 調整後EBITDA | 4,966億円 | 決算短信のサマリー |
| PayPayの連結取扱高 | 19.3兆円 | 決算短信(戦略事業) |
| アカウント広告の伸び | +15.3% | 決算短信(メディア事業) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益2兆2,400億円、調整後EBITDA5,850億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年7.3円、2027年3月期予想11円 | 決算短信 |
- 営業利益には再測定益のような一度きりの利益が入ることがあるので、会社の調整後EBITDAと分けて見るのがポイントです
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男無料のアプリは広告で稼いで、PayPayの決済や銀行が大きく伸びているんだ。アスクルのサイバー攻撃みたいなリスクもあるんだね
まとめ
- LINEヤフーは、メディア(広告)・コマース(通販)・戦略(PayPay)の3本柱
- 2026年3月期は売上収益2兆363億円、調整後EBITDA4,966億円でともに過去最高
- 伸びたのはPayPay(取扱高19.3兆円、戦略事業の調整後EBITDA+85.0%)
- 課題はアスクルのシステム障害、費用の増加、検索広告の減少
- 2027年3月期は調整後EBITDA5,850億円・年11円の予想
参考文献
- LINEヤフー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www.lycorp.co.jp/ja/ir/news/auto_20260507518938/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 楽天グループ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://corp.rakuten.co.jp/investors/assets/doc/documents/25Q4tanshin_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。