楽天グループの強みとは:楽天市場などのネット通販、楽天カード・銀行・証券のフィンテック、楽天モバイルの「楽天エコシステム」。2025年12月期はNon-GAAP営業利益1,063億円に急増、モバイルは1,000万回線を突破しEBITDA黒字に。ただし当期損失1,779億円
楽天グループを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で分析しました。売上収益2兆4,966億円(+9.5%)、IFRS営業利益144億円(−72.9%)、会社が重視するNon-GAAP営業利益1,063億円(前期70億円)、親会社の所有者に帰属する当期損失1,779億円。セグメント(Non-GAAPベース)はインターネットサービスが売上収益1兆3,697億円・利益889億円、フィンテックが9,759億円・1,999億円(+30.3%)、モバイルが4,828億円・損失1,618億円(前期2,089億円の損失から縮小)。楽天モバイルは2025年12月に全契約回線数が1,000万回線を突破し、モバイル事業でEBITDAの黒字化を達成しました。カード・銀行・証券の資産が大きいため、親会社所有者帰属持分比率は3.4%。IFRS営業利益では固定資産の減損などが差し引かれています。ソフトバンクとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美楽天って、ポイントがたまるネット通販のイメージ。でも最近はスマホの楽天モバイルの話をよく聞くよ

プレ男モバイルで大赤字だったって聞いたけど、今はどうなってるのかな
企業分析の連載、37社目は楽天グループです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。比較には、この連載のKDDIの強みとはで確認したソフトバンク株式会社の2026年3月期の数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、楽天グループ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ネット通販(楽天市場など)、カード・銀行・証券などの金融(フィンテック)、携帯電話(楽天モバイル)を、ポイントなどでつなげた「楽天エコシステム」の会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆4,966億円 | 2兆2,792億円(+9.5%) |
| IFRS営業利益 | 144億円 | 530億円 |
| Non-GAAP営業利益(会社が重視する指標) | 1,063億円 | 70億円 |
| EBITDA | 4,359億円 | 3,260億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | −1,779億円(損失) | −1,624億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 3.4% | 3.5% |
- Non-GAAP営業利益は、IFRS営業利益から、会社が定める非経常的な項目(固定資産の減損など)や株式報酬費用などを除いた利益です。2025年12月期は、IFRS営業利益で、固定資産の減損などが差し引かれています
- 持分比率が低いのは、カード・銀行・証券の事業の資産が大きいためで、会社は非支配持分を含めた「連結自己資本比率」(4.7%)も示しています
2. 何で稼いでいるか
セグメントの数字(Non-GAAP営業利益ベース、2025年12月期)です。
| セグメント | 中身 | 売上収益 | セグメント損益 |
|---|---|---|---|
| フィンテック | クレジットカード、銀行、証券、保険、ペイメント | 9,759億円(+19.0%) | 1,999億円(+30.3%) |
| インターネットサービス | 国内EC(楽天市場など)、海外の電子書籍など | 1兆3,697億円(+6.8%) | 889億円(+4.5%) |
| モバイル | 楽天モバイル | 4,828億円(+9.6%) | −1,618億円(前期 −2,089億円) |
- いちばん稼いでいるのはフィンテックです
- モバイルの損失は、前期から約471億円縮小しました
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 楽天エコシステム
- 会社は、インターネットサービス、フィンテック、モバイルなどの多くのサービスでユニークなデータ資産を持つとしています。モバイルのユーザーを中心に国内ECのロイヤルユーザーを育てる、といったサービス間のクロスユースを進めています
② フィンテックの成長
- クレジットカード、銀行、証券、保険、ペイメントの国内主要サービスのすべてで顧客基盤と取扱高を広げ、セグメント利益は1,999億円(+30.3%)
③ モバイルの改善
- 2025年12月に、全契約回線数(法人向けのBCPプランを含むMNO・MVNE・MVNOの合算)が1,000万回線を突破
- モバイル事業で、EBITDAの黒字化を達成しました
4. 弱み・リスク
① モバイルはまだ赤字
- モバイルのセグメント損失は1,618億円。EBITDAは黒字でも、設備の減価償却などを含めると赤字です。通信品質の改善のための設備投資も続きます
② 最終赤字
- 親会社の所有者に帰属する当期利益は1,779億円の損失で、赤字が続いています
③ 減損
- 決算短信では、物流の拠点や「楽天シンフォニー」のOpen RAN事業などで固定資産の減損を計上した例が挙げられています
5. ライバルとの比較
ネット・金融・携帯をあわせ持つソフトバンク株式会社(PayPay、LINEヤフーなどを含む)と比べます。決算期(ソフトバンクは3月期)が違うので、おおまかな比較です。
| 楽天グループ(2025年12月期) | ソフトバンク(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 2兆4,966億円(+9.5%) | 7兆387億円(+7.6%) |
| 営業利益 | IFRS 144億円(Non-GAAP 1,063億円) | 1兆426億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | −1,779億円 | 5,508億円 |
- 携帯の事業で、ソフトバンクは大きな利益を出し、楽天はまだ損失という違いがあります(→KDDIの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
楽天グループの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| モバイルのセグメント損益・回線数 | −1,618億円、1,000万回線超 | 決算短信(セグメント) |
| フィンテックのセグメント利益 | 1,999億円 | 決算短信 |
| Non-GAAP営業利益とIFRS営業利益の差 | 1,063億円と144億円 | 決算短信(調整の説明) |
| 当期利益 | −1,779億円 | 決算短信のサマリー |
- Non-GAAP(会社の指標)とIFRSの数字の差に、何が含まれているかを読むことが大切です
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男稼ぎ頭はカードや銀行なんだ。モバイルは1,000万回線を超えて赤字が減ってきた、っていう段階なんだね
広告・通販・決済を持つネット企業はLINEヤフーの強みとはへ。
ネットのサービスと金融をもつ会社はGMOインターネットグループの強みとはも参考にしてください。
グループのネット銀行は楽天銀行の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 楽天グループは、ネット通販・フィンテック・モバイルの「楽天エコシステム」の会社
- 2025年12月期はNon-GAAP営業利益1,063億円に急増、ただし当期損失1,779億円
- 稼ぎ頭はフィンテック(1,999億円)
- モバイルは1,000万回線を突破、EBITDA黒字化も、セグメントは1,618億円の損失
- Non-GAAPとIFRSの差、最終損益に注意
参考文献
- 楽天グループ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://corp.rakuten.co.jp/investors/assets/doc/documents/25Q4tanshin_J.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- ソフトバンク. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月11日). https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/financial_reports/fy2025/pdf/sbkk_financial_report_20260511.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。