楽天銀行の強みとは:口座数1,807万、預金残高12兆9,645億円のネット銀行。2026年3月期は金利上昇で資金運用収益が伸び、経常利益1,031億円(+44.1%)、ROE21.7%。配当はゼロ
楽天銀行を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。経常収益2,556億円(+38.4%)、経常利益1,031億円(+44.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益731億円(+43.9%)、ROE21.7%、自己資本比率2.2%(総資産16.6兆円)。資金運用収益1,976億円(+695億円、運用資産の増加と日銀の利上げによる利回り上昇)、役務取引等収益495億円、資金調達費用552億円(+280億円、預金の増加と普通預金金利の引き上げ)。2026年3月末の口座数1,807万、単体預金残高12兆9,645億円、貸出金5兆9,431億円。銀行業の単一セグメント。配当は年0円、2027年3月期は経常利益1,156億円・当期純利益813億円の予想。千葉銀行との比較と、見ておくべき数字も。売買や特定の銀行・サービスをすすめるものではありません。

メル美楽天銀行って、店舗のないネットの銀行だよね

プレ男決算短信だと、口座は1,800万を超えているんだって。金利が上がって、利益が大きく増えたみたい
企業分析の連載、249社目は楽天銀行です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の千葉銀行の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、楽天銀行株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の銀行やサービスをすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
インターネットで預金・決済・ローンなどのサービスを提供するデジタル銀行。台湾にも銀行の子会社をもつ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 2,556億円 | +38.4% |
| 経常利益 | 1,031億円 | +44.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 731億円 | +43.9% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 21.7% | 前期 18.0% |
| 総資産 | 16兆5,921億円 | 前期 14兆7,486億円 |
| 自己資本比率(貸借対照表) | 2.2% | 前期 2.0% |
| 配当 | 年0円 | 前期 0円 |
- 総資産16.6兆円に対して、自己資本は3,713億円です。負債の大部分は、普通預金(10兆7,703億円)と定期預金(2兆1,795億円)などの預金です
- 配当は出しておらず、2027年3月期の予想も年0円です
2. 何で稼いでいるか
事業は銀行業の単一セグメントです。経常収益と経常費用の内訳は次のとおりです。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期からの増減 |
|---|---|---|
| 資金運用収益 | 1,976億円 | +695億円 |
| 役務取引等収益(手数料など) | 495億円 | +31億円 |
| その他業務収益 | 57億円 | −18億円 |
| 資金調達費用(預金の利息など) | 552億円 | +280億円 |
| 営業経費 | 569億円 | +106億円 |
- 資金運用収益は、運用資産の増加と、日銀の利上げによる運用利回りの上昇で大きく増えました
- 一方、預金残高の増加と、2025年3月・2026年2月の普通預金金利の引き上げで、資金調達費用も増えました
事業の規模(2026年3月末)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 口座数 | 1,807万口座 |
| 単体預金残高 | 12兆9,645億円 |
| 貸出金(連結) | 5兆9,431億円(+8,989億円) |
- 貸出金は、投資用マンションローン、提携ローン、カードローンなどが増えました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 口座数と生活口座化
- 自治体の公金や上下水道料金の口座振替などを広げ、生活口座として使われることを進めています。口座数は1,807万です
② 楽天グループとの連携
- 楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」、楽天モバイルとの提携による金利の上乗せなど、グループのサービスとの連携を進めています(→楽天グループの強みとは)
③ 高いROE
- ROEは21.7%です
4. 弱み・リスク
① 預金金利の上昇
- 普通預金金利の引き上げなどで、資金調達費用は+280億円と大きく増えました。金利が上がると、運用の利回りだけでなく、預金に払う利息も増えます(→日銀の政策金利と投資)
② 経費の増加
- 人件費、ソフトウエアの償却費、業務委託費、広告宣伝費などで、営業経費は+106億円でした
③ 配当がない
- 利益は大きく増えていますが、配当は年0円です
5. ライバルとの比較
地方銀行の千葉銀行と並べます。ビジネスの形が違うので、おおまかな比較です。どちらも2026年3月期です。
| 楽天銀行 | 千葉銀行 | |
|---|---|---|
| 経常収益 | 2,556億円(+38.4%) | 4,450億円(+22.8%) |
| 経常利益 | 1,031億円(+44.1%) | 1,388億円(+29.1%) |
| 当期純利益 | 731億円(+43.9%) | 941億円(+26.6%) |
| ROE | 21.7% | 7.8% |
| 配当 | 年0円 | 年52円 |
- 利益の規模は千葉銀行が大きく、ROEは楽天銀行が高い結果です(→千葉銀行の強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
楽天銀行の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 口座数・預金残高 | 1,807万口座・12兆9,645億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 資金運用収益と資金調達費用 | 1,976億円・552億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 貸出金 | 5兆9,431億円 | 決算短信(財政状態の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 経常収益3,147億円、経常利益1,156億円、当期純利益813億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年0円、2027年3月期予想0円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美金利が上がると、もらう利息も払う利息も増えるのね。その差がどう動くかを見ておきたいな
まとめ
- 楽天銀行は、口座数1,807万のネット銀行
- 2026年3月期は経常利益1,031億円(+44.1%)、ROE21.7%
- 日銀の利上げで資金運用収益が伸び、預金金利の引き上げで調達費用も増加
- 楽天グループのサービスとの連携を進める
- 配当は年0円、2027年3月期は当期純利益813億円の予想
参考文献
- 楽天銀行. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/58380/140120260511523864.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 千葉銀行. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/83310/140120260514532464.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。