メルカリの強みとは:フリマアプリ「メルカリ」の日本のマーケットプレイスと、メルペイ・メルカードのFintechで、Japan Businessがセグメント利益の約97%。2026年6月期は売上収益2,293億円(+19.0%)・営業利益439億円(+57.7%)で過去最高、越境取引が伸びる
メルカリを、2026年6月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年8月5日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益2,293億円(+19.0%)、コア営業利益442億円(+60.2%)、営業利益439億円(+57.7%、営業利益率19.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益354億円(+35.6%)、ROE30.0%、親会社所有者帰属持分比率18.9%。Japan Businessは売上収益1,809億円・セグメント利益513億円(+47.2%):日本のMarketplaceはGMV1兆2,856億円(+14.7%)で二桁成長に回帰、越境取引のGMVは1,122億円(約9%)、Fintechは売上収益651億円(+29.2%)・債権残高3,581億円・債権回収率99.4%。USはGMV8億1,000万ドル(+11.2%)・セグメント利益17億円。無配。2027年6月期は売上収益2,600億〜2,900億円・コア営業利益450億円以上を想定。ZOZO・LINEヤフーとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美メルカリって、フリマアプリの手数料で稼いでいるの?

プレ男決算短信を見ると、フリマのほかに、メルペイのあと払いやメルカードの「Fintech」も伸びているんだって。海外からの購入(越境取引)も増えているみたい
企業分析の連載、216社目はメルカリです。2026年6月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年8月5日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のZOZOの強みとは・LINEヤフーの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、メルカリ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のサービスの利用をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
日本のフリマアプリ「メルカリ」(Marketplace)と、「メルペイ」「メルカード」などの決済・与信(Fintech)、米国のフリマアプリ「Mercari」を運営する会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年6月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2,293億円(過去最高) | +19.0% |
| コア営業利益(会社が重視する指標) | 442億円(過去最高) | +60.2% |
| 営業利益 | 439億円 | +57.7% |
| 営業利益率 | 19.3% | 前期 14.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 354億円 | +35.6% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 30.0% | 前期 30.5% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 18.9% | 前期 18.3% |
| 配当 | 無配 | 前期も無配 |
- コア営業利益は、営業利益からその他の収益・その他の費用を除いた、会社が重視する指標です
- 持分比率が低いのは、メルペイのあと払いなどの債権や、利用者からの預り金を多く抱えるためです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| Japan Business | Marketplace(日本のフリマ)とFintech(決済・与信・暗号資産関連) | 1,809億円(+20.7%) | 513億円(+47.2%) |
| └ Marketplace | GMV1兆2,856億円(+14.7%)、コア営業利益429億円(+40.6%) | 1,295億円 | |
| └ Fintech | 債権残高3,581億円(+44.4%)、債権回収率99.4%、コア営業利益91億円 | 512億円 | |
| US | GMV8億1,000万ドル(+11.2%)、黒字を維持 | 408億円(+12.0%) | 17億円(+125.8%) |
- 報告セグメントの利益の合計530億円のうち、約97%がJapan Businessです(計算値)
- 表のMarketplace・Fintechの売上収益は、セグメント情報の売上収益の内訳の数字です。決算短信の文中では、Fintechの売上収益は「前年同期比29.2%増の651億円」と書かれています
- GMVは流通取引総額(フリマで売り買いされた金額の合計)です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① マーケットプレイスの二桁成長
- 安心・安全な取引環境づくりなどのコア体験の強化で、お客さまの数・単価・頻度がバランスよく伸び、日本のGMVは+14.7%と、2023年6月期以来の二桁成長に戻りました
② 越境取引
- 海外からの購入(越境取引)は、エンタメ・ホビーカテゴリーの強い需要で、GMVが1,122億円(日本のMarketplaceのGMVの約9%)に成長しました。駿河屋との提携や、新しいグローバルアプリの提供も始めました
③ Fintech
- 「メルカード」の会員獲得と利用シーンの拡大で債権残高が増え、独自のAI与信による厳格な与信管理で、債権回収率は99.4%と高い水準でした
4. 弱み・リスク
① 与信のリスク
- Fintechは、あと払いやカードの債権が増えるほど、回収できないリスクも大きくなります。債権残高は3,581億円です
② 米国事業の規模
- 米国は黒字を維持したものの、セグメント利益は17億円で、グループ全体に占める割合は小さいままです
③ 無配と業績の幅
- 配当はなく、2027年6月期の売上収益は2,600億〜2,900億円と幅をもった想定です(コア営業利益は450億円以上)
5. ライバルとの比較
ネットで物を売り買いする場を運営する会社と並べます。会計基準(ZOZOは日本基準)と決算期(ほか2社は3月期)が違うので、おおまかな比較です。
| メルカリ(2026年6月期) | ZOZO(2026年3月期) | LINEヤフー(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 2,293億円(+19.0%) | 2,284億円(+7.2%) | 2兆363億円(+6.2%) |
| 営業利益 | 439億円(+57.7%) | 694億円(+7.1%) | 3,413億円(+8.3%) |
| 営業利益率 | 19.3% | 30.4% | 16.8%(計算値) |
| ROE | 30.0% | 46.6% | 6.5% |
- メルカリは成長率が高く、ROEも高い水準です(→ZOZOの強みとは、LINEヤフーの強みとは)。ネット通販とフィンテックの会社は楽天グループの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
メルカリの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年6月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 日本のMarketplaceのGMV | 1兆2,856億円(+14.7%) | 決算短信(経営成績の概況) |
| 越境取引のGMV | 1,122億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| Fintechの債権残高・回収率 | 3,581億円・99.4% | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の想定 | 2027年6月期 売上収益2,600億〜2,900億円、コア営業利益450億円以上 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美フリマだけじゃなくて、海外からの購入とあと払いが伸びているのね。債権がきちんと回収できているかも見ておきたいな
まとめ
- メルカリは、日本のフリマ(Marketplace)とFintech、米国のフリマの会社
- 2026年6月期は売上収益2,293億円(+19.0%)、営業利益439億円(+57.7%)で過去最高
- 日本のGMVは+14.7%で二桁成長に回帰、越境取引は1,122億円
- Fintechの債権残高は3,581億円、回収率99.4%
- 無配、2027年6月期はコア営業利益450億円以上を想定
参考文献
- メルカリ. 2026年6月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年8月5日). https://www2.jpx.co.jp/disc/43850/140120260804508114.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ZOZO. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/30920/140120260428513735.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- LINEヤフー. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://www.lycorp.co.jp/ja/ir/news/auto_20260507518938/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。