パーソルホールディングスの強みとは:人材派遣のStaffingと、転職支援のCareerが営業利益の約7割。2026年3月期は売上収益1兆5,558億円(+7.2%)・営業利益665億円(+15.8%)、ROE20.9%
パーソルホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益1兆5,558億円(+7.2%、全てのSBUで増収)、営業利益665億円(+15.8%、営業利益率4.3%)、調整後EBITDA882億円(+12.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益427億円(+19.0%)、ROE20.9%、親会社所有者帰属持分比率35.4%。セグメントの営業利益は、Staffing304億円(+13.0%、派遣就業者数+1.8%・請求単価+2.2%)、Career287億円(+11.9%、ハイクラス層の人材紹介が好調)、Technology87億円、BPO76億円(+80.1%)、Asia Pacific76億円(−1.6%)。年11.5円の配当、2027年3月期は営業利益710億円・年13円の予想。リクルートホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男パーソルって、派遣や転職の会社だよね

メル美決算短信を見ると、人材派遣と転職支援の2つで利益の7割くらいを出しているんだって。人手不足の中で、どちらも伸びているみたい
企業分析の連載、221社目はパーソルホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のリクルートホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、パーソルホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
日本国内で人材派遣・人材紹介などの人材サービスを幅広く手がけ、アジア・パシフィック(APAC)で人材サービスやファシリティマネジメントも行う会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆5,558億円 | +7.2% |
| 営業利益 | 665億円 | +15.8% |
| 営業利益率 | 4.3% | 前期 4.0% |
| 調整後EBITDA(会社が重視する指標) | 882億円 | +12.6% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 427億円 | +19.0% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 20.9% | 前期 18.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 35.4% | 前期 35.1% |
| 配当 | 年11.5円(配当性向59.2%) | 前期 9.5円 |
- 日本国内の人材不足が続き、顧客企業の人材需要が堅調な中で、全てのSBU(戦略事業単位)で増収でした
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| Staffing | 事務領域を中心とした人材派遣と人材紹介。派遣就業者数+1.8%、請求単価+2.2% | 6,081億円(+3.5%) | 304億円(+13.0%) |
| Career | 正社員の中途採用を支援する人材紹介・求人メディア。ハイクラス層の人材紹介が好調 | 1,529億円(+5.7%) | 287億円(+11.9%) |
| Technology | IT・エンジニアリングの設計・開発受託、技術者派遣 | 1,248億円(+8.8%) | 87億円(+13.8%) |
| BPO | 受託請負のBPO、パーソルコミュニケーションサービスを取得 | 1,431億円(+22.1%) | 76億円(+80.1%) |
| Asia Pacific | アジアの人材サービス、豪州の人材サービス・ファシリティマネジメント | 4,964億円(+4.3%) | 76億円(−1.6%) |
- セグメントの営業利益の合計831億円のうち、Staffingが約37%、Careerが約35%です(計算値。売上収益はセグメント間の取引を消去する前の数字)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 人材派遣の規模
- Staffingは、派遣就業者数と請求単価がともに上がり、生産性の向上と利益率の高い人材紹介の伸びで、営業利益+13.0%でした
② 転職支援(Career)の利益率
- Careerは、売上収益1,529億円に対して営業利益287億円で、利益率の高い事業です。年収600万円以上のハイクラス層向けの人材紹介などが好調でした
③ 高いROE
- ROEは20.9%、ROICは18.2%です
4. 弱み・リスク
① 低い営業利益率
- 人材派遣は売上が大きい一方で、全体の営業利益率は4.3%です
② 採用の慎重化
- Careerでは、顧客企業の厳選採用や転職希望者の慎重な姿勢の傾向が続いているとしています
③ 海外事業の減益
- Asia Pacificは、補助金の前年との差やシステム刷新の費用などの一時的な要因で減益でした。豪ドルの為替の影響も受けます
5. ライバルとの比較
人材サービスのリクルートホールディングスと並べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、事業の中身と規模が違うので、おおまかな比較です。
| パーソルHD | リクルートHD | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆5,558億円(+7.2%) | 3兆6,973億円(+3.9%) |
| 営業利益 | 665億円(+15.8%) | 6,305億円(+28.5%) |
| 営業利益率 | 4.3% | 17.1% |
| ROE | 20.9% | 31.0% |
- 人材派遣が中心のパーソルは、利益率が低めですが、ROEは高い水準です(→リクルートホールディングスの強みとは)。求人サービスももつ会社はカカクコムの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
パーソルHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| Staffingの派遣就業者数・請求単価 | +1.8%・+2.2% | 決算短信(セグメントの業績) |
| Careerの営業利益 | 287億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 調整後EBITDA | 882億円 | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益1兆6,650億円、営業利益710億円、当期利益445億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年11.5円、2027年3月期予想13円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男人手不足が続くと、派遣も転職支援も需要があるんだね。企業の採用が慎重になっていないかも見ておこう
求人サイトと人材紹介の会社はエン(旧・エン・ジャパン)の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- パーソルHDは、人材派遣(Staffing)と転職支援(Career)が中心の人材サービスの会社
- 2026年3月期は営業利益665億円(+15.8%)、ROE20.9%
- 営業利益の約7割がStaffingとCareer
- 全体の営業利益率は4.3%と低め
- 2027年3月期は営業利益710億円・年13円の予想
参考文献
- パーソルホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/21810/140120260514533700.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- リクルートホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://file.recruit-holdings.com/files/ja/Recruit_202603Q4_earnings_jp.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。