ファンドラップのしくみとコスト:お金を預けて運用をおまかせする「投資一任」のサービス。費用は投資信託の信託報酬に加え、ラップの手数料・投資一任の報酬の3重で、残高に対し約1〜2%。金融庁は、コスト控除後でバランス型投信に劣るものが多いと指摘
ファンドラップのしくみとコストを、金融庁「顧客本位タスクフォース 事務局説明資料」(2022年9月26日)でまとめました。ファンドラップは、顧客が金融機関と投資一任契約を結び、資産の配分や投資信託の選択・入れ替えを任せるサービスです。顧客が負担する費用は、①組み入れる投資信託の信託報酬等、②ファンドラップの手数料、③投資一任の受任料の大きく3種類で、運用資産残高に応じて徴収されるコストは約1〜2%。契約最低金額の引き下げで契約は大きく増えましたが、コスト控除後の5年間のシャープレシオを見ると、バランス型の投資信託に劣るファンドラップが依然として多く、コストが高いものほどパフォーマンスが劣る傾向があると金融庁は指摘しています。小口化・定型化でカスタマイズの余地が限られ、サービスがコストに見合っているかが課題とされています。

プレ男銀行で「プロにおまかせで運用します」っていうファンドラップを勧められたんだ。何もしなくていいなら楽そう!

メル美おまかせ料は、いくらかかるのかな? 投資信託と何がちがうんだろう
今回は、ファンドラップのしくみとコストです。金融庁「顧客本位タスクフォース 事務局説明資料」(2022年9月26日)で確認しました。
この記事はしくみの説明です。ファンドラップや特定の金融機関をすすめたり、評価したりするものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
ファンドラップとは
- 金融機関と投資一任契約を結び、資産の配分や、組み入れる投資信託の選択・入れ替えなどの運用を任せるサービスです
- 顧客の意向に応じたカスタマイズがファンドラップの特徴とされてきました
コストは「3重」
金融庁によると、ファンドラップで顧客が負担する費用は、大きく3種類あります。
| 費用 | 中身 |
|---|---|
| ① 組み入れる投資信託の信託報酬等 | 中身の投資信託にかかる費用 |
| ② ファンドラップの手数料 | ラップのサービスの費用 |
| ③ 投資一任の受任料 | 運用を任せる報酬 |
- 販売会社によっては、②と③をゼロにして、①の信託報酬等から間接的に報酬を得るものもあります
- 運用資産残高に応じて徴収されるコストは約1〜2%とされています

プレ男毎年1〜2%! 1,000万円なら10万〜20万円が、運用の成績にかかわらずかかるのか
金融庁の指摘(2022年9月)
- 「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定時と比べて、契約最低金額の引き下げが進み、契約件数と金額が大きく増加(とくに地域銀行で伸び率が大きい)
- コスト控除後の5年間のシャープレシオ(リスクあたりのリターン)を見ると、バランス型ファンドに劣るファンドラップが依然として多い
- とくにコストが高いファンドラップほど、パフォーマンスが劣る傾向がある
- 小口化と定型化で、顧客の意向に応じたカスタマイズの余地が限られ、サービスがコスト(約1〜2%)に見合っているかが課題
寄せられた声(金融庁の資料より)
- ファンドラップを解約したところ、税法上の取得価格の算出方法や、管理費用を経費にできることを理解しておらず、損をした。高い手数料を払っているのに、税金の扱いについて説明がなかった
選ぶ前に確かめたいこと
- ①〜③を合計した年間の費用はいくらか
- 似た資産配分のバランス型の投資信託やインデックス型と比べて、費用とリターンはどうか(→長期投資とインデックス投資)
- どこまで自分の意向が反映されるか
- 解約したときの税金の扱い
まとめ
- ファンドラップは、運用をおまかせする投資一任のサービス
- 費用は信託報酬+ラップ手数料+投資一任の報酬の3重で、残高に対し約1〜2%
- 金融庁は、コスト控除後にバランス型投信に劣るものが多く、コストが高いほど成績が劣る傾向と指摘
- 選ぶ前に、合計の費用とほかの商品との比較、解約時の税金を確かめる
参考文献
- 金融庁. 事務局説明資料(金融審議会 顧客本位タスクフォース、2022年9月26日 資料2). https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/kokyakuhoni_tf/siryou/20220926/02.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。