ヒューリックの強みとは:東京23区を中心に約250件のビルなどを貸す不動産事業が営業利益のほぼすべて。2025年12月期は営業収益7,274億円(+22.9%)・営業利益1,868億円(+14.3%)、営業利益率25.6%。2026年12月期も営業利益2,100億円の予想
ヒューリックを、2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月29日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益7,274億円(+22.9%)、営業利益1,868億円(+14.3%、営業利益率25.6%)、経常利益1,729億円(+12.0%、支払利息の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益1,143億円(+11.7%)、ROE13.0%、自己資本比率26.0%。中核の不動産事業は、東京23区を中心に約250件(販売用不動産を除く)・賃貸可能面積131万㎡の賃貸物件をもち、オフィスなどの賃貸収入と販売用不動産の売却で営業収益6,375億円(+20.9%)・営業利益1,981億円(+16.2%)。ホテル・旅館事業(「ふふ」「ビューホテル」など)はインバウンド需要で営業収益543億円(+10.5%)。年62円の配当(前期54円)、2026年12月期は営業利益2,100億円・当期純利益1,210億円・年67円の予想(営業収益は物件売買の変動で非開示)。東京建物・三菱地所との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ヒューリックって、銀座にビルがある会社だよね。何で稼いでいるの?

メル美決算短信を見ると、東京23区を中心に約250件の物件を貸していて、営業利益のほぼすべてが不動産事業なんだって
企業分析の連載、171社目はヒューリックです。2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月29日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東京建物の強みとは・三菱地所の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ヒューリック株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の物件やホテルをすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
東京23区を中心にオフィスなどの賃貸物件をもち、賃貸・開発・建替・販売をする不動産の会社。保険代理店、ホテル・旅館の運営も手がける
| 項目(日本基準・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 7,274億円 | +22.9% |
| 営業利益 | 1,868億円 | +14.3% |
| 営業利益率 | 25.6% | 前期 27.6% |
| 経常利益 | 1,729億円 | +12.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,143億円 | +11.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.0% | 前期 12.8% |
| 自己資本比率 | 26.0% | 前期 27.3% |
| 配当 | 年62円(配当性向41.1%) | 前期 54円 |
- 営業利益は、竣工・取得した物件によるオフィスなどの賃貸収入が安定して推移したことに加え、販売用不動産の売却益が増えて伸びました
- 経常利益の伸びが営業利益より小さいのは、支払利息の増加によるものです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 不動産 | 東京23区を中心に約250件・賃貸可能面積131万㎡の賃貸物件、開発・建替、販売用不動産 | 6,375億円(+20.9%) | 1,981億円(+16.2%) |
| ホテル・旅館 | 「THE GATE HOTEL」「ビューホテル」「ふふ」などの運営 | 543億円(+10.5%) | 17億円(−0.3%) |
| その他 | ビルの営繕・内装工事、進学学習指導など | 456億円(+76.8%) | 21億円(−4.2%) |
| 保険 | 保険代理店 | 39億円(+6.2%) | 11億円(+9.3%) |
- セグメントの営業利益の合計2,030億円のうち、不動産が約98%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 東京の賃貸物件
- 東京23区を中心に約250件・131万㎡の賃貸物件をもち、オフィスなどの賃貸収入が安定しています。会社は、競争優位性のある物件への継続的な入れ替えを進めているとしています
② 開発と売却
- 銀座・心斎橋・自由が丘などで開発・建替計画を進めています。開発した物件の売却などの「出口戦略」で、開発利益と運用報酬も得ています
③ 高い利益率
- 営業利益率は25.6%、ROEは13.0%です
4. 弱み・リスク
① 金利の上昇
- 借入金残高は1兆6,074億円で、支払利息の増加で経常利益の伸びが営業利益より小さくなりました
② 物件売買の変動
- 会社は、販売用不動産の売買の動向で営業収益が大きく変動し、予測が難しいとして、2026年12月期の営業収益の予想を開示していません
③ 低い自己資本比率
- 自己資本比率は26.0%です
5. ライバルとの比較
不動産の会社と並べます。いずれも日本基準ですが、決算期(三菱地所は3月期)が違うので、おおまかな比較です。
| ヒューリック(2025年12月期) | 東京建物(2025年12月期) | 三菱地所(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 7,274億円(+22.9%) | 4,746億円(+2.3%) | 1兆7,461億円(+10.5%) |
| 営業利益 | 1,868億円(+14.3%) | 958億円(+20.2%) | 3,297億円(+6.6%) |
| 営業利益率 | 25.6% | 20.2% | 18.9% |
| ROE | 13.0% | 10.4% | 8.5% |
| 自己資本比率 | 26.0% | 26.0% | 31.4% |
- 営業利益率とROEはヒューリックが高い水準です(→東京建物の強みとは、三菱地所の強みとは)。REITのしくみはJ-REIT(上場不動産投資信託)のしくみも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ヒューリックの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 不動産事業の営業利益 | 1,981億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 営業利益と経常利益の差(支払利息) | 1,868億円と1,729億円 | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 営業利益2,100億円、経常利益1,850億円、当期純利益1,210億円(営業収益は非開示) | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年62円、2026年12月期予想67円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男東京のビルの賃貸と売却で、高い利益率なんだね。金利が上がったときに利息がどれくらい増えるかを見ておこう
まとめ
- ヒューリックは、東京23区を中心とした賃貸物件の不動産事業が中心の会社
- 2025年12月期は営業利益1,868億円(+14.3%)、営業利益率25.6%
- 営業利益の約98%が不動産事業
- 支払利息の増加と、物件売買による収益の変動に注意
- 2026年12月期は営業利益2,100億円・年67円の予想
参考文献
- ヒューリック. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月29日). https://www2.jpx.co.jp/disc/30030/140120260128539955.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東京建物. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/88040/140120260210554860.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 三菱地所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/88020/140120260512526167.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。