クボタの強みとは:トラクタなどの農業機械・エンジン・建設機械の「機械部門」が売上の87%、海外売上高比率は77.3%。2025年12月期は売上高3兆189億円、米国関税の影響などで営業利益2,655億円(−15.9%)。水道管などの「水・環境部門」は35.9%の増益
クボタを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で分析しました。売上高3兆189億円(+0.1%)、営業利益2,655億円(−15.9%、営業利益率8.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,867億円(−19.0%)、ROE7.3%、親会社所有者帰属持分比率42.3%。海外売上高比率77.3%、仕向地別では北米が1兆2,185億円で最大(うち米国1兆1,230億円)。機械部門(農業機械・エンジン・建設機械)は売上高2兆6,286億円・セグメント利益2,536億円(−21.6%、米国関税によるコスト増、減販損、販売構成の悪化)。水・環境部門(ダクタイル鉄管などのパイプシステム、産業機材、環境プラント)は3,744億円・330億円(+35.9%)。インドは新製品とGST引き下げで販売が増加、タイは作物価格の低迷と洪水で減少。年50円の配当、2026年12月期は増販益で営業利益3,000億円(+13.0%)・年52円の予想。コマツとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男クボタって、田んぼで見るトラクタの会社だよね。日本の農家向けで稼いでいるの?

メル美決算短信を見ると、売上の4分の3以上が海外なんだって。いちばん大きいのは北米よ
企業分析の連載、88社目はクボタです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。比較には、この連載のコマツ(小松製作所)の強みとはで確認したコマツの数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、クボタ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
トラクタなどの農業機械、エンジン、建設機械を世界で売り、国内では水道管(ダクタイル鉄管)などの水・環境の事業も手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3兆189億円 | +0.1% |
| 営業利益 | 2,655億円 | −15.9% |
| 営業利益率 | 8.8% | 前期 10.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,867億円 | −19.0% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.3% | 前期 9.9% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 42.3% | 前期 41.2% |
| 海外売上高比率 | 77.3% | 前期より1.7ポイント低下 |
| 配当 | 年50円(配当性向30.6%) | 前期 50円 |
- 営業利益は、主に米国関税の影響によるコスト増、機械部門の減販損や販売構成の悪化で減りました。会社は、インセンティブ(販売奨励金)の削減、価格改定、固定費の削減などで、コストの吸収が順調に進んでいるとしています
2. 何で稼いでいるか
| 部門 | 中身(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 機械 | 農業機械・農業関連商品、エンジン、建設機械 | 2兆6,286億円(−0.3%) | 2,536億円(−21.6%) |
| 水・環境 | パイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管など)、産業機材、環境プラント・ポンプ | 3,744億円(+3.2%) | 330億円(+35.9%) |
| その他 | 各種サービス事業 | 159億円 | 8億円 |
- 機械部門が売上高の87.1%を占めます。製品別では、農機・エンジンが2兆33億円(全体の66.4%)、建設機械が6,253億円(20.7%)です
仕向地別の売上高
| 地域 | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 北米 | 1兆2,185億円 | −4.2% |
| 日本 | 6,852億円 | +8.3% |
| アジア(日本を除く) | 6,725億円 | −1.2% |
| 欧州 | 3,490億円 | +4.5% |
- 北米に含まれる米国向けの売上高は1兆1,230億円で、計算すると全体の約37%です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 世界中での販売
- 北米・欧州・アジアで販売しています。インドでは、新製品の導入と税制優遇(GSTの引き下げ)で農業市場が好調で、販売が増えました
② 水・環境部門の伸び
- 価格改定の効果や増販益で、セグメント利益は+35.9%でした。国内売上高は3,144億円(+3.5%)です
③ コストの吸収
- 関税の影響に対して、インセンティブの削減や価格改定、固定費の削減で、コストの吸収が順調に進んでいるとしています
4. 弱み・リスク
① 米国への依存と関税
- 米国向けの売上が大きく、米国関税の影響でコストが増えました。会社は、2026年12月期も関税の影響やインフレによるコストアップ、為替変動などによる減益の影響を見込んでいます
② 北米・アジアの市況
- 北米では、トラクタ市場が全体として落ち込み、在庫削減もあって販売が減りました。タイでは、作物価格の低迷と洪水で販売が減りました
5. ライバルとの比較
建設機械で重なるコマツと比べます。決算期(コマツは3月期)と会計基準(コマツは米国基準)が違い、クボタは農業機械が中心なので、おおまかな比較です。
| クボタ(2025年12月期) | コマツ(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 3兆189億円(+0.1%) | 4兆1,328億円(+0.7%) |
| 営業利益 | 2,655億円(−15.9%) | 5,673億円(−13.7%) |
| 営業利益率 | 8.8% | 13.7% |
| ROE | 7.3% | 11.3% |
- どちらも、米国関税などの影響で減益でした(→コマツ(小松製作所)の強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
クボタの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 機械部門のセグメント利益 | 2,536億円 | 決算短信(部門別の概況) |
| 北米・米国向けの売上高 | 1兆2,185億円・1兆1,230億円 | 決算短信(地域別情報) |
| 海外売上高比率 | 77.3% | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高3兆1,500億円、営業利益3,000億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年50円、2026年12月期予想52円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美日本の田んぼのイメージだったけど、稼ぎの中心は北米なのね。関税の影響をどこまで吸収できるかを見ておきたいな
まとめ
- クボタは、農業機械・エンジン・建設機械を世界で売り、水・環境の事業も持つ会社
- 2025年12月期は売上高3兆189億円、営業利益2,655億円(−15.9%)
- 海外売上高比率は77.3%、最大は北米
- 減益の理由は米国関税、減販損、販売構成の悪化
- 2026年12月期は増販益で営業利益3,000億円の予想
参考文献
- クボタ. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.kubota.co.jp/ir/financial/release/data/136q4.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 小松製作所. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.komatsu.jp/ja/-/media/home/ir/library/financial/ja/2603q4_j.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。