コマツ(小松製作所)の強みとは:油圧ショベルなどの建設機械と、鉱山の大型ダンプ・無人運行システム。2026年3月期は売上高4兆1,328億円・営業利益5,673億円(−13.7%)で、売上の9割以上が海外。米国の関税などのコスト増で建設機械は減益
コマツ(小松製作所)を、2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年4月28日)で分析しました。売上高4兆1,328億円(+0.7%)、営業利益5,673億円(−13.7%、営業利益率13.7%)、当社株主に帰属する当期純利益3,764億円(−14.4%)、ROE11.3%、株主資本比率54.7%。建設機械・車両部門は売上高3兆8,060億円・セグメント利益4,911億円(−18.0%)で、販売量は減ったものの販売価格の改善で増収、コスト増と販売量減少で減益。地域別では北米1兆472億円、中南米7,769億円(銅需要で鉱山機械が増加)、アジア(日本・中国を除く)3,349億円(インドネシアの石炭価格低迷で−32.9%)。無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数は1,016台。2027年3月期は米国の関税政策の影響を含む原価の上昇などで営業利益5,080億円・年190円の予想。キャタピラーとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男工事現場の黄色いショベルカーって、コマツが多いよね。日本で一番売れてるの?

メル美海外の鉱山で、無人で走る巨大なダンプもつくってるって聞いたよ
企業分析の連載、39社目はコマツ(小松製作所)です。2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。比較には、米国の建設・鉱山機械大手キャタピラーの2025年の決算発表(2026年1月29日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、コマツ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
油圧ショベルなどの建設機械と、鉱山の大型機械を世界で売り、その販売金融や産業機械も手がける会社
| 項目(米国基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4兆1,328億円 | +0.7% |
| 営業利益 | 5,673億円 | −13.7% |
| 営業利益率 | 13.7% | 前期 16.0% |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 3,764億円 | −14.4% |
| ROE(株主資本当社株主に帰属する当期純利益率) | 11.3% | 前期 14.2% |
| 株主資本比率 | 54.7% | 前期 55.0% |
| 配当 | 年190円(配当性向45.9%) | 前期 190円 |
2. 何で稼いでいるか
| 部門 | 売上高 | セグメント利益 | 前期比(利益) |
|---|---|---|---|
| 建設機械・車両 | 3兆8,060億円 | 4,911億円 | −18.0% |
| リテールファイナンス | 1,261億円 | 366億円 | +24.4% |
| 産業機械他 | 2,388億円 | 379億円 | +38.5% |
- 利益のほとんどは建設機械・車両です。産業機械他は、自動車産業向けの大型プレスや、半導体産業向けのエキシマレーザー関連のメンテナンスが伸びました
建設機械・車両の地域別売上高(外部顧客向け)
| 地域 | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 北米 | 1兆472億円 | +2.0% |
| 中南米 | 7,769億円 | +13.7% |
| オセアニア | 4,716億円 | +2.3% |
| 欧州 | 3,438億円 | +10.8% |
| アジア(日本・中国を除く) | 3,349億円 | −32.9% |
| 日本 | 3,145億円 | −4.6% |
| アフリカ | 2,563億円 | +15.9% |
| 中国 | 757億円 | −5.5% |
- 日本は約8%で、9割以上が海外です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 鉱山機械と無人運行
- 鉱山向けの無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数は、2026年3月末に1,016台
- 中南米では、銅の需要が堅調でチリなどの鉱山機械の販売が増えました
② ICTを使った建設
- 建設現場向けの施工管理ソリューション「スマートコンストラクション」を進め、日米欧豪のICT建機化率は28.7%
③ 価格の改善
- 販売量は減ったものの、販売価格の改善で建設機械・車両の売上は前期を上回りました
4. 弱み・リスク
① コスト増と関税
- 建設機械・車両は、コスト増と販売量の減少で18.0%の減益。2027年3月期は「米国の関税政策の影響を含む原価の上昇」などで、営業利益5,080億円(−10.5%)の予想です
② 資源価格
- アジアでは、インドネシアの石炭価格の低迷で鉱山機械の需要が減り、売上が32.9%減りました。鉱山機械は資源価格に左右されます
③ 中国の不動産
- 中国は不動産市況の低迷と鉱山機械の需要減で減収でした
5. ライバルとの比較
建設・鉱山機械の世界最大手、米国のキャタピラーと比べます。決算期(キャタピラーは12月期)・会計基準・通貨が違うので、おおまかな比較です。
| コマツ(2026年3月期) | キャタピラー(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 4兆1,328億円(+0.7%) | 676億ドル(+4%) |
| 営業利益率 | 13.7%(前期16.0%) | 16.5%(前期20.2%) |
| 減益の理由 | コスト増、販売量の減少 | 製造コスト(主に関税)の上昇など |
- 両社とも営業利益率が下がりました。キャタピラーも、製造コストの上昇の多くが関税の引き上げによるとしています
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
コマツの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 建設機械・車両のセグメント利益 | 4,911億円 | 決算短信 |
| 地域別売上高(北米・中南米・アジア) | 北米1兆472億円 | 決算短信 |
| 営業利益率 | 13.7% | 決算短信のサマリー |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高4兆1,180億円、営業利益5,080億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年190円、2027年3月期予想190円 | 決算短信 |
- 2026年4月28日に自己株式の取得と消却を決議しています(→自社株買いのしくみ)
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。資源の動きは三井物産の強みとはもあわせて

メル美工事現場だけじゃなく、世界の鉱山でも稼いでいるんだ。銅や石炭の値段、関税のニュースとも関係があるのね
農業機械が中心の会社はクボタの強みとはも参考にしてください。
建設機械の会社は日立建機の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- コマツは、建設機械と鉱山機械を世界で売る会社
- 2026年3月期は売上高4兆1,328億円、営業利益5,673億円(−13.7%)
- 建設機械・車両の売上は9割以上が海外(北米が最大)
- 強みは鉱山の無人運行(AHS 1,016台)、ICT建機、価格の改善
- 課題は関税を含むコスト増、資源価格、中国の不動産
参考文献
- 小松製作所. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年4月28日). https://www.komatsu.jp/ja/-/media/home/ir/library/financial/ja/2603q4_j.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- Caterpillar Inc. Caterpillar Reports Fourth-Quarter and Full-Year 2025 Results(2026年1月29日). https://investors.caterpillar.com/news/news-details/2026/Caterpillar-Reports-Fourth-Quarter-and-Full-Year-2025-Results/default.aspx (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。