企業分析2026年10月10日

ヤマハ発動機の強みとは:二輪車(バイク)が中心の「ランドモビリティ」と、船外機などの「マリン」の2本柱。2025年12月期は米国の関税や減損で営業利益1,264億円(−30.4%)、繰延税金資産の取り崩しで純利益161億円(−85.1%)

ヤマハ発動機を、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で分析しました。売上収益2兆5,342億円(−1.6%)、営業利益1,264億円(−30.4%、営業利益率5.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益161億円(−85.1%)、ROE1.4%。営業利益は米国の関税、調達コストの上昇、販管費の増加、アウトドアランドビークル(OLV)事業の減損で減り、純利益は繰延税金資産の取り崩しも重なりました。セグメントはランドモビリティ(二輪車など。売上収益1兆6,151億円、営業利益1,087億円、インドネシア・フィリピン・タイで販売増)、マリン(船外機など。5,276億円、536億円、−39.0%)、OLV(営業損失398億円)、ロボティクス(半導体製造後工程装置が伸長、営業損失6億円)、金融サービス(211億円)。年35円の配当(配当性向211.0%)、2026年12月期は営業利益1,800億円(+42.4%)・年50円の予想。ホンダ・スズキの二輪との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男ヤマハって、ピアノの会社とバイクの会社があるよね? どっちも同じ会社なの?

メル美バイクのほうは「ヤマハ発動機」だよ。ボートのエンジンもつくってるんだって

企業分析の連載、66社目はヤマハ発動機です。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で確認しました。比較には、この連載のホンダの強みとはとスズキの強みとはで確認した二輪の数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ヤマハ発動機株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

二輪車(バイク)を中心に、船外機・ボート、四輪バギー・ゴルフカー、産業用ロボットなどをつくる会社

項目(IFRS・連結) 2025年12月期 前期比
売上収益 2兆5,342億円 −1.6%
営業利益 1,264億円 −30.4%
営業利益率 5.0% 前期 7.0%
親会社の所有者に帰属する当期利益 161億円 −85.1%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 1.4% 前期 9.7%
親会社所有者帰属持分比率 39.0% 前期 41.7%
配当 年35円(配当性向211.0%) 前期 50円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な製品(決算短信の記載から) 売上収益 営業利益
ランドモビリティ 二輪車、電動アシスト自転車など 1兆6,151億円(+0.3%) 1,087億円(+4.7%)
マリン 船外機、ウォータービークル、ボート 5,276億円(−1.9%) 536億円(−39.0%)
金融サービス 製品の販売金融・リース 1,140億円 211億円
ロボティクス サーフェスマウンター、半導体製造後工程装置、産業用ロボット 1,115億円 −6億円
アウトドアランドビークル(OLV) 四輪バギー、ROV、ゴルフカー 1,485億円(−17.2%) −398億円

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 新興国の二輪車

② 船外機

③ 半導体の後工程装置

4. 弱み・リスク

① 米国の関税と米国の需要

② 戦略事業の赤字

③ ベトナムの生産・出荷停止

④ 配当性向

5. ライバルとの比較

二輪車の大手、ホンダ・スズキと比べます。決算期(両社は3月期)と事業の区分が違うので、おおまかな比較です。

ヤマハ発動機(2025年12月期) ホンダ(2026年3月期) スズキ(2026年3月期)
二輪の営業利益 ランドモビリティ 1,087億円 二輪 7,319億円 二輪 448億円
全社の営業利益 1,264億円 −4,143億円(損失) 6,229億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ヤマハ発動機の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2025年12月期 どこに書いてある
ランドモビリティ・マリンの営業利益 1,087億円・536億円 決算短信(セグメント)
OLVの営業損益 −398億円 決算短信
会社の業績予想 2026年12月期 売上収益2兆7,000億円、営業利益1,800億円、純利益1,000億円 決算短信のサマリー
配当 年35円、2026年12月期予想50円 決算短信

メル美バイクと船外機が稼ぎの中心で、アメリカ向けのバギーやゴルフカーは赤字だったのね。2026年は減損がなくなる分、回復を見込んでいるんだ

まとめ


参考文献

  1. ヤマハ発動機. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/library/report/pdf/2025/2025report.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 本田技研工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://global.honda/jp/investors/library/filings/auto_20260513531560/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  3. スズキ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www.suzuki.co.jp/ir/library/financialaffairs/pdf/2026_fin/financialaffairs.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。