スズキの強みとは:軽自動車の国内販売1位と、四輪の世界販売332万台の半分以上を占めるインド(マルチ・スズキ)。2026年3月期は売上収益6兆2,930億円(+8.0%)、営業利益6,229億円(−3.1%)。人と技術への投資を増やして減益
スズキを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)と決算説明会資料で分析しました。売上収益6兆2,930億円(+8.0%)、営業利益6,229億円(−3.1%、営業利益率9.9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益4,393億円(+5.6%)、ROE13.8%。インドではGST(物品・サービス税)の改定で市場が想定以上に活発になり、生産・物流を柔軟に見直して販売が堅調。営業利益は、原材料価格の上昇を販売台数の増加・車種構成の改善・原価低減で上回ったものの、人財や技術への投資を拡大して減益。セグメントは四輪(売上収益5兆7,064億円、営業利益5,476億円)、二輪(4,545億円、448億円、+9.7%)、マリン(1,195億円、266億円、米国関税で−13.0%)。四輪の世界販売は332万台で、うちインド186万台、日本73万台。国内の軽自動車販売台数は3年連続1位(2025年度シェア33.0%)。年46円の配当、2027年3月期は営業利益5,700億円(−8.5%)・年51円の予想。ホンダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男スズキといえば軽自動車だよね

メル美でも、一番たくさん売れているのはインドなんだって
企業分析の連載、61社目はスズキです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)と決算説明会資料で確認しました。比較には、この連載のホンダの強みとはで確認したホンダの数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、スズキ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の車の購入をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
軽自動車・小型車を日本とインドを中心に売り、バイク(二輪)と船外機(マリン)もつくる会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 6兆2,930億円 | +8.0% |
| 営業利益 | 6,229億円 | −3.1% |
| 営業利益率 | 9.9% | 前期 11.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,393億円 | +5.6% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 13.8% | 前期 14.6% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 51.0% | 前期 49.6% |
| 配当 | 年46円(配当性向20.2%) | 前期 41円 |
- 増収の主な理由は、インドのGST(物品・サービス税)の改定で市場が想定以上に活発になり、生産と物流を見直して需要の増加にすばやく対応したことです
- 営業利益は、原材料価格の上昇を、販売台数の増加・車種構成の改善・原価低減で上回ったものの、人財や技術への投資を増やしたため減益でした
- 会社は中期経営計画で、2030年度に売上高8兆円・営業利益率10.0%・ROE13.0%を目標にしています
2. 何で稼いでいるか
セグメント別
| セグメント | 中身 | 売上収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 四輪 | 軽自動車、小型自動車、普通自動車 | 5兆7,064億円(+7.6%) | 5,476億円(−3.5%) |
| 二輪 | 二輪車、バギー | 4,545億円(+14.2%) | 448億円(+9.7%) |
| マリン | 船外機 | 1,195億円(+8.9%) | 266億円(−13.0%) |
- 利益のほとんどが四輪です
四輪の地域別の販売台数(決算説明会資料)
| 地域 | 販売台数 | 前期比 |
|---|---|---|
| インド | 186万2千台 | +3.7% |
| 日本 | 72万5千台 | +1.0% |
| アジア(インドを除く) | 21万3千台 | +15.6% |
| 欧州 | 18万7千台 | −15.1% |
| その他(中南米・アフリカなど) | 33万4千台 | +3.1% |
| 世界合計 | 332万台 | +2.4% |
- 四輪の世界販売の半分以上(約56%)がインドです
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① インドでの販売
- インドでは、子会社のマルチ・スズキ・インディアが四輪を販売しています。GSTの改定で需要が増えたときに、生産と物流を柔軟に見直して対応しました。会社は、インドの需要拡大に応える生産能力の増強を進めるとしています
② 日本の軽自動車
- 2025年度の軽自動車の国内販売台数は1位(シェア33.0%)で、2023年度から3年連続です。登録車の販売台数も16万8千台で過去最高でした
③ 二輪の伸び
- 二輪は、インドやコロンビアなどで販売が伸び、増収増益でした
4. 弱み・リスク
① インドへの集中
- 販売台数の半分以上がインドで、インドの景気や税制の変化の影響を大きく受けます
② 原材料価格と投資
- 2027年3月期は、四輪の販売台数355万台(+7.1%)を見込むものの、原材料価格の高騰などで、営業利益5,700億円(−8.5%)の予想です
③ 米国の関税と欧州
- マリン事業は米国の関税の影響で減益でした。四輪の欧州の販売台数は15.1%減りました
5. ライバルとの比較
同じく四輪と二輪を持つホンダと比べます。どちらもIFRS・2026年3月期です。
| スズキ | ホンダ | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 6兆2,930億円(+8.0%) | 21兆7,966億円(+0.5%) |
| 営業利益 | 6,229億円(−3.1%) | −4,143億円(損失) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 4,393億円 | −4,239億円(損失) |
| 二輪の営業利益 | 448億円 | 7,319億円 |
- ホンダは北米などのEV計画の見直しで大きな損失を出し、スズキは黒字を保ちました。二輪の規模はホンダがはるかに大きいです(→ホンダの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
スズキの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 四輪のインドの販売台数 | 186万2千台 | 決算説明会資料 |
| 四輪の営業利益 | 5,476億円 | 決算短信(セグメント) |
| 中期経営計画の進み具合 | 営業利益率9.9%、ROE13.8%(目標は10.0%・13.0%) | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益6兆8,000億円、営業利益5,700億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年46円、2027年3月期予想51円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。自動車の会社はトヨタの強みとはも

プレ男日本の軽自動車で1位なのに、売れている台数はインドのほうが2倍以上多いんだ。インドのニュースもチェックしなきゃ
まとめ
- スズキは、軽自動車・小型車を中心に、二輪と船外機もつくる会社
- 2026年3月期は売上収益6兆2,930億円(+8.0%)、営業利益6,229億円(−3.1%)
- 四輪の世界販売332万台の半分以上がインド
- 国内の軽自動車販売台数は3年連続1位
- 2027年3月期は原材料価格の高騰などで営業利益5,700億円の予想
参考文献
- スズキ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www.suzuki.co.jp/ir/library/financialaffairs/pdf/2026_fin/financialaffairs.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- スズキ. 2026年3月期 決算説明会資料. https://www.suzuki.co.jp/ir/library/financialaffairs/pdf/2026_fin/presentation.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 本田技研工業. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://global.honda/jp/investors/library/filings/auto_20260513531560/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。