マネックスグループの強みとは:米国のTradeStation、暗号資産のコインチェック、資産運用をもつ金融の会社。2026年3月期は税引前利益158億円で黒字に転換。前期のコインチェックの上場費用がなくなった
マネックスグループを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益836億円(+13.3%)、税引前利益158億円(前期は46億円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益109億円(前期は51億円の損失)、ROE8.7%、親会社所有者帰属持分比率16.9%。セグメントの税引前利益は、証券事業117億円(+9.4%、米国のTradeStationが過去最高の営業収益、マネックス証券は持分法)、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業61億円(成功報酬が増加)、クリプトアセット事業は5億円の損失(コインチェックの取引所売買代金4兆1,294億円、−21.3%)。前期にはCoincheck Group N.V.のNASDAQ上場関連費用137億円がありました。年30.7円の配当、業績予想は非開示。松井証券・GMOインターネットグループとの比較と、見ておくべき数字も。売買や証券会社・暗号資産交換業者の選択をすすめるものではありません。

プレ男マネックスって、ネット証券の会社だよね?

メル美決算短信だと、いちばん稼いでいるのはアメリカの証券会社なんだって。暗号資産のコインチェックや、資産運用の会社もあるみたい
企業分析の連載、248社目はマネックスグループです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の松井証券の強みとは・GMOインターネットグループの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、マネックスグループ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の証券会社や暗号資産交換業者をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
米国のオンライン証券「TradeStation」などの証券事業、暗号資産取引所「コインチェック」などのクリプトアセット事業、資産運用・プライベートバンキングの事業、投資事業をもつ金融グループ
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 836億円 | 738億円(+13.3%) |
| 税引前利益 | 158億円 | −46億円(損失) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 109億円 | −51億円(損失) |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 8.7% | −4.0% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 16.9% | 17.5% |
| 配当 | 年30.7円(配当性向70.7%) | 40.3円 |
- 前期には、Coincheck Group N.V.の米国NASDAQへの上場にかかる一過性の費用(137億円)がありました。それがなくなり、黒字になりました
- 業績予想は、市場環境の影響を受け予想が難しいとして開示していません
2. 何で稼いでいるか
セグメントの利益は、税引前の利益です。2026年3月期から、セグメントの区分を変えました。
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 営業収益 | 税引前利益 |
|---|---|---|---|
| 証券 | TradeStationは過去最高の営業収益、DARTs(1日の収益を伴う約定件数)23.8万件(+5.9%)。マネックス証券(持分法)の利益も | 545億円(+4.9%) | 117億円(+9.4%) |
| AM・WM | 資産運用の成功報酬が増加、米国の運用会社Westfieldを持分法に | 77億円(+123.0%) | 61億円 |
| クリプトアセット | コインチェックの取引所売買代金4兆1,294億円(−21.3%)、ステーキング収益 | 176億円(+9.7%) | −5億円(損失) |
- マネックス証券は、持分法を適用する関連会社(当社の持分は約51%)です。同社の不正アクセス関連の補償費用なども、持分法の利益にふくまれています
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 米国の証券事業
- 米国のTradeStationは、アクティブトレーダー層を主な顧客とし、取引の増加と有価証券貸借取引の収益で、過去最高の営業収益でした
② 事業の分散
- 証券、暗号資産、資産運用と、性格のちがう事業をもっています。2026年3月期は、暗号資産が減収でも、資産運用の成功報酬などが伸びました
③ 前期の一過性費用がなくなった
- 前期のコインチェックの上場関連費用がなくなり、税引前利益は158億円の黒字になりました
4. 弱み・リスク
① 暗号資産の相場
- コインチェックの業績は、主に販売所の売買動向に左右されます。2026年3月期は、取引所・販売所とも売買代金が減りました(→暗号資産の口座は1,447万、動いている口座は898万(2026年8月末))
② 為替
- TradeStationは米ドルで稼ぐため、円高になると円に直した数字が小さくなります。2026年3月期は、米ドルの対円レートが0.9%円高でした
③ 業績予想を出していない
- 市場環境の影響が大きいとして、業績予想を開示していません
5. ライバルとの比較
個人向けの金融サービスをもつ会社と並べます。会計基準・決算期・事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| マネックスG(2026年3月期、IFRS) | 松井証券(2026年3月期、非連結) | GMOインターネットG(2025年12月期) | |
|---|---|---|---|
| 営業収益(売上高) | 836億円 | 527億円 | 2,856億円 |
| 利益 | 158億円(税引前) | 238億円(経常) | 528億円(経常) |
| ROE | 8.7% | 19.6% | 17.1% |
- 個人投資家向けの国内の証券会社は松井証券の強みとは、FXや暗号資産もあるネットの会社はGMOインターネットグループの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
マネックスグループの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 証券事業の税引前利益 | 117億円 | 決算短信(セグメント別の状況) |
| TradeStationのDARTs | 23.8万件(+5.9%) | 決算短信(証券事業) |
| コインチェックの売買代金 | 取引所4兆1,294億円、販売所3,126億円 | 決算短信(クリプトアセット事業) |
| 会社の業績予想 | 非開示 | 決算短信 |
| 配当 | 年30.7円、2027年3月期予想30.8円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男アメリカの証券、暗号資産、資産運用と、いろいろな事業があるんだね。暗号資産は相場しだいなのも覚えておこう
まとめ
- マネックスグループは、米国の証券(TradeStation)、暗号資産(コインチェック)、資産運用の金融グループ
- 2026年3月期は税引前利益158億円で黒字に転換
- 稼ぎ頭は証券事業(117億円)
- クリプトアセットは売買代金が減り、5億円の損失
- 業績予想は非開示、配当は年30.8円の予想
参考文献
- マネックスグループ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/86980/140120260512524865.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 松井証券. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)(2026年4月27日). https://www2.jpx.co.jp/disc/86280/140120260424510220.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- GMOインターネットグループ. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月12日). https://ir.group.gmo/pdf/presen/GMO_FY25_Q4_Consolidated_Results_Statement_260212.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。