森永製菓の強みとは:「ハイチュウ」「ダース」などの菓子、「バニラモナカジャンボ」などのアイス、「inゼリー」。米国の「HI-CHEW」も。2026年3月期は営業利益224億円(+5.3%)、菓子食品は利益が2倍に、米国は関税などで減益
森永製菓を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2,367億円(+3.4%)、営業利益224億円(+5.3%、営業利益率9.5%)、経常利益227億円(+1.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益178億円(+0.3%)、ROE13.0%、自己資本比率62.8%。事業別の営業利益は、菓子食品82億円(+108.4%、価格改定とコストダウン)、inゼリーなどのin事業59億円(−19.3%)、冷菓50億円(+16.5%)、米国13億円(−57.3%、競争激化と関税)、通販7億円、中国・台湾・輸出等6億円。米国では第2工場を建設中。年65円の配当(配当性向30.8%)、2027年3月期は売上高2,570億円・営業利益228億円・年70円の予想。カルビーとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美森永製菓って、ハイチュウの会社だよね

プレ男決算短信だと、アイスやinゼリー、アメリカの「HI-CHEW」もあるんだって。2026年3月期は、国内の菓子の利益が2倍になったみたい
企業分析の連載、240社目は森永製菓です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のカルビーの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、森永製菓株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものではなく、食品の健康効果についてはふれません。
1. ひとことで言うと
菓子(ビスケット・キャンディ・チョコレートなど)、冷菓(アイス)、ゼリー飲料などの「in事業」、通販、米国・中国・台湾の事業をもつ食品の会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,367億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 224億円 | +5.3% |
| 営業利益率 | 9.5% | 前期 9.3% |
| 経常利益 | 227億円 | +1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 178億円 | +0.3% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 13.0% | 前期 13.5% |
| 自己資本比率 | 62.8% | 前期 62.3% |
| 配当 | 年65円(配当性向30.8%) | 前期 60円 |
- 原材料価格の高騰や物流費の増加がありましたが、増収と価格改定・コストダウンで増益になりました
2. 何で稼いでいるか
報告セグメントは「食料品製造」「食料卸売」「不動産及びサービス」で、食料品製造が売上高の大部分です。決算短信の事業別の数字は次のとおりです。
| 事業 | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 菓子食品 | 森永ビスケット・チョコボール・森永ココアなどが前年を上回る。価格改定・内容量の見直し | 890億円(+5.4%) | 82億円(+108.4%) |
| in事業 | inゼリーの基幹品が苦戦、inバーも前年を下回る | 300億円(−4.4%) | 59億円(−19.3%) |
| 冷菓 | ジャンボ・板チョコアイス・ザ・クレープなどが好調 | 535億円(+8.4%) | 50億円(+16.5%) |
| 米国 | HI-CHEWが競争激化で前年を下回る。関税の影響、販促費の増加 | 202億円(−3.5%) | 13億円(−57.3%) |
| 通販 | 広告投資をおさえて増益 | 107億円(−3.9%) | 7億円(+49.4%) |
| 中国・台湾・輸出等 | 中国のHI-CHEW、台湾のinゼリーが好調 | 105億円(+15.7%) | 6億円(+14.7%) |
| 事業子会社等 | — | 113億円(+0.3%) | 7億円(+106.9%) |
- 食料品製造セグメントの売上高は2,252億円、セグメント利益は223億円(+12.4%)です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 価格改定とコストダウン
- 菓子食品は、原材料価格の高騰を、増収と価格改定・コストダウンで打ち返し、営業利益は前年の約2倍になりました
② 長く売れているブランド
- 「ハイチュウ」(発売50周年)、「森永ビスケット」「ダース」「チョコボール」、アイスの「ジャンボ」グループなど、定番の商品が多くあります
③ 海外の HI-CHEW
- 米国に加えて、中国では「HI-CHEW」が店舗・ネット販売とも伸びました。米国では第2工場を建設しています
4. 弱み・リスク
① 米国事業の減益
- 米国は、インフレによる消費の低迷、カカオ高騰を背景に大手菓子メーカーがキャンディに力を入れたことによる競争激化、米国の関税政策の影響などで、営業利益が−57.3%でした
② in事業の苦戦
- inゼリーの基幹品の苦戦などで、in事業は減収減益でした
③ 原材料・物流費
- 原材料価格の高騰と物流費の増加が続いています。2027年3月期は、当期純利益165億円(−7.1%)の予想です
5. ライバルとの比較
菓子のカルビーと並べます。主な商品(カルビーはスナック菓子)が違うので、おおまかな比較です。どちらも2026年3月期です。
| 森永製菓 | カルビー | |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,367億円(+3.4%) | 3,402億円(+5.5%) |
| 営業利益 | 224億円(+5.3%) | 262億円(−10.0%) |
| 営業利益率 | 9.5% | 7.7% |
| ROE | 13.0% | 8.3% |
| 自己資本比率 | 62.8% | 64.3% |
- スナック菓子の会社はカルビーの強みとは、カレーなどの食品はハウス食品グループ本社の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
森永製菓の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 菓子食品の営業利益 | 82億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 米国事業の営業利益 | 13億円(−57.3%) | 決算短信(セグメントの業績) |
| in事業の売上高 | 300億円(−4.4%) | 決算短信(セグメントの業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,570億円、営業利益228億円、当期純利益165億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年65円、2027年3月期予想70円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男国内の菓子は値上げで持ち直したけど、アメリカは苦戦しているんだね。第2工場の行方も見ておこう
まとめ
- 森永製菓は、菓子・アイス・inゼリーと米国のHI-CHEWの会社
- 2026年3月期は営業利益224億円(+5.3%)
- 菓子食品は価格改定とコストダウンで利益が約2倍
- 米国は競争激化と関税で営業利益−57.3%
- 2027年3月期は営業利益228億円・年70円の予想
参考文献
- 森永製菓. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22010/140120260508520241.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カルビー. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/22290/140120260513530401.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。