ニッスイの強みとは:漁業・養殖・水産物の加工と、冷凍食品・ちくわ・コンビニの弁当などの食品の会社。2026年3月期は売上高9,313億円(+5.1%)、営業利益404億円(+27.2%)で過去最高。水産事業の利益が2倍強に
ニッスイを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高9,313億円(+5.1%)、営業利益404億円(+27.2%、営業利益率4.3%)、経常利益432億円(+22.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益275億円(+8.4%)で、売上高と各段階の利益が過去最高。ROE9.5%、自己資本比率40.0%。セグメントは食品5,010億円(営業利益296億円)、水産3,802億円(営業利益178億円、前期の2.1倍)、物流166億円、ファイン170億円。日本のブリ・アジ・サバの漁獲が好調、養殖の本まぐろ・ギンザケ、チルド事業(コンビニの弁当・惣菜)が好調。家庭用冷凍食品は価格改定のタイムラグで減益、北米は米国関税の影響も。年32円の配当(配当性向35.5%)、2027年3月期は売上高9,800億円・営業利益425億円・年32円の予想。ニチレイとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美ニッスイって、魚の会社なの? 冷凍食品の会社なの?

プレ男決算短信だと、両方なんだって。売上は食品のほうが大きくて、2026年3月期は魚をとる・育てる水産事業の利益が大きく増えたみたい
企業分析の連載、278社目はニッスイです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のニチレイの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ニッスイ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
漁業・養殖・水産物の加工と商事の「水産事業」と、冷凍食品やちくわ、コンビニの弁当・惣菜などの「食品事業」を2本柱にする会社。日本のほか北米・南米・欧州でも事業を行う
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,313億円(過去最高) | +5.1% |
| 営業利益 | 404億円(過去最高) | +27.2% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 4.3% | 前期 3.6% |
| 経常利益 | 432億円 | +22.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 275億円 | +8.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 9.5% | 前期 9.6% |
| 自己資本比率 | 40.0% | 前期 43.6% |
| 配当 | 年32円(配当性向35.5%) | 前期 28円 |
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な中身(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 食品 | 加工事業(冷凍食品、ちくわ・フィッシュソーセージなど)、チルド事業(コンビニの弁当・惣菜など) | 5,010億円(+6.4%) | 296億円(+3.2%) |
| 水産 | 漁撈(漁業)、養殖、加工・商事 | 3,802億円(+4.4%) | 178億円(+111.1%) |
| ファイン | EPA・DHAなどの原料の生産・販売など | 170億円(+7.2%) | 8億円(−5.9%) |
| 物流 | 冷蔵倉庫、配送、通関 | 166億円(+0.5%) | 24億円(−15.1%) |
| その他 | エンジニアリング、船舶運航など | 165億円 | 5億円 |
| 全社経費 | −107億円 |
- 売上高は食品が大きく、水産事業の営業利益は前期の2.1倍になりました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 漁業・養殖から食品まで
- 魚をとる(漁撈)・育てる(養殖)・加工する・売ることと、冷凍食品やチルド食品をつくることの両方を行っています
② 漁獲と養殖の改善
- 日本ではブリ・アジ・サバの漁獲が好調で、養殖では短期養殖の本まぐろの生産比率の上昇やギンザケの増産が利益に貢献しました
③ チルド事業
- コンビニエンスストアの販売促進の効果が大きく、弁当・惣菜などの販売が好調でした
4. 弱み・リスク
① 原料価格と価格改定
- 日本の加工事業は、価格改定のタイムラグや、改定後の販売数量の減少で、とくに家庭用冷凍食品が減益でした
② 米国の関税
- 北米の加工事業は、米国の関税による原料価格の上昇などの影響を受けました
③ 自然と漁獲
- 漁撈・養殖は、前期は苦戦し、当期は改善しました。漁獲や養殖の状況で利益が大きく変わります
5. ライバルとの比較
冷凍食品などを手がけるニチレイと並べます。どちらも2026年3月期・日本基準です。事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| ニッスイ | ニチレイ | |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,313億円(+5.1%) | 7,161億円(+2.0%) |
| 営業利益 | 404億円(+27.2%) | 390億円(+1.8%) |
| 営業利益率 | 4.3% | 5.4% |
| ROE | 9.5% | 10.0% |
| 自己資本比率 | 40.0% | 51.4% |
- ニチレイのくわしい中身はニチレイの強みとは、マヨネーズなどの会社はキユーピーの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ニッスイの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 水産事業の営業利益 | 178億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 食品事業の営業利益 | 296億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高9,800億円、営業利益425億円(水産216億円、食品278億円) | 決算短信 |
| 配当 | 年32円、2027年3月期予想32円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男2027年3月期は、水産は増益、食品は減益の予想なんだね。漁獲と原料の値段を見ておこう
まとめ
- ニッスイは、水産(漁業・養殖・加工)と食品(冷凍食品・チルド)の会社
- 2026年3月期は売上高9,313億円、営業利益404億円で過去最高
- 水産事業の営業利益は前期の2.1倍
- 家庭用冷凍食品は価格改定のタイムラグ、北米は米国関税の影響
- 2027年3月期は営業利益425億円・年32円の予想
参考文献
- ニッスイ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/13320/140120260513530432.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ニチレイ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/28710/140120260512524701.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。