オービックの強みとは:自社開発のERP「OBIC7シリーズ」を直販し、運用支援・保守まで手がける会社。2026年3月期は営業利益888億円(+13.3%)、営業利益率65.7%、自己資本比率83.4%
オービックを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月21日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1,352億円(+11.5%)、営業利益888億円(+13.3%、営業利益率65.7%)、経常利益1,048億円(+16.7%、持分法投資利益66億円を含む)、親会社株主に帰属する当期純利益752億円(+16.4%)、ROE15.8%、自己資本比率83.4%。セグメントは、運用支援・保守のシステムサポート(売上715億円・営業利益529億円、+15.2%、クラウドが好調)、OBIC7のシステム構築のシステムインテグレーション(552億円・330億円、+10.3%)、オフィスオートメーション(85億円・29億円)。大手・中堅企業の新規顧客の開拓が進んだ。年84円の配当(配当性向48.9%)、2027年3月期の配当予想は年94円。自己株式の取得314億円。大塚商会・TISとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男オービックって、どんな会社?

メル美会社の会計などをまとめて管理するソフトを自分でつくって、自分で売っている会社なんだって。営業利益率が65%を超えているみたい
企業分析の連載、233社目はオービックです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月21日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の大塚商会の強みとは・TISの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、オービック株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のソフトウェアをすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
会計を中心に会社の情報をまとめて管理するERPシステム「OBIC7シリーズ」を自社で開発し、直接販売して、導入後の運用支援・保守やクラウドまで手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,352億円 | +11.5% |
| 営業利益 | 888億円 | +13.3% |
| 営業利益率 | 65.7% | 前期 64.6% |
| 経常利益 | 1,048億円 | +16.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 752億円 | +16.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 15.8% | 前期 15.5% |
| 自己資本比率 | 83.4% | 前期 86.7% |
| 配当 | 年84円(配当性向48.9%) | — |
- 経常利益が営業利益より大きいのは、持分法による投資利益(66億円)などがあるためです。業務用パッケージソフト事業は、持分法を適用する関連会社で行っています
- 2027年3月期の配当予想は年94円です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| システムサポート | 大手・中堅企業の顧客増加で、クラウドを中心に運用支援・保守サービスが好調 | 715億円(+13.5%) | 529億円(+15.2%) |
| システムインテグレーション | 大手・中堅企業の新規顧客の開拓が進み、OBIC7のシステム構築が堅調 | 552億円(+9.8%) | 330億円(+10.3%) |
| オフィスオートメーション | OA機器・サプライ用品 | 85億円(+7.2%) | 29億円(+14.5%) |
- 売上高の約53%、営業利益の約60%がシステムサポートです(計算値)
- セグメントの営業利益率は、システムサポート約74%、システムインテグレーション約60%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 自社開発・直接販売
- 会社は「自社開発・直接販売」にこだわり、開発・販売・サービスを一体にした「製販一体体制」をとるとしています
② 積み上がる保守・クラウド
- 導入した顧客の運用支援・保守やクラウドが、売上の半分以上をしめ、増え続けています
③ とても厚い財務
- 自己資本比率は83.4%です。現金及び現金同等物は2,074億円あります
4. 弱み・リスク
① 企業のIT投資の慎重さ
- システムの更新需要は高いものの、先行きが不透明な中で投資判断に慎重さが見られたとしています
② 先行投資
- クラウド関連施設などの設備の増強や、ビジネスモデル特許の登録・出願などの先行投資を続けています
③ 投資有価証券の値動き
- 投資有価証券が1年で1,104億円増え、その評価差額で純資産が増えました。株価などが下がると、純資産が減ることがあります
5. ライバルとの比較
企業向けのITサービスの会社と並べます。事業の中身(大塚商会は機器の販売が多い)と決算期が違うので、おおまかな比較です。
| オービック(2026年3月期) | 大塚商会(2025年12月期) | TIS(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,352億円(+11.5%) | 1兆3,228億円(+19.4%) | 5,965億円(+4.3%) |
| 営業利益 | 888億円(+13.3%) | 899億円(+21.0%) | 762億円(+10.4%) |
| 営業利益率 | 65.7% | 6.8% | 12.8% |
| ROE | 15.8% | 16.8% | 14.0% |
| 自己資本比率 | 83.4% | 54.1% | 58.9% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
オービックの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| システムサポートの売上高 | 715億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| システムインテグレーションの売上高 | 552億円 | 決算短信(セグメントの業績) |
| 営業利益率 | 65.7% | 決算短信のサマリー |
| 自己株式の取得 | 314億円(純資産の減少) | 決算短信(財政状態) |
| 配当 | 年84円、2027年3月期予想94円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美売ったあとの保守やクラウドで稼ぎ続けるしくみなのね。企業のIT投資の動きも見ておきたいな
まとめ
- オービックは、ERP「OBIC7シリーズ」を自社開発・直販する会社
- 2026年3月期は営業利益888億円(+13.3%)、営業利益率65.7%
- 営業利益の約6割が、運用支援・保守・クラウドのシステムサポート
- 自己資本比率83.4%
- 配当は年84円、2027年3月期は年94円の予想
参考文献
- オービック. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月21日). https://www2.jpx.co.jp/disc/46840/140120260420506584.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 大塚商会. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月2日). https://www2.jpx.co.jp/disc/47680/140120260130543790.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- TIS. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/36260/140120260508519053.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。