TISの強みとは:金融・産業・公共などのシステム開発と、決済などのオファリングサービスを手がけるITサービスの会社。2026年3月期は営業利益762億円(+10.4%)、営業利益率12.8%。訴訟和解の引当金で当期純利益は−6.8%
TISを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日、東証の適時開示)で分析しました。売上高5,965億円(+4.3%)、営業利益762億円(+10.4%、営業利益率12.8%、高付加価値ビジネス・生産性向上・不採算案件の減少)、経常利益765億円(+8.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益466億円(−6.8%、訴訟の和解にともなう訴訟損失引当金繰入額74億円、減損損失28億円)、ROE14.0%、自己資本比率58.9%。セグメントの営業利益は、広域ITソリューション233億円(+8.1%)、産業IT225億円(+16.4%)、金融IT127億円(+3.3%)、オファリングサービス104億円(+5.1%、決済分野など)、BPM64億円(+20.1%)。年80円の配当(前期70円)、2027年3月期は売上高6,200億円・営業利益810億円・年90円の予想。野村総合研究所・NECとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男TISって、どんな会社なの?

メル美決算短信を見ると、金融や製造・流通などの会社のシステムをつくるITサービスの会社なんだって。決済のサービスもあるみたい
企業分析の連載、186社目はTISです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の野村総合研究所(NRI)の強みとは・NEC(日本電気)の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、TIS株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
金融・産業(サービス業・製造業・流通業など)・公共などの顧客向けのシステム開発・運用と、決済などのオファリングサービス、業務の効率化を支えるBPMを手がけるITサービスの会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,965億円 | +4.3% |
| 営業利益 | 762億円 | +10.4% |
| 営業利益率 | 12.8% | 前期 12.1% |
| 経常利益 | 765億円 | +8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 466億円 | −6.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 14.0% | 前期 15.3% |
| 自己資本比率 | 58.9% | 前期 61.5% |
| 配当 | 年80円(配当性向39.0%) | 前期 70円 |
- 営業利益は、人材への投資などの成長投資をしながら、高付加価値ビジネス、生産性の向上、不採算案件の減少で増えました
- 当期純利益が減ったのは、係争中だった訴訟の和解にともなう訴訟損失引当金繰入額74億円や、減損損失28億円などの特別損失(合計127億円)を計上したためです
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 広域ITソリューション | 医療などの幅広いIT投資の拡大、公共系案件は収益性が悪化 | 1,842億円(+3.8%) | 233億円(+8.1%) |
| 産業IT | サービス業・製造業・流通業などのIT投資の拡大、不採算案件の減少 | 1,334億円(+4.1%) | 225億円(+16.4%) |
| 金融IT | クレジットカード系の大型案件のピークアウト、モダナイゼーション | 987億円(−1.5%) | 127億円(+3.3%) |
| オファリングサービス | 決済分野などのIT投資の拡大、海外事業 | 1,606億円(+10.3%) | 104億円(+5.1%) |
| BPM | DX事業の案件獲得、効率化 | 441億円(+3.4%) | 64億円(+20.1%) |
- セグメントの営業利益の合計763億円のうち、広域ITソリューションと産業ITで約60%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 幅広い業種のIT投資
- サービス業・製造業・流通業など幅広い業種のIT投資の拡大で、産業ITの営業利益率は16.9%に上がりました
② 決済などのサービス
- オファリングサービスでは、決済分野や基盤系・エンタープライズ系のIT投資需要が伸び、売上高は+10.3%でした
③ 収益性の改善と株主還元
- 売上総利益率は28.2%、営業利益率は12.8%に上がりました。配当は70円→80円、2027年3月期は90円の予想です
4. 弱み・リスク
① 訴訟の和解などの特別損失
- 訴訟の和解にともなう引当金など特別損失127億円で、当期純利益は6.8%減りました
② 大型案件の終了
- 金融ITは、クレジットカード系の大口顧客の大型開発案件のピークアウトなどで減収でした
③ 成長投資の費用
- 会社は、人材への投資をはじめとする成長投資を積極的に実行しているとしています
5. ライバルとの比較
ITサービスの会社と比べます。会計基準(NRI・NECはIFRS)と利益の指標が違うので、おおまかな比較です。3社とも2026年3月期です。
| TIS | NRI | NEC | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 5,965億円(+4.3%) | 8,147億円(+6.5%) | 3兆5,827億円(+4.7%) |
| 営業利益 | 762億円(+10.4%) | 583億円(−56.8%) | 3,599億円(+40.3%) |
| 営業利益率 | 12.8% | 7.2% | 10.0%(計算値) |
| ROE | 14.0% | 3.5% | 13.0% |
- 3社の中で、TISは営業利益率とROEが高い水準です(→野村総合研究所(NRI)の強みとは、NEC(日本電気)の強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
TISの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント別の営業利益率 | 産業IT16.9%、BPM14.5%など | 決算短信(セグメント別の状況) |
| 特別損失 | 127億円(訴訟損失引当金74億円など) | 決算短信(経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高6,200億円、営業利益810億円、当期純利益570億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年80円、2027年3月期予想90円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男いろいろな業種のシステムをつくって、利益率を上げているんだね。来年は当期純利益が戻る予想だから、確かめておこう
パソコンやソフトを売る会社は大塚商会の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- TISは、金融・産業・公共などのシステムと決済などのサービスを手がけるITサービスの会社
- 2026年3月期は営業利益762億円(+10.4%)、営業利益率12.8%
- 営業利益の約60%が広域ITソリューションと産業IT
- 訴訟の和解などの特別損失で当期純利益は−6.8%
- 2027年3月期は営業利益810億円・年90円の予想
参考文献
- TIS. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www2.jpx.co.jp/disc/36260/140120260508519053.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 野村総合研究所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月24日). https://www2.jpx.co.jp/disc/43070/140120260423509100.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 日本電気. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/202604/images/2804-01-01.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。