NEC(日本電気)の強みとは:国内のITサービス(DXの「BluStellar」)と、航空宇宙・防衛、通信の社会インフラ。2026年3月期は売上収益3兆5,827億円、調整後営業利益3,868億円(+34.7%)で、両セグメントとも増収増益
NEC(日本電気)を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)と通期決算概要で分析しました。売上収益3兆5,827億円(+4.7%)、営業利益3,599億円(+40.3%)、会社が重視する調整後営業利益3,868億円(+34.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,702億円(+54.3%)、ROE13.0%。セグメント損益はITサービス3,367億円(売上収益2兆5,089億円)、社会インフラ743億円(9,353億円)。決算概要では、国内ITとANS(航空宇宙・防衛)が好調で、DXの「BluStellar」の調整後営業利益は1,020億円、国内ITの調整後営業利益は3,050億円。テレコムサービスは基地局事業の見直しで資産のクリーンアップ。日本航空電子工業株の売却益202億円も。2025年4月1日に1株→5株の株式分割。年38円の配当、2027年3月期は調整後営業利益4,200億円・年40円の予想。日立との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男NECって、今は何で稼いでいるの?

メル美役所や会社のシステムづくりをしているって聞いたよ
企業分析の連載、59社目はNEC(日本電気)です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)と、同じ日の2025年度(26年3月期)通期決算概要で確認しました。比較には、この連載の日立製作所の強みとはで確認した日立の数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、NEC株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
国や会社のITシステムづくり・DXの支援(ITサービス)と、航空宇宙・防衛、通信などの社会インフラを手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆5,827億円 | +4.7% |
| 営業利益 | 3,599億円 | +40.3% |
| 調整後営業利益(会社が重視する指標) | 3,868億円 | +34.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,702億円 | +54.3% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 13.0% | 前期 9.1% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 49.2% | 前期 45.2% |
| 配当 | 年38円(配当性向18.7%) | 前期 140円(分割前) |
- 調整後営業利益は、営業利益から買収で認識した無形資産の償却費とM&A関連費用を除いたものです
- 当期利益には、日本航空電子工業の株式の売却益202億円(金融収益)も含まれています
- 2025年4月1日に1株→5株の株式分割をしたので、配当は前期と単純に比べられません(→株式分割と投資単位)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算概要の記載から) | 売上収益 | セグメント損益(調整後) |
|---|---|---|---|
| ITサービス | 国内ITサービス(官公庁・企業向け)、海外のITサービス | 2兆5,089億円 | 3,367億円 |
| 社会インフラ | 航空宇宙・防衛(ANS)、テレコムサービス | 9,353億円 | 743億円 |
- 利益の8割以上がITサービスです
- 売上収益の約8割が日本(2兆8,686億円)です
国内ITの中身(決算概要)
- 国内ITの調整後営業利益は3,050億円(+725億円)
- DXの事業ブランド「BluStellar」は、調整後営業利益1,020億円(+358億円)、国内ITサービスの売上に占める割合は32%
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 国内のDX需要
- 決算概要は、国内ITが好調で、BluStellarの拡大や構造改革の効果で利益率が改善したとしています
② 航空宇宙・防衛
- ANS(航空宇宙・防衛)も好調で、2027年3月期も防衛事業のさらなる拡大を見込んでいます
③ 海外ITの立て直し
- 海外は、欧州の3社の収益力の改善で、不採算のコストを吸収して大きく増益したとしています
4. 弱み・リスク
① 国内の公共分野の一巡
- 2027年3月期は、国内のパブリック(公共)領域がピークアウトするとしています。売上収益は3兆5,000億円(−2.3%)の予想です
② テレコムサービス
- 基地局事業の見直しに伴い、資産のクリーンアップ(整理)を行いました
③ 海洋事業
- ANSの中の海洋の事業は、追加費用を計上しました(赤字は縮小)
5. ライバルとの比較
ITとインフラを持つ日立製作所と比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、利益の指標の定義が違うので、おおまかな比較です。
| NEC | 日立製作所 | |
|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆5,827億円(+4.7%) | 10兆5,867億円(+8.2%) |
| 調整後営業利益 | 3,868億円(+34.7%) | 1兆1,992億円(+23.4%) |
| 親会社株主に帰属する当期利益 | 2,702億円(+54.3%) | 8,023億円(+30.3%) |
- 規模は日立が約3倍。NECは国内のITサービスの比重が大きく、日立は送電網などの海外の比重が大きい会社です(→日立製作所の強みとは)。国内ITの大手としては富士通もありますが、富士通のサイトは今回の確認方法で読めなかったため、比べていません
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
NECの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| ITサービス・社会インフラのセグメント損益 | 3,367億円・743億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| BluStellarの調整後営業利益・売上比率 | 1,020億円・32% | 通期決算概要 |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益3兆5,000億円、調整後営業利益4,200億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年38円、2027年3月期予想40円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。データセンターも持つ通信の会社はNTTの強みとは

メル美今の稼ぎ頭は国内のITサービスとDXなのね。防衛も伸びているけど、公共の仕事が一巡するって見通しも書いてあるんだ
金融機関向けのシステムが中心の会社は野村総合研究所(NRI)の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- NECは、ITサービスと社会インフラ(航空宇宙・防衛、通信)の会社
- 2026年3月期は調整後営業利益3,868億円(+34.7%)、両セグメントとも増収増益
- 稼ぎ頭は国内IT(3,050億円)、DXのBluStellarが1,020億円
- 課題は公共分野の一巡、テレコム、海洋
- 2025年4月に1株→5株の株式分割
参考文献
- 日本電気. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/202604/images/2804-01-01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 日本電気. 2025年度(26年3月期)通期決算概要(2026年4月28日). https://jpn.nec.com/ir/pdf/library/260428/260428_01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 日立製作所. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月27日). https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/files/2026/04/0427/2025_An.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。