NTTの強みとは:ドコモの携帯・金融、NTTデータのITサービスと世界のデータセンター、NTT東西の光回線。2025年度(2026年3月期)は営業収益14兆4,091億円・営業利益1兆7,062億円。住信SBIネット銀行の連結で総資産が46兆円に
NTT(日本電信電話)を、2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で分析しました。営業収益14兆4,091億円(+5.1%)、営業利益1兆7,062億円(+3.4%、営業利益率11.8%)、当社に帰属する当期利益1兆370億円(+3.7%)、ROE10.4%。セグメントは総合ICT(NTTドコモなど。営業収益6兆4,581億円、営業利益9,421億円、−7.7%)、グローバル・ソリューション(NTTデータグループなど。5兆46億円、4,882億円、+50.7%)、地域通信(NTT東日本・西日本。3兆2,102億円、3,074億円)。2025年9月にNTTデータグループを完全子会社化、10月にドコモが住信SBIネット銀行を連結子会社にし、総資産は46兆7,213億円、株主資本比率は20.8%に。データセンターの総受電容量は約2,000MW。年5.3円の配当、2026年度は営業利益1兆7,100億円の予想。KDDIとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男NTTって、どんな会社が集まったグループなの?

メル美ドコモも、家の光回線も、NTTのグループなんだって
企業分析の連載、40社目はNTT(日本電信電話)です。2025年度(2026年3月期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日)で確認しました。比較には、この連載のKDDIの強みとはで確認したKDDIの2026年3月期の数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、NTT株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ドコモの携帯・金融、NTTデータのITサービスとデータセンター、NTT東日本・西日本の光回線などを持つ、日本最大級の通信グループ
| 項目(IFRS・連結) | 2025年度 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 14兆4,091億円 | +5.1% |
| 営業利益 | 1兆7,062億円 | +3.4% |
| 営業利益率 | 11.8% | 前期 12.0% |
| 当社に帰属する当期利益 | 1兆370億円 | +3.7% |
| ROE(株主資本当社に帰属する当期利益率) | 10.4% | 前期 10.0% |
| 総資産 | 46兆7,213億円 | 前期 30兆625億円 |
| 株主資本比率 | 20.8% | 前期 34.0% |
| 配当 | 年5.3円(配当性向42.0%) | 前期 5.2円 |
- 総資産が大きく増え、株主資本比率が下がったのは、2025年10月にNTTドコモが住信SBIネット銀行を連結子会社にしたためです(銀行業の貸出金や預金が加わりました)
- 2025年9月には、NTTデータグループの完全子会社化を終えています
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 営業収益 | 営業利益 | 前期比(利益) |
|---|---|---|---|---|
| 総合ICT | NTTドコモ。携帯・光ブロードバンド、金融・決済、法人向け | 6兆4,581億円 | 9,421億円 | −7.7% |
| グローバル・ソリューション | NTTデータグループ。ITサービス、データセンター | 5兆46億円 | 4,882億円 | +50.7% |
| 地域通信 | NTT東日本・西日本。光サービス、固定電話 | 3兆2,102億円 | 3,074億円 | +4.0% |
| その他 | 不動産、エネルギー | 1兆7,526億円 | −16億円 |
- 営業利益の半分以上が総合ICT(ドコモ)です
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① データセンター
- NTTグループのデータセンターの総受電容量は約2,000MWで、会社は国内No.1・世界No.3(Structure Researchの資料をもとにした会社の算出、中国の事業者を除く)としています
- 2025年7月には、データセンターに投資する「NTT DC REIT」がシンガポール証券取引所に上場し、投資の回収を早めるしくみにしています
② ドコモの金融・決済
- 決済サービスの利用拡大に加え、住信SBIネット銀行の連結で「d NEOBANK」を始めました。2026年3月には、dカード・d払いなどの金融事業を「NTTドコモ・フィナンシャルグループ」へ移す方針(2026年7月予定)を発表しています
③ AIのサービス
- 自社開発の言語モデル「tsuzumi」に加え、他社のAIと組み合わせたサービスを法人向けに提供しています
4. 弱み・リスク
① ドコモの減益
- 総合ICTは7.7%の減益で、利益の柱が伸び悩みました
② 固定電話の縮小
- 地域通信ではレガシービジネス収入(固定電話など)の減少が続きます。NTT東西は2025年9月、メタル設備の「加入電話」を、2035年ごろまでに光回線・モバイル回線の代替サービスへ段階的に移す方針を発表しました
③ 借入と大きな投資
- データセンターなどへの投資が続き、借入債務も増えています。銀行の連結で、財務の数字の見え方も変わりました
5. ライバルとの比較
KDDIと比べます。どちらもIFRS・2026年3月期ですが、NTTはITサービス・データセンターの割合が大きく、事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| NTT(2025年度) | KDDI(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 14兆4,091億円(+5.1%) | 6兆719億円(+4.1%) |
| 営業利益 | 1兆7,062億円(+3.4%) | 1兆991億円(+1.1%) |
| 営業利益率 | 11.8% | 18.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1兆370億円 | 7,071億円 |
- 規模はNTTが大きく、利益率はKDDIが高いです(→KDDIの強みとは)。携帯で損失が続く楽天との違いは楽天グループの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
NTTの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年度 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 総合ICT(ドコモ)の営業利益 | 9,421億円 | 決算短信(セグメント) |
| グローバル・ソリューションの営業利益 | 4,882億円 | 決算短信 |
| 地域通信の営業利益 | 3,074億円 | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2026年度 営業収益15兆600億円、営業利益1兆7,100億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年5.3円、2026年度予想5.4円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美携帯だけじゃなくて、世界のデータセンターや銀行まで。どの事業で稼いで、どこが伸びているかを分けて見るのね
データセンターも持つ警備の会社はセコムの強みとはへ。
ITサービスの会社はNEC(日本電気)の強みとはへ。
通信設備の工事の会社はコムシスホールディングスの強みとは・エクシオグループの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- NTTは、ドコモ・NTTデータ・NTT東西などを持つ通信グループ
- 2025年度は営業収益14兆4,091億円、営業利益1兆7,062億円
- 利益の柱はドコモ(減益)、伸びたのはNTTデータのグローバル事業(+50.7%)
- 住信SBIネット銀行の連結で総資産46兆円、株主資本比率20.8%に
- 課題はドコモの伸び悩み、固定電話の縮小、大きな投資
参考文献
- NTT. 2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月8日). https://group.ntt/jp/ir/library/results/2025/pdf/fy2025q4kessan0508.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- KDDI. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日). https://newsroom.kddi.com/ir-news/assets/2026/kddi_ir-1148_4471/kddi_2026_4qc_PsXBu3.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。