ピジョンの強みとは:哺乳器・乳首を中心にした育児用品の会社。中国事業がセグメント利益の約63%。2025年12月期は営業利益132億円(+8.4%)、配当性向は106.1%。10年後に哺乳器の世界シェア20%をめざす
ピジョンを、2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日)で分析しました。売上高1,092億円(+4.8%、中国事業が中心)、営業利益132億円(+8.4%、売上総利益率が0.9ポイント改善)、経常利益137億円(+3.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益86億円(+2.4%)、ROE10.4%、自己資本比率75.3%。セグメント利益は中国105億円(+4.3%、哺乳器・乳首とスキンケアが堅調)、日本26億円(+29.9%、価格改定と工場稼働率の改善)、シンガポール21億円(+27.4%)、ランシノ(米州・欧州)15億円(−12.3%、さく乳器の競争激化と米国関税)。年76円の配当(配当性向106.1%)、2026年12月期は営業利益139億円・年76円の予想。会社は出生数の減少に向き合い、米州・欧州・ASEANでの成長を加速する方針。ユニ・チャームとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美ピジョンって、哺乳びんの会社だよね。日本では子どもが減っているけど大丈夫なのかな

プレ男決算短信だと、いちばん稼いでいるのは中国の事業なんだって。アメリカやヨーロッパ、東南アジアでも売っているみたい
企業分析の連載、243社目はピジョンです。2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日)で確認しました。比較には、この連載のユニ・チャームの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ピジョン株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものではありません。
1. ひとことで言うと
哺乳器・乳首を中心に、ベビースキンケア、さく乳器などの育児用品・女性向け用品を、日本・中国・ASEAN・米州・欧州で売る会社。日本では子育て支援サービスや介護用品も
| 項目(日本基準・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,092億円 | +4.8% |
| 営業利益 | 132億円 | +8.4% |
| 営業利益率 | 12.1% | 前期 11.7% |
| 経常利益 | 137億円 | +3.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 86億円 | +2.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.4% | 前期 10.5% |
| 自己資本比率 | 75.3% | 前期 74.9% |
| 配当 | 年76円(配当性向106.1%) | 前期 76円 |
- 中国事業を中心に販売が堅調で、売上総利益率が0.9ポイント改善して増益になりました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 中国 | 中国本土で哺乳器・乳首・スキンケアが堅調、SNSやライブコマースでの販売、北米のピジョンブランドも好調 | 429億円(+9.9%) | 105億円(+4.3%) |
| 日本 | 哺乳器・乳首、スキンケア、ベビーフード、育児家電が堅調。価格改定と工場稼働率の改善 | 378億円(+3.6%) | 26億円(+29.9%) |
| シンガポール | オーストラリア・マレーシアなどで好調、広口タイプの哺乳器の比率が上がる | 149億円(+4.5%) | 21億円(+27.4%) |
| ランシノ | 北米で乳首ケアクリームや哺乳器が伸びたが、さく乳器は競争激化。米国関税の影響 | 219億円(+2.2%) | 15億円(−12.3%) |
- セグメント利益の合計167億円のうち、約63%が中国事業です(計算値)
- 「ランシノ事業」は、2026年3月27日に「米州・欧州事業」へ名前を変えます
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 哺乳器・乳首
- 会社は、哺乳器・乳首を含む主力商品を「最優先投資領域」とし、10年後に哺乳器の世界シェア20%をめざすとしています
② 中国でのブランド
- 中国本土では、SNS(Douyin、REDなど)やライブコマースでのブランド露出を強め、11月の「ダブルイレブン」商戦でも販売が堅調でした
③ 厚い財務
- 自己資本比率は75.3%、現金及び現金同等物は396億円です
4. 弱み・リスク
① 出生数の減少
- 会社自身が、日本・中国の事業は出生数の減少に直面しているとしています。高月齢・キッズ向けの商品などで対応を進めています
② 配当性向が100%超
- 年76円の配当に対し、配当性向は106.1%でした。2026年12月期の予想も99.5%です(→配当方針の読み方)
③ 米国の関税と競争
- ランシノ事業は、さく乳器の競争激化と米国関税による原価への影響などで減益でした
5. ライバルとの比較
育児用品も手がけるユニ・チャームと並べます。会計基準(ユニ・チャームはIFRS)と事業の中身・規模が違うので、おおまかな比較です。どちらも2025年12月期です。
| ピジョン | ユニ・チャーム | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,092億円(+4.8%) | 9,453億円(−4.4%) |
| 利益 | 132億円(営業) | 1,089億円(コア営業) |
| 利益率 | 12.1% | 11.5% |
| ROE | 10.4% | 8.3% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 75.3% | 65.0% |
- ユニ・チャームのくわしい中身はユニ・チャームの強みとはへ。ベビー用品の専門店は西松屋チェーンの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ピジョンの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 中国事業のセグメント利益 | 105億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| ランシノ(米州・欧州)事業の利益 | 15億円 | 決算短信(セグメント別の概況) |
| 売上総利益率 | 前期比+0.9ポイント | 決算短信(事業全般の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上高1,135億円、営業利益139億円、当期純利益91億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年76円、2026年12月期予想76円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美子どもが減る国だけでなく、ほかの地域でどれだけ伸ばせるかが大事なのね
まとめ
- ピジョンは、哺乳器・乳首を中心にした育児用品の会社
- 2025年12月期は営業利益132億円(+8.4%)
- セグメント利益の約63%が中国
- 出生数の減少に向き合い、米州・欧州・ASEANで成長をめざす
- 配当性向は106.1%、2026年12月期も年76円の予想
参考文献
- ピジョン. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日). https://www.pigeon.co.jp/ir/files/pdf/20260213tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ユニ・チャーム. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.unicharm.co.jp/content/dam/sites/www_unicharm_co_jp/pdf/ir/library/earnings/2025%E5%B9%B412%E6%9C%88%E6%9C%9F%20%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%EF%BC%A9%EF%BC%A6%EF%BC%B2%EF%BC%B3%E3%80%95%EF%BC%88%E9%80%A3%E7%B5%90%EF%BC%89.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。