株式併合とは:複数の株を1株にまとめるしくみ。株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上)が必要で、取締役は理由を説明する。1株に満たない端数はお金で受け取り、反対する株主は買取りを請求できる(会社法180条〜182条の6・235条・309条)
株式併合を、会社法180条・181条・182条・182条の2〜182条の6・234条・235条・309条(e-Gov法令検索)でまとめました。株式併合は、たとえば10株を1株にまとめるもので、そのたびに株主総会で併合の割合、効力発生日、効力発生日の発行可能株式総数などを決めます。決議は特別決議(議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上)で、取締役は併合が必要な理由を説明しなければなりません。公開会社では、発行可能株式総数は発行済株式総数の4倍までです。会社は効力発生日の2週間前までに株主に通知・公告します。1株に満たない端数は、まとめて売った代金が株主に配られ、端数が出る場合に反対する株主は公正な価格での買取りを請求できます。法令・定款違反で不利益を受けるおそれがあるときは差止めも請求できます。TOBのあとに残った株主を退出させる方法として使われることもあります。仮の計算と、確かめ方も。

メル美持ってる会社から「株式併合」のお知らせが来たの。株が減っちゃうってこと?

プレ男株式分割の反対だよね。損するのかな、得するのかな
今回は、株式併合です。会社法(180条〜182条の6、234条、235条、309条)の条文(e-Gov法令検索)で確認しました。
この記事はしくみの説明です。株式併合をする会社の株の売買をすすめるものではありません。個別のケースの判断は、証券会社や弁護士などの専門家に確かめてください。投資判断はご自身の責任でお願いします。
株式併合とは
- 複数の株を1株にまとめることです(会社法180条1項)。たとえば「10株を1株に」のように行います
- 反対の「1株を複数に分ける」しくみは、株式分割です(→株式分割と投資単位)
仮の計算
あくまで仮の計算です。
| 併合の前 | 10株→1株に併合したあと | |
|---|---|---|
| 1株の値段 | 100円 | 理論上 1,000円 |
| 持っている株数 | 1,000株 | 100株 |
| 持っている株の価値 | 10万円 | 10万円(理論上は変わらない) |
| 1,005株を持っていた場合 | 1,005株 | 100株+0.5株分の端数 |
- 端数(0.5株分)は株として持てず、お金で受け取ることになります(下の「端数の扱い」)
会社法のルール
株主総会の特別決議(180条・309条)
- 株式併合は、そのたびに株主総会の決議で次のことを決めます
- 併合の割合
- 効力発生日
- 効力発生日の発行可能株式総数
- (種類株式発行会社のとき)併合する株式の種類
- この決議は特別決議で、議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です(309条2項4号)
- 取締役は、株主総会で株式併合が必要な理由を説明しなければなりません(180条4項)
- 公開会社では、発行可能株式総数は、効力発生日の発行済株式総数の4倍までです(180条3項)
株主への知らせ(181条・182条の2)
- 会社は、効力発生日の2週間前までに、株主に決めた事項を通知します。公告で代えることもできます
- 端数が出る株式併合では、会社は関係する書面を本店に備え置き、株主は閲覧などを請求できます
効力(182条)
- 株主は、効力発生日に、前日に持っていた株数に併合の割合をかけた数の株主になります
端数の扱い(235条・234条)
- 併合で1株に満たない端数が出たときは、会社が端数を合計した数の株を売り、その代金を端数に応じて株主に配ります
- 市場価格のある株は、法務省令で定める方法で計算した市場価格で売ることもできます
株主ができること
| できること | 条文 | 中身 |
|---|---|---|
| 買取りの請求 | 182条の4 | 端数が出る併合に反対する株主は、端数になる株をすべて公正な価格で買い取るよう会社に請求できる |
| 差止めの請求 | 182条の3 | 併合が法令・定款に違反し、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、併合をやめるよう請求できる |
- 買取りを請求できる「反対株主」には、株主総会の前に会社に反対を通知し、総会でも反対した株主などが含まれます

メル美株主総会で3分の2以上の賛成が必要で、反対する人には買取りを請求する権利もあるのね
どんなときに使われる?
- 1株の値段が低すぎるときに、株数を減らして値段を上げるために使われることがあります
- TOB(株式公開買付け)のあとに残った少数の株主を、端数にしてお金を払って退出させる方法(スクイーズアウト)として使われることもあります。この場合、会社は上場廃止になります(→TOB(公開買付け)とMBOのしくみ、上場廃止になったら株はどうなる?)
確かめ方
- 会社の適時開示(「株式併合、単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に関するお知らせ」など)で、併合の割合・効力発生日・端数の扱いを確かめる(→適時開示(TDnet)の見方)
- 株主総会の招集通知で、取締役が説明する併合の理由を読む
まとめ
- 株式併合は、複数の株を1株にまとめるしくみ(株式分割の反対)
- 株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上)が必要で、取締役は理由を説明する
- 1株に満たない端数は、まとめて売った代金を受け取る
- 反対する株主は公正な価格での買取りを、違法なときは差止めを請求できる
- TOBのあとのスクイーズアウトに使われることもある
参考文献
- 会社法(平成17年法律第86号)第180条〜第182条の6・第234条・第235条・第309条(e-Gov法令検索). https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。