スチュワードシップ・コードとは:年金や投資信託のお金を運ぶ機関投資家が、投資先の会社と対話して成長を促すための8つの原則。2025年6月26日に第三次改訂版、受け入れた機関投資家は295機関(2026年6月30日時点)
日本版スチュワードシップ・コードを、金融庁「スチュワードシップ・コード(第三次改訂版)の確定について」(2025年6月26日)、コードの本文(「責任ある機関投資家」の諸原則)、受入れを表明した機関投資家のリスト(2026年6月30日時点)でまとめました。スチュワードシップ責任とは、機関投資家が投資先企業との建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて企業価値の向上や持続的成長を促し、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任です。コードは8つの原則(方針の策定・公表、利益相反の管理、投資先の状況の把握、目的を持った対話、議決権行使の方針と結果の公表、顧客・受益者への報告、深い理解とサステナビリティの考慮、機関投資家向けサービス提供者)からなります。コーポレートガバナンス・コード(会社側のルール)と対になるもので、私たちの年金や投資信託のお金の使われ方にもかかわります。

メル美前の記事で、会社側のルールの「コーポレートガバナンス・コード」を読んだよ。投資する側のルールもあるの?

プレ男年金を運用している人たちも、会社の株主総会で投票しているんだって。どんなルールなんだろう
今回は、日本版スチュワードシップ・コードです。金融庁の「スチュワードシップ・コード(第三次改訂版)の確定について」(2025年6月26日)、コードの本文「『責任ある機関投資家』の諸原則」と、受入れを表明した機関投資家のリスト(2026年6月30日時点)で確認しました。
この記事はしくみの説明です。特定の投資信託や運用会社をすすめるものではありません。
スチュワードシップ責任とは
- コードは、「スチュワードシップ責任」を次のように定めています(要約)
- 機関投資家が、投資先企業やその事業環境の深い理解と、運用戦略に応じたサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮にもとづく、建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて
- 企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことで
- 「顧客・受益者」の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任
8つの原則
| 原則 | 中身 |
|---|---|
| 1 | スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、公表する |
| 2 | 管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、公表する |
| 3 | 投資先企業の状況を的確に把握する |
| 4 | 投資先企業との建設的な「目的を持った対話」で、認識の共有と問題の改善に努める |
| 5 | 議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つ。議決権行使の方針は、形式的な判断基準にとどまらないよう工夫する |
| 6 | スチュワードシップ責任をどう果たしているかを、原則として顧客・受益者に定期的に報告する |
| 7 | 投資先企業の深い理解やサステナビリティの考慮にもとづき、対話や判断を適切に行う実力を持つ |
| 8 | 機関投資家向けサービス提供者(議決権行使助言会社・年金運用コンサルタントなど)は、適切にサービスを提供し、インベストメント・チェーン全体の機能向上に努める |

メル美投資するだけじゃなくて、会社と話し合ったり、株主総会でどう投票したかを報告したりするのね
第三次改訂(2025年6月26日)
- 2025年6月26日に、第三次改訂版が確定しました
- 受入れを表明した機関投資家は、第三次改訂版で295機関(2026年6月30日時点)です
| 種類 | 機関数 |
|---|---|
| 投信・投資顧問会社など | 171 |
| 年金基金など | 82 |
| 生命保険・損害保険会社 | 26 |
| その他(機関投資家向けサービス提供者など) | 10 |
| 信託銀行など | 6 |
2つのコードの関係
| コーポレートガバナンス・コード | スチュワードシップ・コード | |
|---|---|---|
| 対象 | 上場会社(投資される側) | 機関投資家(投資する側) |
| 中身 | 会社の運営・監督のしかた | 投資先との対話・議決権の行使のしかた |
| 決める機関 | 東京証券取引所 | 金融庁 |
- 2つのコードがそろうことで、会社と投資家の建設的な対話を促すしくみになっています(会社側のルールはコーポレートガバナンス・コードとはへ)
私たちに関係するところ
- 年金や投資信託のお金を運用する会社が、どの議案に賛成・反対したかは、各社の「議決権行使結果」の公表で確かめられることがあります(→株主総会と議決権のしくみ)
- ESGを重視する投資信託のしくみは「ESG投信」の見分け方も

プレ男会社には会社のルール、投資家には投資家のルールがあるんだね。自分の年金のお金がどう使われているかも、少し気になってきた
まとめ
- スチュワードシップ・コードは、機関投資家が投資先と対話して成長を促すための8つの原則
- 目的は、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大
- 議決権の行使と結果の公表、顧客・受益者への報告も求める
- 2025年6月26日に第三次改訂版、受入れは295機関(2026年6月30日時点)
- 会社側のコーポレートガバナンス・コードと対になるルール
参考文献
- 金融庁. スチュワードシップ・コード(第三次改訂版)の確定について(2025年6月26日). https://www.fsa.go.jp/news/r6/singi/20250626.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 金融庁. 「責任ある機関投資家」の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫(2025年6月26日). https://www.fsa.go.jp/news/r6/singi/20250626/01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 金融庁. スチュワードシップ・コードの受入れを表明した機関投資家のリスト(令和8年(2026年)6月30日時点). https://www.fsa.go.jp/singi/stewardship/list/20171225.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。