大気社の強みとは:ビルや工場の空調の「環境システム」と、塗装の設備の「塗装システム」の会社で、完成工事高の約半分が海外。2026年3月期は受注3,517億円(+26.8%)、営業利益233億円(+29.8%)
大気社を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。受注工事高3,517億円(+26.8%、うち海外1,855億円・+32.4%)、完成工事高2,861億円(+3.6%、うち海外1,440億円)、営業利益233億円(+29.8%、営業利益率8.2%)、経常利益248億円(+24.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益156億円(+41.4%)、ROE10.1%、自己資本比率56.1%。セグメントは環境システム(ビル空調・産業空調)完成工事高1,832億円・経常利益208億円、塗装システム1,031億円・経常利益44億円(受注は+37.6%)。アセアンでデータセンターや工場の案件を受注、北米のオートメーション企業をM&A。年110円の配当(配当性向44.9%)、2027年3月期は完成工事高3,070億円・営業利益238億円・年119円の予想。三機工業・きんでんとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美大気社って、空気をきれいにする会社?

プレ男決算短信だと、ビルや工場の空調の工事と、塗装のシステムの2つの事業なんだって。海外の売上が半分くらいあるみたい
企業分析の連載、295社目は大気社です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の三機工業の強みとは・きんでんの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、大気社株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ビル空調・産業空調の「環境システム事業」と、塗装の設備をつくる「塗装システム事業」の2つの事業をもち、国内と海外で工事を行う会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注工事高 | 3,517億円 | +26.8% |
| うち海外 | 1,855億円 | +32.4% |
| 完成工事高 | 2,861億円 | +3.6% |
| うち海外 | 1,440億円 | +9.4% |
| 営業利益 | 233億円 | +29.8% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 8.2% | 前期 6.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 156億円 | +41.4% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.1% | 前期 7.6% |
| 自己資本比率 | 56.1% | 前期 55.2% |
| 配当 | 年110円(配当性向44.9%) | 2025年4月に1株を2株に分割 |
- 完成工事高の約半分(50.3%)が海外です(計算値)
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 受注工事高 | 完成工事高 | セグメント利益(経常利益) |
|---|---|---|---|
| 環境システム | 2,166億円(+20.9%) | 1,832億円(+8.1%) | 208億円 |
| うちビル空調 | 771億円(+43.4%) | 462億円(+25.4%) | — |
| うち産業空調 | 1,395億円(+11.2%) | 1,370億円(+3.3%) | — |
| 塗装システム | 1,352億円(+37.6%) | 1,031億円(−3.6%) | 44億円 |
- 利益の大部分は環境システム事業です。塗装システムは、前期の国内の大型案件の反動で日本の完成工事高が減りました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 海外の受注
- 海外の受注工事高は+32.4%でした。タイやシンガポールなどで空調の受注が増え、塗装システムは欧州や中国で増えました
② アセアンの拠点の連携
- アセアンで複数の国の拠点が連携し、インドの拠点からの紹介で、インドネシア・ベトナムの工場建設の案件を受注しました。メガクラウドからデータセンターの案件も受注しています
③ 塗装の自動化
- 米国の大手完成車メーカー(デトロイトスリー)に顧客基盤をもつ北米のオートメーション企業をM&Aしました
4. 弱み・リスク
① 国内の完成工事高
- 完成工事高は、海外は増えたものの国内は減少しました
② 塗装システムの利益率
- 塗装システム事業は、完成工事高1,031億円に対して経常利益44億円です
③ 世界経済
- 会社は、地政学リスク、金融・資本市場の変動、米国の関税政策などで不安定な状態が続いたとしています
5. ライバルとの比較
設備工事の会社と並べます。どれも2026年3月期・日本基準です。主な工事の中身が違うので、おおまかな比較です。
| 大気社 | 三機工業 | きんでん | |
|---|---|---|---|
| 売上高(完成工事高) | 2,861億円(+3.6%) | 2,547億円(+0.6%) | 7,507億円(+6.5%) |
| 営業利益 | 233億円(+29.8%) | 280億円(+27.9%) | 903億円(+48.0%) |
| 営業利益率 | 8.2% | 11.0% | 12.0% |
| ROE | 10.1% | 20.8% | 11.0% |
| 自己資本比率 | 56.1% | 55.3% | 72.4% |
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
大気社の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注工事高(うち海外) | 3,517億円(1,855億円) | 決算短信(経営成績の概況) |
| 環境システムのセグメント利益 | 208億円 | 決算短信(セグメントごとの業績) |
| 塗装システムの受注工事高 | 1,352億円 | 決算短信(セグメントごとの業績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 完成工事高3,070億円、営業利益238億円、当期純利益180億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年110円、2027年3月期予想119円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男受注が大きく増えているから、これからの完成工事高にどうつながるか見ておこう
まとめ
- 大気社は、空調(環境システム)と塗装システムの会社
- 完成工事高の約半分が海外
- 2026年3月期は受注3,517億円(+26.8%)、営業利益233億円(+29.8%)
- アセアンのデータセンター・工場、北米のオートメーション企業のM&A
- 2027年3月期は営業利益238億円・年119円の予想
参考文献
- 大気社. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19790/140120260514535039.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 三機工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19610/140120260513530196.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- きんでん. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日). https://www2.jpx.co.jp/disc/19440/140120260420506537.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。