トリドールホールディングスの強みとは:「丸亀製麺」が事業利益の大部分を稼ぎ、海外にも923店。2026年3月期は売上収益2,787億円・事業利益215億円で過去最高だが、海外の減損114億円で純利益は23億円
トリドールホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益2,787億円(+3.9%、過去最高)、事業利益215億円(+17.9%、会社の指標、過去最高)、営業利益106億円(+21.9%)、親会社の所有者に帰属する当期利益23億円(+23.3%)、ROE2.6%、親会社所有者帰属持分比率29.9%。セグメントの事業利益は丸亀製麺220億円(+5.1%、原材料費の増加を増収で吸収)、海外事業53億円(+109.4%、アジアが好調、英国は回復途上)、国内その他42億円(−6.6%)。海外事業の不採算店舗やのれんの減損損失114億円。店舗数2,102(丸亀製麺887、国内その他292、海外923)。年11円の配当、2027年3月期は事業利益220億円・当期利益70億円・年12円の予想。すかいらーくHD・ゼンショーHDとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男丸亀製麺の会社って、利益は大きいの?

メル美決算短信だと、本業の利益は過去最高なんだって。でも海外のお店の減損があって、最終的な利益は少なめみたい
企業分析の連載、264社目はトリドールホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のすかいらーくホールディングスの強みとは・ゼンショーホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、トリドールホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の店をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
「丸亀製麺」を中心に、国内のほかの業態と、アジア・英国などの海外事業をもつ外食の会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2,787億円 | +3.9% |
| 事業利益(会社の指標) | 215億円 | +17.9% |
| 事業利益率 | 7.7% | 前期 6.8% |
| 営業利益 | 106億円 | +21.9% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 23億円 | +23.3% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 2.6% | 前期 2.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 29.9% | 前期 27.0% |
| 配当 | 年11円(配当性向50.8%) | 前期 10円 |
- 売上収益と事業利益は過去最高でした
- 事業利益は、売上収益から売上原価と販売費・一般管理費を引いた、会社独自の利益の指標です。営業利益は、ここから減損損失などを差し引いています
- 海外事業の不採算店舗やのれんの減損損失114億円などで、当期利益は23億円にとどまりました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 事業利益 |
|---|---|---|---|
| 丸亀製麺 | 新店と各種施策で増収、原材料費の増加を増収で吸収 | 1,372億円(+7.1%) | 220億円(+5.1%) |
| 海外事業 | アジアが好調、英国は回復に時間、事業の選択と集中 | 1,019億円(−2.7%) | 53億円(+109.4%) |
| 国内その他 | 原材料費・人件費の増加を吸収しきれず | 396億円(+11.9%) | 42億円(−6.6%) |
- 事業利益の合計(調整前)314億円のうち、約70%が丸亀製麺です(計算値)
| 店舗数(2026年3月末) | 店舗数 | 出店・閉店 |
|---|---|---|
| 丸亀製麺 | 887店 | 出店36・閉店10 |
| 国内その他 | 292店 | 出店25・閉店7 |
| 海外事業 | 923店(うちFCなど487) | 出店86・閉店77 |
| 合計 | 2,102店 | 出店147・閉店94 |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 丸亀製麺の稼ぐ力
- 丸亀製麺の事業利益は220億円で、原材料費の増加を増収で吸収しました
② アジアの海外事業
- 海外事業は、アジアが好調で、事業利益が2倍以上になりました
③ 過去最高の事業利益
- 売上収益・事業利益とも過去最高で、事業利益率は7.7%に上がりました
4. 弱み・リスク
① 海外の減損
- 海外事業の不採算店舗やのれんの減損損失114億円で、当期利益は23億円でした。英国事業の回復には時間がかかっているとしています
② 低いROEと財務
- ROEは2.6%、親会社所有者帰属持分比率は29.9%です
③ コストの上昇
- 国内その他の業態では、原材料費や人件費の増加を増収で吸収しきれず、減益でした
5. ライバルとの比較
外食の会社と並べます。会計基準と決算期、利益の指標が違うので、おおまかな比較です。
| トリドールHD(2026年3月期) | すかいらーくHD(2025年12月期) | ゼンショーHD(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 2,787億円(+3.9%) | 4,578億円(+14.1%) | 1兆2,641億円(+11.2%) |
| 利益 | 215億円(事業利益) | 330億円(事業利益) | 814億円(営業利益) |
| 利益率 | 7.7% | 7.2% | 6.4% |
| ROE | 2.6% | 9.3% | 15.8% |
| 店舗数 | 2,102店 | 3,111店 | 14,947店 |
- ファミリーレストランはすかいらーくホールディングスの強みとは、牛丼・回転寿司などはゼンショーホールディングスの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
トリドールHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 丸亀製麺の事業利益 | 220億円 | 決算短信(セグメント別業績) |
| 海外事業の事業利益 | 53億円 | 決算短信(セグメント別業績) |
| 減損損失 | 114億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益2,870億円、事業利益220億円、当期利益70億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年11円、2027年3月期予想12円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美本業は過去最高でも、減損で最終利益が小さくなることがあるのね。2027年に減損が減るかも見ておきたいな
まとめ
- トリドールHDは、丸亀製麺を中心にした外食の会社
- 2026年3月期は売上収益2,787億円・事業利益215億円で過去最高
- 事業利益の約70%が丸亀製麺、海外はアジアが好調
- 海外の減損114億円で、当期利益は23億円
- 2027年3月期は当期利益70億円・年12円の予想
参考文献
- トリドールホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/33970/140120260514534640.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- すかいらーくホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/31970/140120260213559441.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ゼンショーホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/75500/140120260512525178.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。