幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.074

岡本綺堂「兜」関東大震災で家財をすべて焼かれた一家に、ひとつだけもどってきた古い兜。届けにきたのは、左の眼の下に小さい痣のある女——幕末の辻斬りから彰義隊の落武者まで、60年にわたって人の手をめぐった兜の因縁話

岡本綺堂の短編「兜」(1928年7月『週刊朝日』初出)。大正12年の震災で家を焼かれた邦原君の避難先に、名も告げずに一人の女が、家に伝わる古い兜を届けてきます。その兜は、文久2年、道具屋の金兵衛がかぶって夜道を歩いていて辻斬りに斬りつけられ、命びろいしたもの。盗まれ、売られ、持ち主が斬られ、彰義隊の落武者だった父が根岸の路傍で拾い、箕輪の家で親子にゆずり——。どの場面にも出てくるのは、左の眼の下に小さい痣のある女でした。青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 震災のあとに届いた兜
  2. 文久2年、兜をかぶった道具屋
  3. 盗まれた兜
  4. 「あの兜には何か祟っているんですな」
  5. 彰義隊の落武者
  6. 兜の前で
  7. 震災の夜の女
  8. まとめ

プレ男「兜」って、武士がかぶる、あの兜?

メル美そう。持ち主がつぎつぎに変わっていく兜と、それを追いかけるようにあらわれる女の人の話なの。

今回は、岡本綺堂の短編「兜」(かぶと)です。青空文庫の本文(底本:光文社文庫『鷲』)で読みました。初出は『週刊朝日』1928年(昭和3年)7月です。本文中の「」の言葉は、青空文庫の本文からの引用です。

※この作品には、人が斬られて亡くなる場面、自ら命を絶つ場面が出てきます。

震災のあとに届いた兜

文久2年、兜をかぶった道具屋

プレ男兜をかぶって歩いていたおかげで、辻斬りから助かったんだ!

盗まれた兜

「あの兜には何か祟っているんですな」

彰義隊の落武者

メル美また、眼の下に痣のある女の人!売りにきた人と、同じ人なのかな…。

兜の前で

震災の夜の女

「兜」では、兜を売りにきた女も、箕輪の家の母も、震災の夜に兜を届けた女も、左の眼の下に小さい痣があります。届けた女がだれなのかは、最後までわかりません。

まとめ


参考文献

  1. 岡本綺堂. 兜(底本:『鷲』光文社文庫、光文社). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card45482.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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