幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.078

小泉八雲の怪談「耳無芳一の話」琵琶の名手・芳一のもとに、夜ふけに甲冑の侍が迎えにくる。「壇ノ浦の戦の話をお語りなされ」——連れていかれたのは、平家の墓のあいだだった。全身に経文を書かれた夜、ただひとつ書きわすれられたもの

小泉八雲の『怪談』の「耳無芳一の話(THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI)」。壇ノ浦で平家がほろびてから、その海と浜辺は怨霊にたたられていました。赤間ヶ関の阿彌陀寺に身を寄せる、目の見えない琵琶法師の芳一は、壇ノ浦の戦の歌で鬼神をも泣かせるという名手。ある夏の夜、甲冑の侍が「高い身分の殿様」のために芳一を迎えにきます。毎晩通うようになった芳一を寺の下男がつけていくと、芳一は雨の中、安徳天皇の墓の前で琵琶をかきならしていました。青空文庫の戸川明三訳で紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 壇ノ浦の怨霊
  2. 琵琶の名手・芳一
  3. 甲冑の侍
  4. 墓地の琵琶
  5. 全身に書かれた経文
  6. 「ただその耳が二つあるばかりだ」
  7. 「耳だけが残っていた!」
  8. まとめ

プレ男「耳なし芳一」って、名前は知ってるけど、ちゃんと読んだことないんだ。

メル美小泉八雲の『怪談』の中の一編だよ。どうして「耳なし」なのか、くわしく見てみよう。

今回は、小泉八雲の『怪談』から「耳無芳一の話」(THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI)です。青空文庫の戸川明三訳(底本:第一書房『小泉八雲全集第八卷家庭版』1937年)で読みました。本文中の『』の言葉は、この訳からの引用です。

※この作品には、耳をちぎられて血が流れる場面があります。

壇ノ浦の怨霊

琵琶の名手・芳一

甲冑の侍

プレ男宮中の言葉で話す人たちが、壇ノ浦の話を聞いて泣く…。もしかして…。

墓地の琵琶

全身に書かれた経文

「ただその耳が二つあるばかりだ」

メル美経文の書かれていなかった耳だけが、怨霊に見えていたんだね…。

「耳だけが残っていた!」

「耳無芳一の話」で、住職は芳一の全身に般若心経を書きますが、耳に書くことは納所に任せ、確かめていませんでした。経文のない耳だけが、迎えにきた侍に見えてしまったのです。

まとめ


参考文献

  1. 小泉八雲(戸川明三訳). 耳無芳一の話(底本:『小泉八雲全集第八卷家庭版』第一書房、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000258/card42927.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 怪談小泉八雲の怪談「鏡と鐘」お寺の鐘のために出した母の形見の鏡だけが、どうしても溶けなかった。「この鐘を鳴らしてこわした人に、大金をあたえる」——無間山の鐘と、最後に出てきた「つぼの中身」
  2. 怪談『雨月物語』の「白峯」讃岐の山中、崇徳院の御陵で経をよむ西行の前に、「円位、円位」と呼ぶ声。あらわれた崇徳院の怨霊は「近ごろの世の乱れは自分のしわざだ」。夜通しの論争と、鬼火の中の魔王の姿——上田秋成の怪談
  3. 怪談小泉八雲の『怪談』「耳なし芳一」「雪女」は1904年に英語で出版された本から。ギリシャ生まれの作家が、妻セツと暮らした日本で書いた、亡くなる半年前の一冊